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2015年6月27日…小泉八雲は165回目の誕生日、第二次八雲会は発足50年

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ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)165回目の誕生日を迎えました。アイルランドのトラモアでは現地時間の昨日、ハーン曾孫・小泉凡さん夫妻も出席して小泉八雲庭園の開園式が行われ、八雲会のFacebookページTwitterでは現地からのニュースを逐次ご紹介しました。まとめは山陰日本アイルランド協会のサイトに載りましたので、この話題については今日はそちらでご覧いただくとして、八雲会ブログでは私たち八雲会のお話をさせてください。

今年第一次八雲会は創立から100年を迎えますが、現在の八雲会(第二次八雲会)は今日6月27日で、発足からちょうど50年になりました。第二次八雲会設立に先立ち、発起人たちは次のような趣意書を発しました。「八雲を顕彰し、郷土の皆様が一人でも多く彼に興味をもたれ、永く敬慕下さるようになれば」とその趣旨をうたい、八雲会という名称は第一次八雲会の「復活という願意をこめて」名づけたものだと述べています。

八雲会設立について
郷土のみなさんへ
 初夏の候、いよいよ御清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、ごぞんじのとおり、郷土、松江の誇り、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が逝つて六十余年、年月を経るにつれてますます彼の郷土にのこした足跡の偉大さを思わずにはいられません。この松江が、戦後、国際文化観光都市を標榜できたのも、遥か明治の中期に、偶然にも八雲が来松し、かずかずの作品の中で、広く世界に紹介したことも大いに与つていることと思います。
 近年、松江を訪れる内外人は急速にその数を増しております。それらの人々がまず口にするのは、小泉八雲、杖をひくのは八雲旧居ときまつているようですが、その反面郷土では案外、八雲に疎い人々が多いような気が致します。
 そこで私達は不肖の身を顧みず、八雲を顕彰し、郷土の皆様が一人でも多く彼に興味をもたれ、永く敬慕下さるようになればと、表記の会の設立を計画致しました。純粋な民間団体として自由に、また気軽に御入会下さいますように、心から望んでおります。
 会の名称の由来につきましては、昭和の初期、小泉八雲記念館建設を目的として「八雲会」が存在致しましたので、その会の復活という願意をこめて名付けました。
 発会式は小泉八雲の誕生日に当ります。きたる六月二十七日(日)に左記の要項にて行います。なお御手数ながら入会後希望のお方は同封の申込書に御記入の上、六月二十二日までに届くように御投函下さい。また会則案も印刷しておりますので御高覧下さい。
   昭和四十年六月十六日
〔以下略〕

発起人は下記の人々。大学や高校・中学校の教員が中心でした。

発起人(順不同)
(近畿日本ツーリスト松江営業所)
      本田秀夫
(島大)  梶谷泰之
(島大)  森亮
(松江北高)山崎亮平
(松江北高)山中保夫
(松江二中)仲田輝男
(松江商業)大浦敏男
(附中)  吉井祐蔵
(松江南高)池野誠
(農大附高)高橋肇
(島大学生)依田昌彦

※島大:島根大学。附中:島根大学教育学部附属中学校。農大附高:島根県立島根農科大学附属高等学校(現在の島根県立松江農林高等学校)。

本田秀夫は初代会長、梶谷泰之と森亮は顧問(梶谷はのちに会長、名誉顧問)、池野誠は現在理事を務めており、高橋肇は長く事務局を担当しました。

こちらは、当時の島根県労働会館(松江市)で開かれた第二次八雲会の設立総会の模様です。

第二次八雲会設立総会(1965年6月27日、島根県労働会館)

第二次八雲会設立総会(1965年6月27日、島根県労働会館)

壁に貼られた記念講演の演題は次の通りです。

「へるんと私」白築祐久
「旧八雲会の思い出」和田正則
「故一雄氏をしのぶ」梶谷泰之

出雲大社にほど近い稲佐の浜をハーン一家が訪れた際、長男の一雄と遊んだ白築、松江市職員として第一次八雲会とかかわりのあった和田、ハーンの子女のうち最後まで存命し、この年亡くなった一雄を偲ぶ梶谷。このほか、当会の記録によると石村春荘が「明治のへるん」と題して講演しているようです。

もう1枚の写真は、同じ年8月に、中高生を対象に実施した「へるんサマースクール」。

へるんサマースクール(1965年8月、松江城本丸)

へるんサマースクール(1965年8月、松江城本丸)

松江城本丸に集い、ハーンの作品における天守閣の描写や、ハーンの登閣の足跡について説明を受けているのでしょうか。左手に見える台座には、戦時中の金属供出で失われた松江藩松平家の初代・直政の銅像が置かれていました(銅像は近年、三の丸の県庁前広場に再建されました)。サマースクールでは、英文テキストを片手に市内のハーンゆかりの地を訪ねながら、4日間にわたってハーンへの理解を深めたそうです。

こうした第二次八雲会設立当初の様子がわかる資料や、第一次・第二次八雲会の年譜「八雲会の歩み」全面改訂版をまとめたパンフレットを、次の土曜日7月4日、八雲会創立100年記念講演会・シンポジウム「八雲の記憶、百年の継承。」の来場者にお配りする予定です。当日どうぞお楽しみになさってください。

八雲会創立100年記念講演会・シンポジウム「八雲の記憶、百年の継承。」 | 八雲会 | The Hearn Society:小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の研究・顕彰

【6/25記事追加】6月26日開園、アイルランド・トラモアの小泉八雲庭園

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が少年時代にしばしば滞在したアイルランドの海辺のまち・トラモアに建設が進められてきた小泉八雲庭園(The Lafcadio Hearn Gardens)が、現地時間の6月26日(金)、ハーンの誕生日前日に開園を迎えます。アイルランド駐在の渥美千尋・日本大使や、ハーン曾孫・小泉凡さん、祥子さん夫妻も記念式典に参列する予定です。

在アイルランド日本大使館のプレスリリース(英文)。開園の経緯や関係者の言葉もまとめられています。

Press Release

庭園の基本的な情報は庭園の公式サイトで。Facebookページでは工事の進捗が折に触れて伝えられてきました。

The Lafcadio Hearn Gardens – lafcadiohearngardens

現地メディアの記事。

Fabulous Lafcadio Hearn Gardens, Tramore, to open this Friday

こちらはThe Irish Timesより、同紙でハーンの話題といえばこの人、ジョン・モーランさんによる記事。ハーンとアイルランドのかかわりから、小泉八雲庭園、そしてこの秋アイルランド各地で開催される「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン:帰郷」について。

How Patrick Lafcadio Hearn travelled around the world for 150 years, before making his mark in Waterford

【6/25記事追加】アイルランドの放送局・RTÉのサイトで公開された動画。15:12ごろから約9分間が庭園の話題です。庭園のみどころ、起工式や工事の模様、関係者のインタビュー。

Watch Nationwide online

富山大学附属図書館: 6/21は富山八雲会公開セミナー「ハーンの世界に魅せられて」

今年もラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の誕生日6月27日が近づき、各地でハーンに関するイベントが多数開催される時期となりました。八雲会ブログの中の人は、今日から小泉八雲記念館(島根県松江市)で始まった企画展「ラフカディオ・ハーンとアイルランド:記憶のはじまり」や、7月4日の八雲会創立100年記念講演会・シンポジウム「八雲の記憶、百年の継承。」などの準備に追われる日々。広報のためにこまめに更新しなければいけないブログにも手が回らないありさま……

さて明日6月21日(日)は、ハーンの蔵書を収めるヘルン文庫(富山大学附属図書館内)のおひざもと・富山市で、富山八雲会公開セミナー「ハーンの世界に魅せられて」が開催されます。富山八雲会の会員による英語紙芝居 “The Old Woman Who Lost Her Dumpling” (だんごをなくしたおばあさん)、NHK富山放送局アナウンサーによる朗読「耳なし芳一のはなし」、平川祐弘さん(東京大学名誉教授)の特別講演「ハーンとさまざまな文化の女たち」が予定されています。会場は高志の国文学館です。

以下、富山大学附属図書館のTwitterアカウントよりご紹介します。

朝日新聞: 島根版の連載「元気力」に小泉凡さん登場

『朝日新聞』島根版の連載エッセイ「元気力」に、5月18日付よりラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授)が登場。同紙サイトでも読むことができます。第1回は「松江ゴーストツアー」誕生のいきさつについて。

朝日新聞: 1―怪談、大切な観光資源 ※連載「元気力」今回から小泉凡さん「曽祖父ラフカディオ・ハーンのことを、松江でしゃべったり書いたりするのは、何となくおこがましく、七光りを恐れる気持ちも働いて実に微妙な感覚でした」

Posted by 八雲会 on 2015年5月18日

 

松江城天守閣で開催した美術展「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」

国宝指定が決まり、多くの人出でにぎわっている松江城の天守閣。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)来日120年・生誕160年を迎えた2010年、天守閣を会場に「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン:小泉八雲に捧げる造形美術展」が開催されました。写真を八雲会Facebookページに載せています。

日時: 2010年10月10日〜11月14日場所: 松江城天守閣、小泉八雲記念館、カラコロ工房写真: 影山弓子The Open Mind of Lafcadio Hearn (Art Exhibition: Homage to…

Posted by 八雲会 on 2014年2月7日

 

国宝指定へ…松江城天守閣の報道から

松江城天守閣、国宝指定へ…発表から一夜明けた今日の報道を、ネットから拾ってみました。

『ハフィントンポスト・ジャパン』では、しまねっこのコメントに加えて、昨日の八雲会ブログでもご紹介したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の作品「神々の国の首都(”The Chied City of the Province of the Gods”)」(『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 Glimpses of Unfamiliar Japan 所収)からの引用も。

松江城、国宝になる。しまねっこも「感無量にゃう」

先日掲載された『朝日新聞』の連載「城をゆく 山陰ものがたり」の松江城を取り上げた回。こちらも冒頭はハーンでした。

島根)再発見続く優美な「竜」 松江城:朝日新聞デジタル

その『朝日新聞』今朝の記事にはハーン曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授)のコメントが。

島根)地元歓喜、観光に期待の声 松江城の国宝「内定」:朝日新聞デジタル

『島根日日新聞』『毎日新聞』のサイトに載ったのは、国宝指定の決め手となった祈祷札に注目した記事。『毎日新聞』には緑と水の豊かな松江城を空撮した写真特集も。

島根日日新聞

松江城:懸賞金かけ発見…「祈祷札」決め手 天守国宝に – 毎日新聞

今回、天守閣の国宝指定に伴って附(つけたり)指定されることになった祈祷札ほか3点の資料は、松江城そばの松江歴史館で公開予定とのこと。現在は天守閣をのぞむ廊下でパネル展示が行われています。

★祝 ! 松江城天守国宝へ★☆祈祷札などのパネル展示中☆平成27年5月15日に開催された国の文化審議会において、松江城天守を国宝に指定するよう文部科学大臣に対して答申がなされました。今回の国宝指定にあわせて、近年再発見された慶長…

Posted by 松江歴史館 on 2015年5月15日

最後に『山陰中央新報』の1面コラム。天守閣保存に尽くした人物のひとりとして登場する籠手田安定は、ハーンが松江に赴任した当時のし島根県知事で、ハーンの作品「英語教師の日記から(”From the diary of an English Teacher”)」(『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 Glimpses of Unfamiliar Japan 所収)に登場します。

山陰中央新報 – 国宝の窮地を救った心意気

【18:45追加】松江城天守閣が国宝指定へ

松江城天守閣

松江城天守閣

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)にもゆかりのある松江城の天守閣が、国宝に指定されることになりました。

島根「松江城天守」国宝に指定へ NHKニュース

文化庁のプレスリリース「国宝・重要文化財(建造物)の指定」に記事があります。

文化庁 | 報道発表資料

松江では近年、官民挙げた「松江城を国宝にしよう」という取り組みが。

松江城を国宝にしよう | 島根県松江市観光公式サイト

ハーン作品では、「神々の国の首都(“The Chief City of the Province of the Gods”)」(『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』所収)で「容貌怪異の竜」(村松真吾訳)と形容。神戸から東京への転勤を前に妻子とともに松江を再び訪れた際の取材をもとにした「出雲への旅日記(Notes of a Trip to Izumo)」(『アトランティック・マンスリー(The Atlantic Monthly)』1897年5月号所収)にも再び登場します。また、松江時代の同僚・西田千太郎の日記にも、ハーンとの登閣の記事があります。

「容貌怪異の竜」のくだりは、八雲会の本『新版 神々の国の旅案内』(村松真吾訳)にも収録してあります。

新版 神々の国の旅案内(へるんさんの旅文庫 1) | 八雲会 | The Hearn Society:小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の研究・顕彰

以前のブログでご紹介した、松江城に関する最新の研究成果を踏まえた手ごろな解説書、西和夫『松江城再発見:天守、城、そして城下町』(松江市ふるさと文庫)。「ラフカディオ・ハーンの見た天守」という章も設けられています。松江にお越しの際は手にとってみてください。

松江市:暮らしのガイド:刊行物のご案内

【18:45追加】松江市と島根県からも報道発表が出ました。

松江市:暮らしのガイド:松江城天守の国宝指定について

『八雲の妻』著者・長谷川洋二さんがサイト開設

2014年に増補改訂された『八雲の妻:小泉セツの生涯』(今井書店)の著者・長谷川洋二さんのウェブサイトが開設されました。タイトルは「小泉八雲に怪談を語る私」……まさに“八雲の妻”ですね。同書の引用を通じて、セツの生涯をたどることができます。

小泉八雲 (小泉八雲に怪談を語る私)

池田雅之訳『新編 日本の面影 II』6/20発売

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』の抄訳集として広く読まれている池田雅之訳『新編 日本の面影』(角川ソフィア文庫、2000年)の続刊が、実に15年ぶりに登場します。KADOKAWAのサイトによると、『新編 日本の面影 II』(角川ソフィア文庫)が6月20日(土)発売されるとのことです。

株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト|新編 日本の面影 II

代表作『知られぬ日本の面影』を新編集する待望の第2弾。「鎌倉・江ノ島詣で」「八重垣神社」「美保の関」「二つの珍しい祭日」ほか、日本に対するハーンの想いと細緻な眼差しを感じる新訳十編。

こちらは既刊の『新編 日本の面影』。

株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト|新編 日本の面影

『平成松江怪談』第2弾「出前」公開

映像クリエイター・FROGMANさんと、怪異蒐集家・木原浩勝さんが、松江での取材をもとに作ったアニメ『平成松江怪談』の第2弾「出前」が公開されました。本編のあとには、4月より始まった松江の怪談ツアー「ちどり娘と行く八雲の“Kwaidan散歩”」の紹介も。

アニメのニュースサイト「アニメイトTV」でも取り上げられています。

FROGMAN×木原浩勝『平成松江怪談』第2話が配信開始 – アニメイトTV

こちらは『産経新聞』の記事。

ネット騒然!?「平成松江怪談」体験談もとにアニメ制作

「怪談のふるさと松江」キャンペーンサイトには、“松江の吉田くん”のコメントが。

怪談のふるさと松江 | 吉田の松江大作戦

産経新聞: 「稲むらの火の精神、世界に発信を」 和歌山で八雲のひ孫講演

5月4日(月・祝)に稲むらの火の館(和歌山県広川町)で開催された、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授)の講演会「オープン・マインドで生きる:濱口梧陵と小泉八雲をめぐって」の模様について、『産経新聞』が伝えています。

「稲むらの火の精神、世界に発信を」 和歌山で八雲のひ孫講演

山陰中央新報: アイルランドで小泉八雲の顕彰イベント

ギリシャ、日本、アメリカで開催されてきたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)顕彰事業「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」が、10月に初めてアイルランドで実施されることを、『山陰中央新報』が伝えています。

山陰中央新報 – アイルランドで小泉八雲の顕彰イベント

同紙サイトにはリード文のみ掲載されていますが、紙面には、ダブリン・リトル・ミュージアム(ダブリン市)での「八雲が使った椅子や机のレプリカ、原稿、知人が宛てた手紙など」を展示する展覧会、松江市出身の俳優・佐野史郎さんとギタリスト・山本恭司さんによる「小泉八雲・朗読の夕べ」の新作「稀人(まろうど)」のダブリンほか3都市での上演が、事業計画として挙げられています。

アラン・ケラ=ヴィレジェ講演会「ピエール・ロチとラフカディオ・ハーン」5/6、富山大学で開催

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の蔵書を収めるヘルン文庫がある富山大学(富山市)で、アラン・ケラ=ヴィレジェさん(リセ・ヴィクトル・ユゴー教授)の講演会「ピエール・ロチとラフカディオ・ハーン」(Conférence: Pierre Loti et Lafcadio Hearn par Alain Quella-Villéger)が、連休最終日の5月6日(水)に開催されます。

ロチ(1850-1923)はハーンと同じ年に生まれたフランスの作家・海軍士官で、1885(明治18)年に初来日、『お菊さん(Madame Chrysenthème)』など日本を舞台にした小説を書き、ハーンにも影響を与えたとされる人物です。

来る2015年5月6日(水)14:00~15:30,人文学部第6講義室で「アラン・ケラ=ヴィレジェ講演会「ピエール・ロチとラフカディオ・ハーン」 / Conférence:Pierre Loti et Lafcadio Hearnpar…

Posted by 富山大学附属図書館(中央図書館) on 2015年4月19日

 

ハーンと松江を紹介…日仏で放送『ESPRIT JAPON』仏語版の動画

日本(BSフジ)とフランスで月1回放送されているテレビ番組『ESPRIT JAPON』。「小泉八雲の愛した島根県、松江」を含む3月27日放送回のフランス語版の動画を、下記で公開されています。

#06 Washoku, artisanat et Lafcadio Hearn | Esprit Japon | noco

番組サイトには、文(日本語およびフランス語)と写真による放送内容の再録があります。

Esprit Japon|エスプリジャポン

古代出雲歴史博物館で企画展「入り海の記憶」5/17まで開催中

出雲大社の東隣にある島根県立古代出雲歴史博物館(島根県出雲市)では、企画展「入り海の記憶:知られざる出雲の面影」が5月17日(日)まで開催されています。

宍道湖・中海をはじめとする日本海沿岸地域の入り海と、人々とのかかわりの歴史を紐解く同展。展示解説のパネルには、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』からの引用が添えられるほか、同館所蔵の初版本や、ハーンの紹介を記した観光パンフレットといったハーンに関する資料も展示されています。

島根県立古代出雲歴史博物館|サイト

同展のポスターについて、文化情報誌『Catch』の記事。

また、宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島の写真をポスターの背景に使用していますが、それもあえて青で表現しています。宍道湖といえば、夕日に染まる赤をイメージしがちですが、宍道湖、そして出雲を愛した小泉八雲は、日が昇る前の宍道湖を「神々の国の首都」のなかで次のように讃えています。「はるか湖の縁ふちまで長く伸びている、ほんのり色づいた雲のような長い霞の帯。それはまるで、日本の古い絵巻物から抜け出てきたかのようである」と—。この一節は、夜明け直後の淡い青色を帯びた宍道湖を想像させ、夕景だけではない宍道湖の魅力を語っているように思われます。

CATCH navi –

会期中は同館のカフェに、日本海や宍道湖の朝日・夕日を連想させる色が特徴の炭酸飲料も登場。また展示室内のグッズ売り場では、『知られぬ日本の面影』初版本の表紙のデザインを用いたトートバッグなどのハーン・グッズも販売しています。

山陰中央新報 – 古代出雲歴史博物館で「入り海の記憶」オリジナルジュース

こんにちは!アテンダントです。本日はショップより、現在開催中の企画展「入り海の記憶 ~知られざる出雲の面影~」(3月27日~5月17日)の関連商品について、ご紹介します!前回の展示図録に続いて紹介するのは、レトロな竹笹のイラストがプリ…

Posted by 島根県立古代出雲歴史博物館 on 2015年4月19日

 

『とっとり文学探訪マップ』に「小泉八雲『日本海の民俗発見』ルート」

鳥取県がこのほど『とっとり文学探訪マップ』を作成しました。県ゆかりの文学者や作品をまとめたこの地図には「小泉八雲『日本海の民俗発見』ルート」も掲載。松江赴任の道中や妻セツとの新婚旅行で足跡を残した地、ゆかりの作品を収録した池田雅之訳『新編日本の面影』(角川ソフィア文庫)が紹介されています。マップのPDFファイルは、鳥取県のサイトよりダウンロードすることができます。

PDFファイルはエリア別に分割したものも用意されていますが、対象地域の広い同ルートに関しては、「マップ全体」の「中面(全県)」が見やすいです。

とっとり文学探訪マップ/文化観光局/とりネット/鳥取県公式サイト

マップは『読売新聞』でも取り上げられました(記事の公開期間は終了しています)。

読売新聞: ぶらり「文学」ゆかりの地 ※「「とっとり文学探訪マップ」…県内外の観光施設などで好評」「ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が歩いた「日本海の民俗発見」などの旅行ルートも提案」

Posted by 八雲会 on 2015年4月17日

 

読売新聞: 梧陵伝説広めた八雲 ひ孫・凡さん広川で4日講演

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「生き神(A Living God)」に登場する庄屋五兵衛のモデル・濱口悟陵の功績を伝える稲むらの火の館(和歌山県広川町)で、ハーンの曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授)の講演会「オープン・マインドで生きる:濱口梧陵と小泉八雲をめぐって」が5月4日(月・祝)に開催されることを、『読売新聞』が凡さんのインタビューを交えて伝えています。

梧陵伝説広めた八雲  ひ孫・凡さん広川で4日講演

講演会の詳細は、同館発行の『やかただより』4月号に掲載されています。

やかただより4月号: 稲むらの火の館 ブログ

アイルランドの日本映画フェスティバルで《怪談》上映

在アイルランド日本大使館や国際交流基金のサポートもと、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の故国のひとつであるアイルランド各地で開催中のJapanese Film Festival 2015。上映作品は近年日本で公開されたものが中心ですが、その中に混じって、1965(昭和40)年日本公開のハーン原作/小林正樹監督《怪談》も取り上げられ、18日(土)にウォーターフォードのGarter Lane Arts Centreで、23日(木)はダブリンのLight House Cinemaで上映されました。

In advance of the planned opening of the Lafcadio Hearn Gardens Tramore later this year, it seemed fitting to screen the…

Posted by Japanese Film Festival Ireland on 2015年4月18日

Last screening of this year's festival happens at 6pm tonight at the Light House Cinema. It's a goodie – a rare chance…

Posted by Japanese Film Festival Ireland on 2015年4月23日

 
同フェスティバルの上映作品には、島根県松江市と出雲市を結ぶ一畑電車の運転士を主人公とする作品《RAILWAYS:49歳で電車の運転士になった男の物語》(錦織良成監督、2010年)も含まれています。

The first of the 4 special Japan Foundation film screenings, hosted as part of the Festival, takes place this evening at…

Posted by Japanese Film Festival Ireland on 2015年4月20日

 

山陰中央新報: 山陰きらりキッズ 「母の愛や努力の大切さ学んだ」

『山陰中央新報』の購読者へ毎週水曜日に無料配付される『山陰こども新聞』に、平成26年度「小泉八雲をよむ」感想文、作詞・詩(主催:松江市、松江市教育委員会、八雲会)で、感想文小学生の部の優秀賞を受賞した三島杏夏さん(応募時松江市立揖屋小6年/現在同市立東出雲中学校1年)が登場。受賞作を書いた経緯や審査講評、三島さんの人となりが紹介されています。『山陰中央新報』のサイトで記事を読むことができます。

山陰中央新報: 山陰きらりキッズ 「母の愛や努力の大切さ学んだ」 ※「小泉八雲をよむ」感想文小学生の部で優秀賞、三島杏夏さん(応募時、松江市立揖屋小6年)。

Posted by 八雲会 on 2015年4月22日

全国学力テストでハーン「貉」出題

4月21日(火)、全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施された2015年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)のうち、中学校の国語Bでラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「貉(むじな)」からの出題がありました。

「貉」からの出題は3問で、本作の原文が英語で書かれたことを踏まえた以下のような設問も。

「お泣きなさるな」は、原文では「Do not cry」(「泣いてはいけない」の意味)と書かれています。この部分を「お泣きなさるな」と翻訳したことで、どのようなことを伝える効果がありますか。

問題と解答、解説資料のPDFファイルが報道各社のサイトで公開されています。

【2015年度全国学力テスト】 問題と解答を掲載しています : 47トピックス – 47NEWS(よんななニュース)

定期講座「小泉八雲に学び・親しむ」2015年度第1回は「八雲会100年、小泉八雲を顕彰してきた人々」

松江市立中央図書館の定期講座「小泉八雲に学び・親しむ」は2015年度も開講します。第1回となる4月25日(土)は「八雲会100年、小泉八雲を顕彰してきた人々」。第一次八雲会の誕生から100年、そして現在の八雲会(第二次八雲会)が発足して50年を迎える新年度にふさわしいテーマで、風呂鞏さん(広島ラフカディオ・ハーンの会主宰、八雲会会員)がお話しします。

住吉神社(広島市)が発行する『月刊「すみよし」』で連載を持つ風呂さん。多くの回でラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に触れていますが、今年2月号では「八雲会創立一〇〇年」と題して寄稿。今週末の講座の予習にもちょうどよさそうです。

月刊「すみよし」

風呂さんが主宰する広島ラフカディオ・ハーンの会が月1回開く例会では、今年1年を通して八雲会の歴史、ハーン顕彰に尽くした人々を取り上げています。例会ごとに作成される「ニュース」にも毎号、記事があります。

第173回「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース(2015.1.10)

第174回「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース(2015.2.14)

第175回「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース(2015.3.7)

第176回「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース(2015.4.11)

こちらは同会会員のブログより、4月例会の参加記録の一節です。

風呂先生は日ごろ、八雲を顕彰してきた人々への顕彰を促されています。
たしかに風呂先生をはじめ八雲を顕彰してきた方々によって、充実した退職後の人生を送らせていただいている私としても、何はさておき八雲を学ぶ時には、このことを心の柱として据え置かなければならないと感じています。
とくに、このたびは、当日検査入院されていたにもかかわらず、この会に来てくださった風呂先生への感謝を心に刻みます。そして、たとえば、これまでも本を読むことは大好きだった私ですが、この会を通じて八雲会の功労者である市川三喜を知っていたおかげで、さきごろの読書でも、何気なく読み過ごしてしまう安倍能成の「岩波と私」の文中、岩波が快活であることの説明として、岩波書店開店の前年、岩波と5,6人で立山に登った大正元年の話題のなか
《岩波は信州生まれの山男であり、しまいになるほどますます元気が出てきた。市河君は岩波より四つ五つ若いはずだが、案内頭の作十は、市河君に向かって、「先生、若い衆は先へ行かせてゆっくり参りやしょう」といった。しかもその若い衆とは岩波なのだから、いささか驚かざるを得ない・・・》とあるところ、市川三喜の吐息と苦笑の表情が感じられて、印象深いものになりました。

山姥珍道中記 第176回 「広島ラフカディオ・ハーンの会」参加記録

松江市立中央図書館定期講座「小泉八雲に学び・親しむ」の年間予定のチェックと申込用紙のダウンロードは、松江市立図書館のサイトでどうぞ。

松江市立図書館公式サイト

映画《とっとりの幽霊布団》完成記念上映会…ハーン曾孫・小泉凡さん来場

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の怪談を映画化した《とっとりの幽霊布団》の完成記念上映会が、4月11日(土)に映画の舞台地・鳥取市で開催されました。当日はハーン曾孫の小泉凡さんが来場。その模様を主催者のブログが伝えています。

<八雲ワールド>小泉凡さんがとっとりの幽霊布団を鑑賞されました – 鳥取黒木龍馬会&鳥取の映画製作委員会

八雲パワーの良い表情記念写真 – 鳥取黒木龍馬会&鳥取の映画製作委員会

こちらは来場者のブログ。

4月11日(土) SLに映画に・・・ | 学成寺

一般上映会はひきつづき5月まで開催されるとのことです。

とっとりの幽霊布団上映会に小泉凡さんが来場されます – 鳥取黒木龍馬会&鳥取の映画製作委員会

静岡新聞: 八雲の音楽取材紹介 焼津で小企画展

焼津小泉八雲記念館(静岡県焼津市)で4月11日(土)に始まった第16回小企画展示会「ハーン文学の音と音楽」について、地元紙の『静岡新聞』が報じています。

16歳で左目の視力を失い、右目の視力も微弱だった八雲は視覚を補うように鋭い聴覚を持ち、民俗音楽などを熱心に収集して雑誌などで記事化していた。今回は、ハーンが執筆家としてのキャリアをスタートさせた米国時代から晩年の日本時代までに取材した音や音楽について紹介する資料24点を展示した。
焼津を訪れた際に触れた「焼津町のうた」を書き留めたメモの複製、日本女性の名前の発音を図解した原稿、記事を掲載した雑誌などをそろえている。

八雲の音楽取材紹介 焼津で小企画展 | 静岡新聞

同展は7月20日(月)まで開催されます。

“ダブル松江観光大使”FROGMAN×木原浩勝さん共作アニメ『平成松江怪談』無料公開始まる

怪談のふるさと松江」の観光キャンペーンの一環として昨年11月に東京で開催されたイベント「松江市プレゼンツ2014 吉田の晴れときどき怪談:怪談のふるさと松江1周年」でお披露目されたオリジナル怪談アニメ『平成松江怪談』シリーズの無料公開が始まり、第1弾として「イケコ」がインターネットで見られるようになりました。

『平成松江怪談』は、『秘密結社鷹の爪』で知られる映像クリエイターのFROGMANさんと、『新耳袋』の著者である怪異蒐集家・木原浩勝さんの共作。松江観光大使を務める二人が現代の松江に伝わる怪談を取材して作品化したものです。

ニュースサイトのGIGAZINEが、「イケコ」のあらすじとともに記事を掲載しています。

オリジナル怪談アニメ「平成松江怪談」シリーズの無料公開がスタート

こちらが今回公開された「イケコ」。冒頭では“松江の吉田くん”が、松江とラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、怪談のかかわりについて解説したのち、本編に入ります…。

「怪談のふるさと松江」キャンペーンサイトにも『平成松江怪談』の情報が追加され、4作品の公開スケジュールも掲載されています。

怪談のふるさと松江 | 吉田の松江大作戦