投稿:2015年03月12日(木)
東日本大震災発生から4年を迎えた昨日、安来市立広瀬小学校(島根県安来市)を錦織明・出雲かんべの里館長(八雲会理事)が訪れ、紙芝居「TSUNAMI」を上演したことを『読売新聞』『山陰中央新報』が伝えています。
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の作品「生神様(A Living God)」をもとに書かれた「稲むらの火」の物語は、戦前の国定教科書で取り上げられ、近年は防災教材として改めて注目されていますが、その国定教科書の編集に携わった文部官僚・井上赳は、現在の安来市広瀬町の出身。ハーンが松江に暮らしたことに加えて、島根県とは縁の深い作品です。
タグ: 井上赳, 安来, 山陰中央新報, 広瀬小学校, 新聞記事, 東北関東大震災, 津波, 生神様, 稲むらの火, 紙芝居, 読売新聞, 錦織明
投稿:2015年03月11日(水)
八雲会ブログでこれまでも折に触れご紹介してきた、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の作品「生神様(A Living God)」を原作とし、戦前の国定教科書に採用された「稲むらの火」。大地震の発生直後、庄屋の五兵衛が収穫したばかりの稲の束に火をつけて村人をひきつけ、津波から村人の命を救ったという物語です。近年は、防災の教材として日本だけでなく海外でも注目を集め、さまざまな言語に翻訳されています。
2009年、宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会が、教育紙芝居DVD『稲むらの火』を制作しました。1942年に作られた「稲むらの火」の紙芝居を、ナレーション入りのDVDとして現代によみがえらせたものです。ハーン没後110年を迎えた2014年、ハーン生誕の地にギリシャのレフカダにラフカディオ・ハーン・ヒストリカル・センターが開館した際に、日本のハーン関係の個人・団体から数々の収蔵品が寄贈されましたが、その中には教育紙芝居DVD『稲むらの火』の英語・ギリシャ語字幕版もありました。
そのことを伝える記事が『読売新聞』欧州版に掲載されていました。NPOげんき宮城研究所のブログで先ごろ取り上げられましたので、東日本大震災発生から4年を迎えたこの日にあたり、ご紹介しておきます。
【3/12更新】3/11付の『読売新聞』でも、東日本大震災関連記事として紙芝居DVDについて取り上げられました。
タグ: まちづくりNPOげんき宮城研究所, みちのく八雲会, オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン, ギリシャ, ギリシャ小泉八雲没後110年記念事業, ラフカディオ・ハーン・ヒストリカル・センター, 新聞記事, 東北関東大震災, 津波, 生き神, 稲むらの火, 読売新聞
投稿:2014年07月17日(木)
15日(火)に初日を迎えた静岡福祉大学附属図書館(静岡県焼津市)の企画展「紙芝居から伝える小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」のオープニング企画として、錦織明・出雲かんべの里館長(八雲会理事)と同大学紙芝居研究会による紙芝居の会が開催されました。その模様を『朝日新聞』が伝えています。
焼津市にゆかりのある作家・小泉八雲(1850〜1904)の没後110年と静岡福祉大学の創立10周年を記念する「紙芝居から伝える小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)展」が焼津市本中根の同大学付属図書館で開かれています http://t.co/v8FFaGj2WK
— asahi_shizuoka (@asahi_shizuoka) 2014, 7月 17
【↓ 7/20記事追加】静岡福祉大学のサイトにも当日の様子が掲載されました。
投稿:2014年07月14日(月)
静岡福祉大学附属図書館(静岡県焼津市)で、企画展「紙芝居から伝える小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)」が明日15日(火)から始まります(11月7日(金)まで)。
焼津を愛したハーンと自然災害をテーマにした同館の企画展は、「小泉八雲と自然災害——ヘルンさんからのメッセージ」や「子どもの防災教材・稲むらの火誕生と服部一三——八雲を日本へ導いた人物」(ともに2012年)に続くものです。
開催初日の明日はオープニング企画として、「TSUNAMI」などハーン原作の紙芝居を上演している錦織明・出雲かんべの里館長と、同大学紙芝居研究会による紙芝居の会が開かれます。
地元紙『静岡新聞』の記事。
【↓ 7/14 20:30 記事追加】
【↓ 7/15 記事追加】
タグ: 山陰中央新報, 東北関東大震災, 津波, 濱口悟陵, 焼津, 生き神, 稲むらの火, 紙芝居, 読売新聞, 錦織明, 静岡新聞, 静岡福祉大学
投稿:2013年03月11日(月)
『Pray for Japan:心を一つに』Theatrical Trailer。今日の上映会で現地活動報告を行う門間光紀さんが1分27秒頃に登場「思いはひとつですから」。
東日本大震災発生から2年を迎える今日2013年3月11日、松江市の島根県民会館中ホールで、スチュウ・リービー監督作品『Pray for Japan:心を一つに』の上映会を開催します。本作は、2012年9月1日に「まちづくりNPOげんき宮城研究所創立5周年・みちのく八雲会創立10周年 フォーラム2012 in 石巻」(宮城県石巻市)でも上映された作品です。東日本大震災発生2周年を迎える八雲会の森秀雄副会長が上映実行委員会の世話人代表を務めます。
上映後には、映画の出演者であり、宮城県で震災復興ボランティアに取り組むNPOげんき宮城研究所事務局長・門間光紀さん(みちのく八雲会主宰)の現地活動報告があります。
ご来場心からお待ちしております。
詳しくは下記リンク先のイベント情報ページをご覧ください。
→3.11ドキュメント映画上映『Pray for Japan:心を一つに』(しまね映像フェスティバル 映像のチカラPart 2)
投稿:2012年08月29日(水)
宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所の創立5周年と、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体・みちのく八雲会の創立10周年を記念する「フォーラム2012 in 石巻」が、今週末9月1日に開催されます。
このイベントは、八雲の曾孫・小泉凡さんの基調講演と、東日本大震災の「復興地」(主催者は「被災地」に替えてこの呼称を用いています)で活動する人々を記録したドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」(スチュウ・リービー監督作品)の2部構成です。
先日、みちのく八雲会主宰・まちづくりNPOげんき宮城研究所事務局長の門間光紀さんが、仙台発のUstream配信番組『復興を考えるソーシャル学生ネットワーク IF I AM』に出演し、「PRAY FOR JAPAN」上映を中心に、約30分にわたってイベントについてお話ししていました。その映像が公開されていますので、関連する記事と「PRAY FOR JAPAN」の予告編動画とともにご紹介します。
→第67回『IF I AM』(Ustream)
→第67回『IF I AM』(8/23)(笑顔311のブログ)
→Ustream配信をリアルタイムで視聴した人たちによるツイートのまとめ(Togetter) ※門間さん出演部分に関するツイートはページの後半です。
→『PRAY FOR JAPAN:心を一つに』公式サイト
当日は、日本三景・松島で知られる宮城県松島町のホテルで「全国八雲会交流&懇親会」が企画され、2010年の松江、2011年の熊本、今年5月の隠岐に続いて、全国の小泉八雲関係団体のみなさんが一堂に会します。石巻から松島への移動中には復興地の視察も織り込まれ、震災発生から間もなく1年半を迎える復興地の今に触れる機会となりそうです。私たち松江の八雲会からも、日野会長をはじめとする一行が参加します。
まちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会については、この八雲会のブログでしばしばご紹介・言及しています。この機会に東日本大震災関連の記事、またはサイト内検索でご覧ください。
タグ: PRAY FOR JAPAN, Ustream, まちづくりNPOげんき宮城研究所, みちのく八雲会, 小泉凡, 東北関東大震災, 門間光紀
投稿:2012年08月13日(月)
昨年、八雲会会員の中川智視さん(明治大学兼任講師)が、八雲の蔵書を一括収蔵する富山大学附属図書館「ヘルン文庫」での調査の過程で発見した、明治三陸地震に関する英文のリーフレット”The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896″(「日本での大災害 1896年6月15日」)とその日本語訳が、釜石市郷土資料館(岩手県釜石市)で開催中の「116年前からのメッセージ:明治三陸大津波写真展」で11日(土)から31日(金)まで展示されています。先月ご紹介しました静岡福祉大学附属図書館の「小泉八雲と自然災害」展でも展示された資料です。
投稿:2011年12月08日(木)
今週末12月10日(土)、松江市市民活動センターSTICビルでチャリティートークイベント「モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック」が開催されます。“今どきのアイルランド”をテーマに、松井ゆみ子さんが最新のアイルランドの暮らしや料理を紹介し(試食もあり!)、ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが自らの解説と選曲でアイリッシュ・ミュージックの世界へ誘います。
主催する山陰日本アイルランド協会は、アイルランド人の血を引く小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が松江で1年余を過ごした縁で、当時の駐日アイルランド大使ジェームズ・シャーキー氏の支援のもと1994年に設立されました。現在の副会長の一人は、八雲曾孫の小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)です。同協会では、アイリッシュ・フェスティバル in Matsueをはじめとするアイルランド文化を紹介するイベントや定期講座の開催などを通じて、アイルランド文化への理解を一般に普及する活動を行っています。
今回のイベントの収益金の一部は東日本大震災の復興支援に役立てられます。その支援先である「まちづくりNPOげんき宮城研究所」は、震災被災地である宮城県仙台市・石巻市を拠点に活動する小泉八雲顕彰団体「みちのく八雲会」主宰の門間光紀さんが代表を務めています。同NPOでは震災発生前から、八雲の作品「生き神(A Living God)」が伝える津波被害の教訓を現代に活かすべく、紙芝居DVD『稲むらの火』を宮城県内の小学校と社会福祉協議会に無償配布するなど、防災への取り組みを続けています。
先月26日に熊本市で開催された「小泉八雲来熊120年記念講演会・シンポジウム・清和文楽「雪女」公演」終演後の懇親会の席上、門間さんは各方面からの支援に感謝を伝えるとともに「震災報道が少なくなった今も、被災地はまたまだ支援を必要としています。継続してご支援をお願いします」との旨の挨拶をしていました。「モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック」に多数のみなさんのご来場・ご協力をお願いいたします。
アイルランド大使を中心に、日本国内にあるアイルランド関連団体は東日本大震災の被災者の方々に対しできる限りのサポートすることを話し合いました。そして、“IRELAND Supports JAPAN”と題し、何ができるのか検討してきました。私たち山陰日本アイルランド協会は、自然災害と日本人の国民性に大きな関心を抱いていたアイルランド人作家小泉八雲が、ペンの力で世界に津波の恐ろしさと防災の重要性を訴えた作品“A Living God”と、その中で初めて“Tsunami(津波)”という言葉を使ったことに注目し、宮城県にある「みちのく八雲会」のリーダーが主宰するNPO 「まちづくりNPOげんき宮城研究所」(代表:門間光紀氏)を支援先と決めて、アイリッシュ・チャリティー・イベントを開催することにしました。
ゲストのピーター・バラカンさんと松井ゆみ子さんは、このイベントの趣旨に賛同し松江に来てくださることになりました。「モダン・アイリッシュ」とは、いまどきの新しいアイルランドのことで、松井ゆみ子さんの最新の暮らしや料理の話、また、ピーター・バラカンさんの案内と選曲によるアイリッシュ・ミュージックの旅への誘いなど、贅沢で素晴らしいひと時を過ごして頂けると思います。
タグ: まちづくりNPOげんき宮城研究所, みちのく八雲会, 山陰日本アイルランド協会, 東北関東大震災, 松江, 津波, 生き神, 稲むらの火
投稿:2011年09月26日(月)
3連休、いかがお過ごしでしたか? 松江では、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にちなむ催しが連日開かれた、まさにヘルンさん三昧の毎日でした。
秋の松江では、八雲にちなむ催しが例年多数実施されます。近年は9月後半から約1か月間の休日の夜に、小泉八雲記念館や小泉八雲旧居を含む松江城山周辺の一帯で「松江水燈路」という手作りの行灯による街並みのライトアップが行われ、数々の協賛イベントが繰り広げられています。今年の場合は、小泉八雲記念館など周辺観光施設の開館時間延長、八雲が愛した石狐のいる城山稲荷神社での「へるんさんの燈明会」(9月24日)、ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテストに出場した中高生が英語で八雲の怪談を語る「英語で怪談ナイト」(9月25日)などが該当します。
そして何より、秋には小泉八雲の命日が巡ってきます。それが今日、9月26日です。松江では八雲の命日を記念して、中高生が英語による八雲作品の暗唱を競う「ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテスト」(9月23日)、次いで秋の季語になった「八雲忌」を冠した伝統の俳句会が、今年は「八雲忌山陰俳句大会」(9月24日)として開催されました。
八雲の命日を記念した催しの話題は、松江以外の八雲ゆかりの各地からも届いています。
23日には、東京に移り住んでからの八雲が毎年のように夏休みを過ごした静岡県焼津市で、「平成23年度八雲忌講演会」(焼津小泉八雲記念館)が開かれました。東日本大震災の被災地・宮城県で、八雲が幕末の津波災害の実話を元に書いた「生神様(A Living God)」を原作とする紙芝居DVD『稲むらの火』を、県内の小中学校などに配布する活動を震災前から行ってきた「みちのく八雲会」主宰の門間光紀さんが、「語り継ぐ『稲むらの火』ー東日本大震災から学ぶ」と題して講演しました。また、講演会を主催した小泉八雲顕彰会から、紙芝居DVD『稲むらの火』2枚が、焼津市教育委員会に寄贈されました。
→活動報告72(げんき宮城通信)
→「稲むらの火」で津波教育を 焼津市教委にDVD(静岡新聞)
昨日25日には熊本でも、熊本八雲会が主催する「ハーン来熊120年記念特別講演会」(熊本市立図書館)のテーマに、今回の震災、津波災害が採られました。防災の専門家らによる講演や「生神様」の朗読により、防災文学として八雲の作品を迫るという企画です。夜は八雲が来熊当初に住んだ家を移築した小泉八雲熊本旧居で、同旧居保存会主催の「怪談」朗読会もありました。
→ハーン来熊120年記念特別講演会と八雲の「怪談」朗読会のお知らせ
八雲にちなむさまざまな催しの余韻にひたりながら、命日当日の今日も、どうか八雲とその業績について思いをめぐらせて下さい。
タグ: みちのく八雲会, ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテスト, 俳句, 八雲会, 八雲忌, 小泉八雲熊本旧居, 小泉八雲顕彰会, 新聞記事, 東北関東大震災, 松江, 松江水燈路, 津波, 焼津, 焼津小泉八雲記念館, 熊本, 熊本八雲会, 熊本市立図書館, 生神様, 稲むらの火, 門間光紀
投稿:2011年09月20日(火)
9月23日(金・秋分の日)から25日(日)にかけての3連休、松江では小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にちなむイベントが多数実施されます。まとめてご紹介します。3連休の松江は“ヘルンさん”とご一緒にお楽しみください。
11:30-18:00
松江市総合文化センター
→詳細情報
小泉八雲の命日(9月26日)のころに毎年開催される、中高生が小泉八雲作品を英語で暗唱するコンテストです。アトラクションは、八雲曾孫・小泉凡さんの講演「小泉八雲と“tsunami”:大震災後のみちのくで」と、松江を拠点に活動する劇団幻影舞台の朗読劇「津波:稲むらの火」。一般の方も無料でご入場いただけますので、お好きな時間帯にお越しください。
13:30-17:30(受付13:00)
島根県民会館 3階 大会議室
→詳細情報
こちらも小泉八雲の命日(9月26日)のころに毎年開催される、八雲をしのぶ俳句会。今年は規模を拡大し、松江のみならず島根・鳥取両県の愛好者に投句を呼びかけました。「八雲忌」の季語を定めた高浜虚子の曾孫・坊城俊樹さんの記念講演も。
19:00-21:00
城山稲荷神社
→詳細情報
八雲の「狐 (“Kitsune”)」(『知られぬ日本の面影 (Glimpses of Unfamiliar Japan)』)ゆかりの神社で、石狐がロウソクの灯りで照らされる一夜。
19:00-20:00
武家屋敷
23日の第45回ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテストに出演する中高生が、八雲の怪談を英語で語ります。松江水燈路期間中の夜間無料開放につき、入場無料。
→詳細情報
12月25日(日)まで
小泉八雲記念館
→詳細情報
10月16日(日)までの毎週土曜・日曜・祝日
松江城周辺
→詳細情報
小泉八雲記念館などの開館時間延長、へるんさんの燈明会(上述)、英語で怪談ナイト(上述)ほか。
タグ: プラバホール, ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテスト, 俳句, 八雲忌, 劇団幻影舞台, 城山稲荷神社, 小泉八雲記念館, 小泉凡, 島根県民会館, 怪談, 東北関東大震災, 松江水燈路, 武家屋敷, 津波, 狐, 生き神, 稲むらの火
投稿:2011年06月27日(月)
今日6月27日は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の誕生日です。
昨日から今日にかけて、松江城の北堀に面して今も武家の屋敷の家並みをとどめる塩見縄手では、「へるんさんバースデー・アニバーサリー」と銘打って、小泉八雲旧居向かいの空き店舗では、津波に関する特別展示、八雲の曾孫・小泉凡さんが先月東日本大震災の被災地に「みちのく八雲会」の皆さんを訪問した際の写真のパネル展示、軽食やラフカディオ珈琲の販売が行われ、近隣商店や施設でもサプライズなサービスが実施されています。そして小泉八雲旧居に西隣、小泉八雲記念館では昨日から「小泉八雲のKAWAIDAN展:翻訳本と映画の世界」が始まりました。
小泉時、小泉凡共編『増補新版 文学アルバム小泉八雲』(恒文社、2008)によると、八雲は41歳の誕生日の5日前、1891(明治24)年6月22日に、塩見縄手の根岸邸に、生涯の伴侶となる小泉セツとともに転居しています。念願であった武家の屋敷での暮らしを始めたばかりの八雲は、どのような思いで41歳の誕生日を迎えたのでしょうか。根岸邸の一部は現在、小泉八雲旧居として一般に公開されています。
梅雨は鬱陶しい季節と思いたくもなりますが、八雲のこの家での暮らしぶりをしのぶには、絶好の季節が始まったと言えるのかも知れません。
投稿:2011年06月25日(土)
5月、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)が、東日本大震災の被災地を訪問、仙台を拠点に活動する「みちのく八雲会」(門間光紀代表)のみなさんと面会しました。小泉凡さんからお寄せいただいたリポートを、以下に掲載します。
文:小泉凡
5月の連休に、震災後はじめて仙台と石巻を訪ね、お見舞いの気持ちを込めて「みちのく八雲会」の皆さんと懇談してきました。同時に4月以降に八雲会に寄せられた義捐金と松江市在住の会員からご提供いただいた、和菓子とコーヒーを持参し、大いに喜んでいただきました。
5月4日は石巻へ。被害の少なかった郊外のショッピングセンター・イオンに門間代表を含め8名の会員の方が参集してくださいました。そのうち6名までは家も車も失われています。壮絶な非難体験談をうかがいました。以下に抜粋して紹介します。
「地震当日、石巻線の陸橋の上で吹雪の中、娘と手をつないで一夜を明かした。通りかかった鮮魚トラックが中身を捨てて、発泡スチロールで囲いをつくり仮設トイレを作ってくれた。」「べそをかきながら、夫と山路を避難した。姉の嫁ぎ先をめざしたが、暗くなってきて、心細くなり、まるで曽根崎心中だった。通りかかった車に手をあげると若い青年で、どこまででも送ってくれると親切だった。でも彼はガソリンも食料もほとんどなかったので地震直後にコンビニで買ったおにぎりをあげた。親切なコンビニの店員はその5分後に津波で流されたはず。そのことを思い出すと悲しい。」「私は昭和23年3月11日生まれ。夜には誕生日を祝ってもらうことになっていた。だから3月11日は私にとってリセットの日。」「嫌いだった人が死んでこんなに悲しい。生き方を変えなければと思った。」「近くの学校の3階に避難した。窓にSOS 1600人と書いた。自衛隊のヘリが降りてくれた。3日間食べ物がなかったが、女子高校生がお金を出し合ってお菓子を差し入れしてくれた。嬉しかった」。
心温まる美談もありました。「転居届を提出したわけでもないのに、自宅あての郵便物が、避難先の実家に届けられた。近所の人に訊いて届けてくれたのだろう。日本人は何と勤勉で親切!」「行政はとりあえず犠牲者の遺体を土葬して、後日あらためて火葬することに決定。棺を10体並べてまとめて供養する予定だったたが、若いお坊さんたちが、『それはない!短くても一人ずつお経を!とネットワークをつくって行政に陳情し、個人供養を実現させた』」「イギリスの支援チームに、皇太子の結婚式で帰らなくていいのですかと尋ねると『被災地支援の方がずっと大切だ』といわれ涙が出た」「瓦礫から掘り出された遺体の中に、赤ちゃんを抱きしめたままのお母さんがいた」。
ハーンの大雄寺の子育て幽霊譚の再話には、時空を超えたtruth(真理)が本当にあったのだと感じました。その後、2名の会員の方のご案内で被害の大きかった南浜地区へ。瓦礫の中に立つ廃墟のような小学校は真っ黒にコンクリートが焦げていました。津波で流された何台かの車が学校の前でぶつかりあって炎上し、火災が発生したのです。そこに近い墓地では9割型の墓碑が倒れていました。でもそれを起こして地蔵やこけしが奉納される風景がありました。祖先信仰の強さを感じるとともに、ハーンが「地震と国民性」で説いたように、この国には不変の安住地はないということを思い知らされました。
その後、門間代表のふるさと、東松島市の野蒜へ。驚いたことに、JR仙石線の線路や駅や踏切が痕跡さえもなくなっていました。門間さんもご実家を失われました。海岸の美しい松林はニューオーリンズのバイユーのごとく濁った沼沢地と化していました。しかしそこから蛙の声が!新しい命の力強さに嬉し涙が出ました。
5日、仙台では8人の会員の方にお会いしました。「稲むらの火」のCD作成時にナレーションを担当したアナウンサーの高杉さんのお話し。「地震当日、海岸に近い宮城野区で新社屋オープンのためにセレモニーの司会をしていた。その社屋は1時間後に津波でなくなった」。
嬉しかったのは、八雲会が3月末の時点でお送りした義捐金の一部で門間代表はただちに洗濯機を購入し、会員がリ−ダーをつとめる石巻高校の避難所へ運び込む。312人分の洗濯にフル稼働したのです。石巻は次の復興段階に入ったため、現在、洗濯機は気仙沼の避難所で活躍しています。日本赤十字や行政に寄せられた義捐金はいまだプールされたままで生かされていません。
みちのく八雲会には、昨年、ハーンの神在月サミットに松江に集った各地の関連団体から支援の手が差し伸べられています。緩やかなネットワークが自然に形作られたのだと想像します。これもサミットの実践的な成果です。
「痩せたくても痩せられなかったのにみんな痩せちゃたね」でも、「きれいさっぱりなくなってすっきりした。ものを追い求める価値観は自然に消滅した」と、皆さんが仰います。ハーンが「極東の将来」で説いた、「生存最適者は自然と共生でき、シンプルライフを送れる人たち」という文言をあらためて重く受けとめ帰松しました。
最後に、被災地で強く感じた3つのことをお伝えします。津波から逃れるには、防潮堤を信頼しすぎることなく、高台にすみやかに徒歩で避難することが時を超えた鉄則だということ。だから「稲むらの火」は防災教材として今後も小学校で活用して欲しいと思います。つまり自然を支配しようとするのではなく畏怖する謙虚さを継承することが大切なのです。次に被災地への支援は自分のできることを無理なくする。できればピンポイントでNPO団体などと連絡を取り合えば必ず有効に生かされます。公的機関に寄せられた巨額の義捐金は6月上旬段階でまだ3割しか被災地に還元されていません。最後に、長い避難所生活から不安を訴える子供たちが増加傾向にあります。思いきりハグができるおとなが求められています。今こそ若者の出番です!
(このリポートは「八雲会報」第48号にも掲載されています)
投稿:2011年06月24日(金)
東日本大震災を受けて小泉八雲記念館で実施されていた津波に関する特別展示は、6月26日(日)に始まる「小泉八雲のKWAIDAN展」への展示替えのため先ごろ終了しましたが、26日(日)27日(月)に、会場を移して2日間に限り帰ってきます。
これは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の誕生日(6月27日)を祝って両日にわたって塩見縄手(小泉八雲旧居、小泉八雲記念館周辺)で開催される「へるんさんバースデー・アニバーサリー」の一環です。会場は、今年のゴールデンウィークに臨時の無料休憩所が開設された、小泉八雲旧居向かいの空き店舗です。
八雲がtsunami(津波)という言葉を世界に紹介したことを、この機会にぜひ知っていただけたらと思います。どうぞお出かけください。
→へるんさんバースデー・アニバーサリー
→小泉八雲記念館の津波に関する特別展示について、小泉凡氏のメッセージと展示品リスト
投稿:2011年06月19日(日)
Words & Cultureのコーナーで「『津波』と”tsunami”」というテーマで、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がtsunami(津波)という言葉を英語で紹介したことを取り上げています。番組中盤の2分程度。番組テキストにも掲載されています。
NHK教育テレビ『トラッド ジャパン』「鎌倉」
2011年6月16日(木)11:00-11:20
再放送:
2011年6月21日(月)6:00-6:20
投稿:2011年04月06日(水)
東日本大震災(東北関東大震災)を受け、八雲会では3月14日より義援金の受付を行っています。
4月4日までにお寄せいただきました義援金は83,220円となり、同日、仙台市を拠点に置く小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体「みちのく八雲会」並びに「まちづくりNPOげんき宮城研究所」にお送りいたしました。募金していただきました皆様のご協力に対し感謝申し上げます。4日以降にお寄せいただきました義援金は、後日改めて送金いたしますので、ご了承ください。
義援金は引き続き受け付けております。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。重ねて皆様のご協力をお願い申し上げます。
タグ: 東北関東大震災
投稿:2011年03月19日(土)
東北関東大震災では三陸地方を中心に大きな津波が発生しました。既報の通り、小泉八雲記念館(松江市奥谷町)では小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の津波に関する特別展示が開催されていますが、八雲がtsunami(津波)という言葉を世界に紹介したことを、今回の震災をきっかけに初めて知った方も多いと思います。
Tsunami(津波)という言葉は、八雲の作品「生き神 (A Living God)(『仏の畑の落穂 (Gleanings in Buddha-Fields)』所収、1897)の中で、庄屋の機転で多くの村人が高台に避難して津波から救われたという実話に基づく物語とともに登場します。のちに戦前の国定教科書に取り上げられた「稲むらの火」という作品の原話に当たります。「稲むらの火」については、2月末から3月初めにかけてNHKの学校教育番組『おはなしのくに』で放送された、俳優・佐野史郎さんの一人語りも記憶に新しいところです。
ここでは、八雲の「生き神」が読める本で、書店や図書館などで比較的入手しやすいと思われるものと、ホームページをご紹介します。
「生神」の題で収録されています。
→amazon.co.jp
「生神様」の題で収録されています。平川祐弘訳。
→amazon.co.jp
米国amazonの電子書籍リーダーKindle向けの電子書籍。サンプル版あり。Kindle向けの電子書籍は、専用の閲覧ソフトをインストールしたパソコン(Windows PC、Mac)やスマートフォン(iPhoneなど)、携帯端末(iPadなど)でも閲覧可能です。
→amazon.com
八雲の初版本の”A Living God”(英文)と国定教科書に掲載された「稲むらの火」(和文)が、それぞれ画像とテキストファイルによって公開されているほか、作品に関連する情報も充実しています。
→稲むらの火webサイト
「生き神」の津波に関するくだりが、「TSUNAMI(津波)」と題して抜粋されています(5分程度で暗唱できるよう、一部の語や文を改変しています)。
→八雲会ホームページ
タグ: 仏の畑の落穂, 八雲会, 常松正雄, 平井呈一, 平川祐弘, 新・小泉八雲暗唱読本, 村松真吾, 東北関東大震災, 津波, 生き神, 稲むらの火
投稿:2011年03月16日(水)
東北関東大震災を受けて、小泉八雲記念館(松江市奥谷町)で行われている小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の津波に関する特別展示について、『読売新聞』島根版に記事が掲載されました。3月16日現在、読売新聞のホームページでも読むことができます。
2011年3月14日 『読売新聞』島根版
庄屋の勇気思い出せ 津波テーマ 八雲の「生き神」展示会
投稿:2011年03月14日(月)
東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)を受けて、小泉八雲記念館(松江市奥谷町)では、tsunami(津波)という言葉を世界に紹介した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の津波に関する作品の特別展示が始まりました。
特別展示について、小泉八雲記念館顧問の小泉凡さん(小泉八雲曾孫、島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)よりメッセージが届きましたので、展示品リストとともにご紹介します。
特別展示については、後ほど八雲会ホームページのイベント情報にも掲載します。
※掲載しました(2011/03/15 10:32)
→小泉八雲記念館の津波に関する特別展示
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と津波に伴い被災をされた多くの方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
Tsunami(津波)という言葉は、1897年に小泉八雲の作品「生き神 (A Living God)(『仏の畑の落ち穂 (Gleanings in Buddha Fields)』所収)によってはじめて世界に紹介されました。それは1854年に和歌山県広村(現在の広川町)を襲った安政南海地震の際に、庄屋の機転により、多くの村人が高台に避難して津波から救われたという実話に基づく物語です。八雲はこの作品を通して津波の恐ろしさとともに庄屋の機知と倫理観を世界の読者に伝えました。またジャーナリストとして、自然災害時の危機管理の大切さを説くとともに、無計画な森林伐採を忌み、自然に畏敬の念をもって共生していくことが未来の日本に必要だと、講演や新聞記事で語っています。
「生き神」は、後に中井常蔵氏によって「稲むらの火」としてリライトされ国定教科書に採用されました。さらに2004年のスマトラ沖地震以降、10カ国以上の言語に翻訳され、防災教材として世界で活用されています。天界の八雲もこのたびの津波の惨状を憂いているに相違ありません。
このたび、小泉八雲記念館では、急きょ、企画展示室の一部を津波作品関係の展示に変更いたしました。
小泉八雲記念館顧問
小泉凡
投稿:2011年03月14日(月)
※2011/04/06追記:「義援金をお送りしました」を掲載しました。
八雲会では、2011年3月11日に発生しました東日本大震災を受け、14日より義援金の受付を開始いたしました。
義援金は、仙台市を拠点に置く小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体「みちのく八雲会」並びに「まちづくりNPOげんき宮城研究所」にお送りし、被災者の支援と被災地の復興にお役立ていただきます。
義援金のお送り先は、別記の通りです。
八雲会会員の皆様、当ホームページをご覧の皆様、そして小泉八雲を通じた縁で結ばれた皆様のご支援をお願い申し上げます。
下記の口座へご入金下さい。
郵便振替用紙に以下の事項をご記入の上、お近くの郵便局でご入金下さい。
みちのく八雲会は2002(平成14)年7月に小泉凡さんの文化講演会を開催した、「まちづくりNPOげんき松島研究所」(現げんき宮城研究所)の代表門間光紀らが中心となり同年9月26日八雲の命日に創立しました。
私たちは小泉八雲が一度も訪れたことのない、みちのく松島に憧れていたこと、それは芭蕉の奥の細道を読んでいたからであると小泉凡さんの講演会や交流会を通じてお話をうかがった。そして八雲の周縁性や異文化理解のあり方、人への思いやり特に「かそけきものたちの声音に耳を傾け続けた」生涯に感動し興味を深めてきました。現在「小泉八雲を読む会——へるんサロン」を仙台市と石巻市で定期的に開催し、新たなメンバーも増えています。
2009(平成21)年には、げんき宮城研究所とみちのく八雲会の協働で、独立行政法人福祉医療機構助成事業として『DVD教育紙芝居「稲むらの火」』を制作、宮城県内の各小学校と市町村社会福祉協議会に無償配布しました。2011 (平成23)年の国語小5 『銀河』(光村図書出版)に「稲むらの火」の主人公濱口儀兵衛の伝記が記載されます。残念ながら宮城県内では採用する学校はひとつもありませんが、会の活動は今後も続きます。
設立時期:2002(平成14)年9月26日
代表者:門間光紀(主宰)
会員数:20名(2010年8月31日現在)
ホームページ:http://blog.canpan.info/genkimiyagi/
※『ハーンの神在月:全国・小泉八雲の会&ミュージアムの未来を考えるサミット』来場者配布用パンフレット(小泉八雲来日120年記念事業実行委員会、2010)より抜粋
(2011/04/06 15:50追記)
4月4日までにお寄せいただきました義援金は83,220円となり、同日「みちのく八雲会」並びに「まちづくりNPOげんき宮城研究所」にお送りいたしました。募金していただきました皆様のご協力に対し感謝申し上げます。4日以降にお寄せいただきました義援金は、後日改めて送金いたしますので、ご了承ください。
義援金は引き続き受け付けております。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。重ねて皆様のご協力をお願い申し上げます。
(2011/03/16 16:25追記)
みちのく八雲会主宰の門間光紀さんが、みちのく八雲会・まちづくりNPOげんき宮城研究所のホームページで、3月14日以来連日近況を伝えています。避難所暮らしをしながら給水ボランティアとして活動していること、避難所のある地区は被害が比較的少ないために仙台市災害支援対策室からの支援がなく、寄附と差し入れに支えられていることなどが記されています。
(2011/03/14 18:16追記)
Tsunami(津波)という言葉は、1897年に小泉八雲の作品「生き神 (A Living God)(『仏の畑の落ち穂 (Gleanings in Buddha Fields)』所収)によってはじめて世界に紹介されました。それは1854年に和歌山県広村(現在の広川町)を襲った安政南海地震の際に、庄屋の機転により、多くの村人が高台に避難して津波から救われたという実話に基づく物語です。八雲はこの作品を通して津波の恐ろしさとともに庄屋の機知と倫理観を世界の読者に伝えました。またジャーナリストとして、自然災害時の危機管理の大切さを説くとともに、無計画な森林伐採を忌み、自然に畏敬の念をもって共生していくことが未来の日本に必要だと、講演や新聞記事で語っています。
「生き神」は、後に中井常蔵氏によって「稲むらの火」としてリライトされ国定教科書に採用されました。さらに2004年のスマトラ沖地震以降、10カ国以上の言語に翻訳され、防災教材として世界で活用されています。
文:小泉凡(小泉八雲曾孫、島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)
※八雲会ブログ「小泉八雲記念館の津波に関する特別展示について、小泉凡氏のメッセージと出品リスト」より抜粋
タグ: 東北関東大震災
投稿:2011年03月14日(月)
投稿:2011年03月12日(土)
3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震に伴い、八雲会ホームページ内に以下リンク先でご紹介しております各地のイベントにつきまして、開催予定に影響が出る可能性があります。最新の実施状況につきましては、各イベントの主催者様にご確認下さいますようお願い申し上げます。
本記事執筆時点(2011年3月12日 9:27)では、3月12日に熊本市で開催予定だった第5回熊本2011セント・パトリックス・デイ・パレードの中止(交流会は実施)が発表されています。また、3月13日に松江市で開催予定のアイリッシュ・フェスティバル in Matsue 2011は、本日午前中に主催者側で実施について判断が行われるとのことです。
最後になりましたが、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
3月13日に松江市で開催予定のアイリッシュ・フェスティバル in Matsue 2011は、セント・パトリックス・デイ・パレード等が中止となり、一部の催しは実施するとのことです。
同フェスティバルの一環として12日、13日にカラコロ工房で実施するアイリッシュ・パブ「The Shamrock」は、チャリティー・パブとして予定通り実施。来場とチャリティーへの協力を呼びかけています。
タグ: 東北関東大震災
投稿:2011年03月12日(土)
昨日3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様へ、心からお見舞い申し上げます。
特に大きな被害が伝えられている東北地方では、私たち八雲会にとってはお仲間の団体である、みちのく八雲会(仙台市)、小泉八雲研究会(山形県酒田市)が拠点を置き、活動しています。
このうち、みちのく八雲会は2009年にNPO法人げんき宮城研究所との協働で『DVD教育紙芝居「稲むらの火」』を制作しました。「稲むらの火」とは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「生き神」の「生き神(A Living God)」を再話して、戦前の国語教科書に収められた作品で、津波の襲来を察知した庄屋の五兵衛が、刈り取ったばかりの稲穂に火をつけて村人に危険を周知したという物語です。その物語を紙芝居化したものを、みちのく八雲会でDVD化し、宮城県内の小学校と市町村社会福祉協議会に無償配布しました。
DVDの制作と配布の経緯は、昨年10月に松江で開催しました「ハーンの神在月:全国・小泉八雲の会&ミュージアムの未来を考えるサミット」において、みちのく八雲会主宰の門間光紀さんが詳しく報告して下さいました。門間さんによれば、DVDを無償配布した後の調査の結果、実際にDVDを視聴した配布先がまだ少なかったとのことで、将来東北地方で発生が予想される大地震に備えて、DVDを有効に活用してもらうことが課題であると指摘していらっしゃいました。
その日の記憶がまだ新しい中での、今回の未曽有の地震と津波。今は現地の皆様のご無事をひたすらお祈りする次第です。