女優の紺野美沙子さんが主宰する「朗読座」の第1回演劇公演「日本の面影」が、7月12日(木)に東京の俳優座劇場で初日を迎えます。「日本の面影」は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を主人公とする山田太一さん脚本のテレビドラマとして1984年にNHKで放映され、1996年には舞台化されて地人会によって上演。そして今回は鵜山仁さんの演出、草刈正雄さん(ラフカディオ・ハーン役)、紺野美沙子さん(小泉セツ役)らの出演により、新たに上演されます。
先日、「日本の面影」の稽古場を訪れた八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)宛に、紺野さんからのメッセージが届きました。その一部をご紹介します。本公演に寄せる紺野さんの思いが伝わるメッセージをお読みいただき、ぜひ劇場へお出かけください。
「日本の面影」は山田太一さんの脚本で1984年にNHKのドラマで4回シリーズで放送されました。その後「地人会」という演劇グループで舞台化され、再演を重ねた名作です。
今回7月の上演は、3年前から決まっていましたが、震災後「日本の面影」の描く古き良き日本の姿、小泉八雲のセリフのひとつひとつの重みが増しているように思えます。
例えば「科学ハ世ノ中ダメニシマス」という台詞です。
「単純、温和、丁寧、親切、微笑み、幽霊」など、八雲の見た明治半ばの日本人の美徳を、現代の私たちが触れることで「日本人の心の温故知新」になればと私は思っております。
もうひとつ今年は「古事記編纂1300年」ということで、「日本人の心のふるさと」が注目を浴びている年でもあります。「日本の面影」は、古事記について、八雲とその妻セツが語り合うシーンから始まります。
この作品との出会いを大切に、長く全国で公演をしていく予定です。
作者の山田太一さんも大変、今回の再演を喜んで下さり、取材にも大いに協力して下さっています。
スタッフ・キャストともに演劇界最高の実力派の方たちが集結しました。
小泉八雲とセツの家族の物語は現代にも不変のものです。
小学生から大人の方まで家族そろって楽しめ、歴史や文学の知識も得ることが出来ます。劇中の怪談で、涼しくもなれます!
今回のような、演劇自主公演は満員になっても赤字です。
それが日本の小さな組織の現実です。でも、演劇にしても、音楽、古典芸能などに携わる人は、みんなその世界が大好きで、経済的に苦しい中、自分なりの表現を模索しています。
これまで、UNDP親善大使として、途上国を10年以上に渡り視察をした経験から、日本文化をきちんと伝える作品づくりに携わりたい、という気持ちが年々強くなって参りました。
今回は予算のない中、16公演のうち4公演、英語字幕もつけます。日本在住の外国人の皆さんにも観て頂きたいと思っています。着物で御来場の方には記念品も差し上げます。
是非、応援して頂けると嬉しいです。
紺野美沙子
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