牧野陽子(著)
はじめに ハーンの『怪談』
第一章〈夜〉のなかの〈昼〉—「東洋の土を踏んだ日」「盆踊り」
一 ラフカディオ・ハーンとエドワード・モース
二 人力車の風景—『日本その日その日』と「東洋の土を踏んだ日」
三 開かれた世界—細部の豊かさ
四 “寺へ行け”—〈夜〉のなかの〈昼〉
五 無音の空間—「盆踊り」
六 内なる交響へ
第二章 民話を語る母—『ユーマ』
一 ハーンとマルティニーク
二 母なる存在
三 異文化の養母—『チータ』と『秘密の花園』
四 民話を語る母—混血の存在
五 再話文学へ
第三章 〈顔〉の恐怖、〈背中〉の感触—「むじな」「因果話」
一 「むじな」
二 「ゴシックの恐怖」
三 〈背中〉の感触
四 輪廻の幻影
第四章 水鏡の中の〈顔〉—「茶碗の中」
一 未完の物語
二 原話「茶店の水椀若年の面を現ず」
三 分身の物語
第五章 世紀末〈宿命の女〉の変容—「雪女」
一 「雪女」
二 原話をめぐって
三 雪の女
四 白い女たち
五 過去というタブー
第六章 語り手の肖像—「耳なし芳一」
一 海の物語
二 タブーの空間
三 再話の力
四 芸術家の肖像
第七章 聖なる樹々—「青柳物語」「十六桜」
一 樹霊の物語
二 「青柳物語」——樹霊のいざない
三 「十六桜」——樹下の切腹
四 樹々の原風景
第八章 海界の風景—「夏の日の夢」
一 ハーンと浦島伝説
二 チェンバレンの『日本の古典詩歌』
三 ハーンにおける「水江浦島子を詠める歌」
四 海の彼方 地の光
第九章 地底の青い空—「安藝之介の夢」
結び ハーンの再話文学
注
あとがき
主要参考文献
索引
→新曜社のサイトの記事 ※「はじめに」などが掲載されています。