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日本IBM『無限大』1991年のハーン特集、一部をオンラインで公開

『無限大』88号

『無限大』88号

1991年に発行された日本IBMの企業広報誌『無限大』88号の特集「ハーン、百年後の解釈」に掲載された記事の約半数が、サイト「Mugendai(無限大)」で読めるようになりました。

冊子『無限大』 アーカイブ [ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)特集(88号:1991年発行)] – Mugendai(無限大)

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小泉凡さん、曽祖父・小泉八雲の新婚旅行地を訪ねる鉄道旅:『旅と鉄道』2012年11月号

雑誌『旅と鉄道』2012年11月号(朝日新聞出版)の第2特集「神話と伝説が息づく山陰列車旅」で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とセツ夫人の新婚旅行地を、八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)が訪問、松江と出雲を結ぶ一畑電車と、JR山陰本線で旅しています。

八雲とセツが出雲大社、ついで鳥取県を訪れたのは、この地方に鉄道が開通していなかった1891(明治24)年。曽祖父の夏休みを利用した長旅の跡を、凡さんは1泊2日の鉄道旅。八雲が生涯に3度訪れた出雲大社、作品「盆踊り(Bon-Odori)」にも登場する「いさい踊り」に出会った妙元寺、ケルトの子守唄を歌う出雲の女の夢を見たという浜村温泉などを巡っています。

『旅と鉄道』という誌名にふさわしく、凡さんの思い出に残る一畑電車の車輌、旧大社線の大社駅(島根県出雲市)や旧倉吉線(鳥取県倉吉市)といった廃線跡も登場。鉄道ファンでもある凡さんにとって楽しい道中だったのではないでしょうか。

第2特集では、漫画家・水木しげるさんの故郷・鳥取県境港市と米子市を結んで妖怪列車が走る境線をはじめ、島根・鳥取両県のローカル線も紹介され、さらに連載企画には、鳥取県の若桜鉄道や、車輌基地を一望できる米子のホテルが登場。山陰の鉄道旅に誘う1冊です。

旅と鉄道 2012年 11月号 [雑誌]
朝日新聞出版 (2012-09-21)

山陰日本アイルランド協会の会報に小泉八雲来日120年記念事業の記事

山陰日本アイルランド協会の会報『コージャス』第16号(2010年12月31日発行)の小泉八雲来日120年記念事業の報告記事を、八雲会の石川陽春理事と小泉祥子理事(山陰日本アイルランド協会事務局長)が執筆しました。

  • ハーンの神在月—全国・小泉八雲の会&ミュージアムの未来を考えるサミット  石川陽春
  • 小泉八雲に捧げる造形美術展 オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン  小泉祥子
  • Message from the Irish Ambassador  John Neary

「ハーンの神在月」は、パネリストであり広告デザインも手がけた石川理事の視点による回顧です。「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」については、アイルランド人作家の作品の写真や美術展のレセプションにおけるジョン・ニアリー駐日アイルランド大使のスピーチ全文が掲載され、アイルランドとの関係を踏まえた内容になっています。

『コージャス』に関するお問い合わせは、山陰日本アイルランド協会事務局にお願いします。

「八雲会報」に小泉八雲来日120年記念事業の記事

「お知らせ」で既報の通り、「八雲会報」第47号(2010年12月22日発行)では、小泉八雲来日120年記念事業の特集を組みました。

ハーンの神在月(かみありづき):全国・小泉八雲の会&ミュージアムの未来を考えるサミット」の座長、コーディネーター、パネリストや、造形美術展「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」の担当者が、記念事業をふり返っています。1本あたり800字程度の短い記事です。「八雲会報」は会員宛に郵送するほか、松江市立中央図書館でも配布しています。

八雲会では、2011年夏発行予定の会誌『へるん』No. 48でも、小泉八雲来日120年記念事業の特集を組む予定です。

「八雲会報」第47号の小泉八雲来日120年記念事業に関する記事

「ハーン来日一二〇年記念事業」を終えて  日野雅之
「ハーン神在月」総括  長岡真吾
地域活動としての八雲:「ハーンの神在月に参加して」  坪井れい子
小泉八雲サミット「ハーンの神在月」に参加して  牧野弥一
観光の立場からみた小泉八雲  高橋一清
研究の視点からみたハーン  西川盛雄
小泉八雲ネットワーク構築への第一歩  石川陽春
小泉八雲に捧げる造形美術展「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」  小泉祥子

『湖都松江』ハーン特集号が発売

松江文化情報誌『湖都松江』第20号が、松江市内の書店店頭に並び始めました。特集は「ラフカディオ・ハーン=小泉八雲来松120年」です。

平川祐弘、奥本大三郎、小泉凡、池田雅之各氏の随想、6月に松江で行われた「文壇の食卓」での辻原登氏のトークをはじめ、松江での八雲の足跡やゆかりの人びとに関する小論、昨年八雲会で記録撮影を行った小泉八雲旧居の「芳名録」の話題、旧居を守る根岸道子さんの聞き書き、全国の研究・顕彰団体の紹介など、さまざまな切り口で八雲を取り上げています。

「ハーンの神在月」で遠方から松江からお越しになる方は、ぜひこの機会に手にとってみて下さい。

松江文化情報誌『湖都松江』第20号
特集「ラフカディオ・ハーン=小泉八雲来松120年」
発行:松江市文化協会
定価:400円
http://www.matsue-bunka.jp/ ※後日、目次が掲載されるものと思います。

雑誌Smithsonianで松江とハーン紹介される

Smithonian 2009年9月号の表紙Smithonian 2009年9月号の表紙ハーンの記事

アメリカで発行されているSmithsonianという雑誌の特別号(09.9)に松江とハーンが紹介されている。Serene Japan(静謐な日本)というタイトルを付けて見聞記が載っている。筆者はFrancine Prose という女性で、カメラマンとともに、4月桜の終わりの頃この地を訪れた。
松江では、ボランティア・ガイドのC.K.さんが案内。
月照寺、小林正樹の映画「怪談」、ハーンの生い立ち、日本女性との結婚、出雲大社、松江、堀割、松江城、小泉八雲記念館、八雲旧居、城山稲荷神社と話題の場所を巡っていく。

松江のところでこんな文章が目にとまった。

水の都(the “City of Water”)松江には、17世紀築城の城を巡る長い堀割がある。晴れた日は、水面に光がきらきら反射して、ヴェネチアの淡い赤みがかった輝き(aura)と北カリフォニア海岸の外洋性のまぶしさ(dazzle)とが溶け合っている趣がある、といっている。

 
小泉八雲記念館では、ハーンが特注した高い机がよほど印象に残ったらしい。
駆け出しの作家はハーンのように一旦作品を書き終えたら、引き出しにしまい、時を置いて取り出しては推敲を重ねて望ましい一編に仕上げていくべきだと言っている。

ハーンに関したところを取り上げてみる。

背は低く、目は不自由で、アウトサイダーであるとみていたが、日本で始めて地域社会への帰属意識を経験した。日本名小泉八雲と改名したが、自分自身は未知(unfamiliar)の社会を絶えず探求しようと努力する外国人とみなしていた。伝統と変革という二つの問題に関心を払っていた。その作品は帰化した国をエギゾチックにそしてロマンチックに書きすぎたと批判されているが、日本では今までも愛着をもたれ、よく読まれている。
今なお、日本人がこころに描くハーンはハーンが日本の文化を取り入れ、それを西洋世界の人に理解させようとした熱意にあったと一般的には思われているが、—ここで、クリストファー・ベンフィー(Christopher Benfey)の『グレイト・ウエイヴ』(The Great Wave)が引用される。
ハーンは外国旅行者の行儀の悪さを軽蔑し、西洋を模倣しようとする日本人の意気込みを嘆き、西洋の識者の中でも、日本人の怒り、特に日本にいる西洋の旅行者や在住者への日本人の怒りを声高に論じたのは、ハーン以外に殆どいなかった。ハーンは古い時代の霊的な(ghostly)「遺物(survivals)」を理想化して, かすんだもやを通して昔の日本を見た。

 
Proseさんはこの典型として八雲旧居の庭をあげている。同じ文脈で城山稲荷神社のキツネの群れに触れている。
松江の「霊的遺物」を見た後、Proseさんはこんな感想を述べている。

この時点で、わたしもハーンが真っ逆さまに転げ込んだ落とし穴−古い日本、失われた日本をロマンチックに美化し、1990年代にバブル崩壊と不況の10年を経験し、現在われわれと同じようにまた経済危機に直面しているこの過密日本の現代の厳しい現実を無視するという陥穽に陥ったかもしれないと感じているのだ。

 
Prose さんは、松江から萩へと旅を続ける。この紀行の終わりをこんな風に結んでいる。

この客人を歓迎し魅惑的な、古いものと新しいものが融合した日本において、来るまでは分からなかったことだが、なぜハーンがその魔力(spell)のとりこになって、日本を脱することはできなくなり、この地で、長い放浪を終え、ようやくこの上ないこころ穏やかな気持ちになったかが理解できた。

 
(なお、雑誌Smithsonianは常松正雄氏から紹介されたものである。深く感謝したい。)

Smithonianに掲載された記事は、同誌のホームページでも読むことができます。

Finding Serenity on Japan’s San-in Coast (Smithsonian Magazine)