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国宝指定へ…松江城天守閣の報道から

松江城天守閣、国宝指定へ…発表から一夜明けた今日の報道を、ネットから拾ってみました。

『ハフィントンポスト・ジャパン』では、しまねっこのコメントに加えて、昨日の八雲会ブログでもご紹介したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の作品「神々の国の首都(”The Chied City of the Province of the Gods”)」(『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 Glimpses of Unfamiliar Japan 所収)からの引用も。

松江城、国宝になる。しまねっこも「感無量にゃう」

先日掲載された『朝日新聞』の連載「城をゆく 山陰ものがたり」の松江城を取り上げた回。こちらも冒頭はハーンでした。

島根)再発見続く優美な「竜」 松江城:朝日新聞デジタル

その『朝日新聞』今朝の記事にはハーン曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授)のコメントが。

島根)地元歓喜、観光に期待の声 松江城の国宝「内定」:朝日新聞デジタル

『島根日日新聞』『毎日新聞』のサイトに載ったのは、国宝指定の決め手となった祈祷札に注目した記事。『毎日新聞』には緑と水の豊かな松江城を空撮した写真特集も。

島根日日新聞

松江城:懸賞金かけ発見…「祈祷札」決め手 天守国宝に – 毎日新聞

今回、天守閣の国宝指定に伴って附(つけたり)指定されることになった祈祷札ほか3点の資料は、松江城そばの松江歴史館で公開予定とのこと。現在は天守閣をのぞむ廊下でパネル展示が行われています。

★祝 ! 松江城天守国宝へ★☆祈祷札などのパネル展示中☆平成27年5月15日に開催された国の文化審議会において、松江城天守を国宝に指定するよう文部科学大臣に対して答申がなされました。今回の国宝指定にあわせて、近年再発見された慶長…

Posted by 松江歴史館 on 2015年5月15日

最後に『山陰中央新報』の1面コラム。天守閣保存に尽くした人物のひとりとして登場する籠手田安定は、ハーンが松江に赴任した当時のし島根県知事で、ハーンの作品「英語教師の日記から(”From the diary of an English Teacher”)」(『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 Glimpses of Unfamiliar Japan 所収)に登場します。

山陰中央新報 – 国宝の窮地を救った心意気

小泉八雲記念館: 八雲の教え子・横木富三郎の遺族から寄贈された資料

この春、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が島根県尋常中学校で教えた生徒・横木富三郎に関する資料が、遺族より松江市に寄贈され、小泉八雲記念館(島根県松江市)で展示を始めています。

小泉八雲記念館のホームページより。

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小泉八雲ゆかりの洞光寺でマーティン・ヘイズ&デニス・カヒル松江公演

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの洞光寺(松江市新町)で、八雲のルーツのひとつであるアイルランドの音楽のコンサートが開催されます。マーティン・ヘイズ(フィドル)とデニス・カヒル(ギター)のデュオによる日本公演の最終日です。

日時
2012年11月10日(土)18:30開演(18:00開場)
※整理券を17:00より配布します。
場所
洞光寺(島根県松江市新町832)[Google Maps]
料金
前売3,500円、当日4,000円
限定200名様、整理券順のご入場となります。
チケット取扱
島根県民会館 総合インフォメーション
主催
山陰日本アイルランド協会
協力
アイルランドキッチン
後援
駐日アイルランド大使館
アイルランド政府観光庁
問い合わせ先
山陰日本アイルランド協会事務局
電話:0852-20-0207
詳しい情報
http://www.sanin-japan-ireland.org/event/20121110.html

※洞光寺は、八雲の『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』(Glimpses of Unfamiliar Japan)に登場することで知られる寺で、「神々の国の首都(The Chief City of the Province of the Gods)」では松江の朝に聞こえる鐘の音が、「英語教師の日記から(From the diary of an English Teacher)」には、教え子の横木富三郎らの追悼会の場面が描かれています。

新刊『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』

『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』表紙

アラン・ローゼンさん(熊本大学教授)と西川盛雄さん(熊本大学名誉教授・客員教授)の共著『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』が刊行され、先ごろ著者より八雲会にご寄贈いただきました。

本書は、松江の島根県尋常中学校でラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の授業を受けた田辺勝太郎(1872-1931)と大谷正信(繞石/1875-1933)の英作文のノートを復元・判読した1冊です。本書見開きの左ページにはハーンによる添削とコメントが記されたノートの写真版を、右ページには判読・復元したテクストとその日本語訳を配しています。この英作文ノートはガラス乾板として保存されており、ハーンの勤務校のひとつである熊本の第五高等学校(現在の熊本大学)出身の劇作家・木下順二(1914-2000)を介して熊本県立図書館に収蔵され、2004(平成16)年なってその存在が明らかになりました。

『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』本文

ハーンは生徒のノートに、英文の訂正や誤りの指摘を丁寧に記するほか、しばしば生徒を励ますコメントも加えています。また、日本人の文化や生活に深い関心を寄せていたハーンにとって、「ホトトギス」「蛍」「七福神」「相撲」といったテーマで学生が書いた英作文は、日本理解の格好の材料であり、ハーンのコメントには彼が知り得た限りの知識が書き込まれたものもあります。

ハーンが松江や熊本での教師生活の体験をもとに著した「英語教師の日記から(”From the diary of an English Teacher”)」(『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 Glimpses of Unfamiliar Japan 所収)や「九州の学生とともに(”With Kyushu Students”)」(『東の国から』 Out of the East 所収)には、生徒が提出した英作文を通じたさまざまな考察がつづられていますが、英作文のノートを介して直筆で交わされた師弟のコミュニケーションの跡を集めた本書は、英語教師としてのハーンの実像に迫ることのできる、資料性の高い1冊です。

※本書は2010年に50部限定で刊行された『ラフカディオ・ハーンの英作文添削:判読・復元・日本語訳』(熊本大学学術資料調査推進室)の新装版に当たります。判型を改め、巻末に「ハーンによる英作文添削の分類と分析」と題する一章が加わっています。

ラフカディオ・ハーンの英作文教育
アラン・ローゼン 西川 盛雄
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島根県内で今日放送、NHKラジオ第1『能×怪談 音でつながる八雲の世界』

10月24日(日)の午後は、松江と米子で小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)関係の催しが多数重なり、八雲ファン泣かせの1日でしたね。

米子の鳥取県民文化祭の「ハーンが愛した鳥取県西部」というステージで、八雲が英語教師としての任地・松江へ赴く道中に見て魅了された「いさい踊り」という盆踊りが披露されたのと入れ替わるように、松江の洞光寺(とうこうじ)の本堂では、もうひとつの「いさい踊り」が始まろうとしていました。

能×怪談ワークショップ みんなでつくる八雲の世界」のひとコマです。能楽師と舞台俳優の語りと、能の笛である能管とチェロによる音楽による朗読のステージの後半は、「いさい踊り」を描いた八雲の作品「盆踊り (Bon-Odori)」『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 (Glimpses of Unfamiliar Japan)が取り上げられました。

朗読がいよいよ踊りの場面に入ると、雨だれの音が漏れ聞こえる本堂で、4人の出演者がいる内陣の周囲を、外陣の百数十人の観客が、能楽師が舞台を歩くときに用いる摺り足で、静かに歩みを進めます。盆踊りの踊り子たちが、草履で地面を摺るように足を動かすのを、能の技法で再現したのです。

やがて、場面は男女の踊り子の歌のかけあいへ。観客も男女に分かれて、男性はほとんどメロディーらしいもののない節回しで「野でも 山でも 子は生み置けよ 千両蔵より 子が宝」と歌い、女性はやや高低のついたメロディーで「思う男に 添わさぬ親は 親でござらぬ 子のかたき」と答えます。

このようにして、観客が参加して盆踊りの場面が作り上げられました。

今日11月13日(土)16:05からNHKラジオ第1で、このワークショップの模様を収録した『能×怪談 音でつながる八雲の世界』が島根県内で放送されます。

八雲は若くして左目を失明し、右目の視力も弱かった人ですから、目のあたりにした盆踊りは耳をたよりに脳裏に焼きつけ、筆に起こしたことでしょう。ラジオを通して「盆踊り」を聴くのは、へるんさんの身になって盆踊りを見るようなものかも知れません。

「能×怪談ワークショップ みんなでつくる八雲の世界」終演後、帰途につく参加者たち。洞光寺(松江市)


なお、ワークショップの会場となった洞光寺は、八雲の「神々の国の首都 (The Chief City of the Province of the Gods)」の冒頭、松江の朝を告げる音の一つとして、その梵鐘の音が記されています。「英語教師の日記から (From the Diary of an English Teacher)」の教え子の追悼会の舞台地でもあります。いずれも『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 (Glimpses of Unfamiliar Japan)に収められた作品です。

10月24日(日)午後の八雲関連イベントは以下の通り。

その他、下記の美術展が開催中でした。