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『とっとり文学探訪マップ』に「小泉八雲『日本海の民俗発見』ルート」

鳥取県がこのほど『とっとり文学探訪マップ』を作成しました。県ゆかりの文学者や作品をまとめたこの地図には「小泉八雲『日本海の民俗発見』ルート」も掲載。松江赴任の道中や妻セツとの新婚旅行で足跡を残した地、ゆかりの作品を収録した池田雅之訳『新編日本の面影』(角川ソフィア文庫)が紹介されています。マップのPDFファイルは、鳥取県のサイトよりダウンロードすることができます。

PDFファイルはエリア別に分割したものも用意されていますが、対象地域の広い同ルートに関しては、「マップ全体」の「中面(全県)」が見やすいです。

とっとり文学探訪マップ/文化観光局/とりネット/鳥取県公式サイト

マップは『読売新聞』でも取り上げられました(記事の公開期間は終了しています)。

読売新聞: ぶらり「文学」ゆかりの地 ※「「とっとり文学探訪マップ」…県内外の観光施設などで好評」「ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が歩いた「日本海の民俗発見」などの旅行ルートも提案」

Posted by 八雲会 on 2015年4月17日

 

小泉凡さん、曽祖父・小泉八雲の新婚旅行地を訪ねる鉄道旅:『旅と鉄道』2012年11月号

雑誌『旅と鉄道』2012年11月号(朝日新聞出版)の第2特集「神話と伝説が息づく山陰列車旅」で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とセツ夫人の新婚旅行地を、八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)が訪問、松江と出雲を結ぶ一畑電車と、JR山陰本線で旅しています。

八雲とセツが出雲大社、ついで鳥取県を訪れたのは、この地方に鉄道が開通していなかった1891(明治24)年。曽祖父の夏休みを利用した長旅の跡を、凡さんは1泊2日の鉄道旅。八雲が生涯に3度訪れた出雲大社、作品「盆踊り(Bon-Odori)」にも登場する「いさい踊り」に出会った妙元寺、ケルトの子守唄を歌う出雲の女の夢を見たという浜村温泉などを巡っています。

『旅と鉄道』という誌名にふさわしく、凡さんの思い出に残る一畑電車の車輌、旧大社線の大社駅(島根県出雲市)や旧倉吉線(鳥取県倉吉市)といった廃線跡も登場。鉄道ファンでもある凡さんにとって楽しい道中だったのではないでしょうか。

第2特集では、漫画家・水木しげるさんの故郷・鳥取県境港市と米子市を結んで妖怪列車が走る境線をはじめ、島根・鳥取両県のローカル線も紹介され、さらに連載企画には、鳥取県の若桜鉄道や、車輌基地を一望できる米子のホテルが登場。山陰の鉄道旅に誘う1冊です。

旅と鉄道 2012年 11月号 [雑誌]
朝日新聞出版 (2012-09-21)

島根県内で今日放送、NHKラジオ第1『能×怪談 音でつながる八雲の世界』

10月24日(日)の午後は、松江と米子で小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)関係の催しが多数重なり、八雲ファン泣かせの1日でしたね。

米子の鳥取県民文化祭の「ハーンが愛した鳥取県西部」というステージで、八雲が英語教師としての任地・松江へ赴く道中に見て魅了された「いさい踊り」という盆踊りが披露されたのと入れ替わるように、松江の洞光寺(とうこうじ)の本堂では、もうひとつの「いさい踊り」が始まろうとしていました。

能×怪談ワークショップ みんなでつくる八雲の世界」のひとコマです。能楽師と舞台俳優の語りと、能の笛である能管とチェロによる音楽による朗読のステージの後半は、「いさい踊り」を描いた八雲の作品「盆踊り (Bon-Odori)」『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 (Glimpses of Unfamiliar Japan)が取り上げられました。

朗読がいよいよ踊りの場面に入ると、雨だれの音が漏れ聞こえる本堂で、4人の出演者がいる内陣の周囲を、外陣の百数十人の観客が、能楽師が舞台を歩くときに用いる摺り足で、静かに歩みを進めます。盆踊りの踊り子たちが、草履で地面を摺るように足を動かすのを、能の技法で再現したのです。

やがて、場面は男女の踊り子の歌のかけあいへ。観客も男女に分かれて、男性はほとんどメロディーらしいもののない節回しで「野でも 山でも 子は生み置けよ 千両蔵より 子が宝」と歌い、女性はやや高低のついたメロディーで「思う男に 添わさぬ親は 親でござらぬ 子のかたき」と答えます。

このようにして、観客が参加して盆踊りの場面が作り上げられました。

今日11月13日(土)16:05からNHKラジオ第1で、このワークショップの模様を収録した『能×怪談 音でつながる八雲の世界』が島根県内で放送されます。

八雲は若くして左目を失明し、右目の視力も弱かった人ですから、目のあたりにした盆踊りは耳をたよりに脳裏に焼きつけ、筆に起こしたことでしょう。ラジオを通して「盆踊り」を聴くのは、へるんさんの身になって盆踊りを見るようなものかも知れません。

「能×怪談ワークショップ みんなでつくる八雲の世界」終演後、帰途につく参加者たち。洞光寺(松江市)


なお、ワークショップの会場となった洞光寺は、八雲の「神々の国の首都 (The Chief City of the Province of the Gods)」の冒頭、松江の朝を告げる音の一つとして、その梵鐘の音が記されています。「英語教師の日記から (From the Diary of an English Teacher)」の教え子の追悼会の舞台地でもあります。いずれも『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』 (Glimpses of Unfamiliar Japan)に収められた作品です。

10月24日(日)午後の八雲関連イベントは以下の通り。

その他、下記の美術展が開催中でした。