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8/30いよいよ上演、地元で作る舞台「日本の面影」

中の人の体調不良で、ひと月近く八雲会ブログをお休みしました。まだ本格復帰という感じではありませんが、かねてご紹介してきました舞台「日本の面影」が、いよいよ明日8月30日(日)に島根県民会館(松江市)で公演を迎えますので、そのまとめを簡単にしておきます。

山田太一さんがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)来日後の人生を描いた戯曲を、作品の主な舞台地である松江で、地元のスタッフとキャストで上演しようという今回の取り組み。まずはおさらいを兼ねて、先月行われた制作報告会に関するまとめを改めてどうぞ ↓

8/30松江で上演…地元キャスト・スタッフによる山田太一作の舞台「日本の面影」制作報告会 | 八雲会 | The Hearn Society:小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の研究・顕彰

公演の公式サイトには、5人のスタッフ・キャストのインタビューが先ごろ連載されました(演出の西菜々重さん、ハーン役の森山らきあさん、セツ役と作曲の影山さゆりさん、音響効果の吉田孝史さん、衣装の福間美見子さん)。今回の舞台を担う人々とその制作プロセスがわかります。上演前に一読して、ここで語られているプランがどのように具現化しているか確認するのも、観劇の楽しみ方のひとつではないかと思います。

舞台「日本の面影」- 日本を愛した小泉八雲の半生を描く

公演を前に、地元メディアの報道も相次ぎました。ネット上で読めるものはこちら。

山陰中央新報 – 八雲の半生描いた舞台「日本の面影」 本番前に稽古に熱

島根)小泉八雲の半生を舞台で 30日に「日本の面影」:朝日新聞デジタル

↓ そうそう、ハーンが松江の土を踏んだのは1890(明治23)年8月30日なのでした。会場から近い松江大橋のそばにあった港に汽船で到着したのです。

八雲、松江入り125年 「日本の面影」上演へ

島根県民会館では、稽古場の写真を展示中。会館西側(松江城側)と、ホールに近い南側の両出入口をつなぐ通路にあります。

島根県民会館プロムナードギャラリーにて日本の面影 稽古場写真の展示をしますお通りの際はぜひご覧ください!

Posted by 舞台 日本の面影 2015 on 2015年8月27日

本公演オリジナルの音が詰まったサウンドトラック、会場限定で販売だそうです。これも楽しみですね。

舞台 日本の面影準備が着々と進んでおります。当日は、影山さゆりさんが作曲した劇中で流れる曲や、虫の声たちが詰まった、オリジナルサウンドトラックを会場限定で販売します!数には限りがあります!!ぜひ、お買い求めください!

Posted by 舞台 日本の面影 2015 on 2015年8月27日

最後はプロモーション映像で、公演への期待を高めて…。


 

8/30松江で上演…地元キャスト・スタッフによる山田太一作の舞台「日本の面影」制作報告会

NHK Eテレ『100分de名著』で4週にわたって放送されたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)『日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』の特集は、いよいよ今夜22:00が最終回ですが、NHKで『日本の面影』といえば、日本時代のハーンに焦点を描き、1984年にテレビドラマとして放送された山田太一さんの同題の作品を連想する人も多いはず。山田さんの作品はのちに舞台化され、ハーン没後110年にあたった昨年2014年には、草刈正雄さん、紺野美沙子さんがハーンとセツの夫妻を演じた舞台が全国各地を巡演、島根県内では隠岐の島町と松江市で上演されたのは記憶に新しいところです。

あれから1年、松江市では地元の人々がキャスト、スタッフとなって、山田さんの『日本の面影』を上演する準備が進んでいます。7月20日(月)には、小泉八雲旧居に近い茶室、松平不昧ゆかりの明々庵のとなりにある赤山茶道会館で、制作報告会がありました。ハーンの曾孫・小泉凡さんの姿も。

 
地元紙の報道。

山陰中央新報:八雲半生描く「日本の面影」 8月の舞台へ意気込み ※「島根県内の演劇関係者らが8月30日に松江市殿町の県民会館で上演…制作報告会が20日、同市内であり、出演者ら約10人が本番に向けて意気込みを語った」

Posted by 八雲会 on 2015年7月21日

島根日日新聞:ハーンの半生を舞台化、「日本の面影」8月公演へ ※「キャスト、スタッフも県内で」 ※8/30、島根県民会館(松江市)。

Posted by 八雲会 on 2015年7月21日

 
こちらは制作発表会の記事につづいて同公演のFacebookページに掲載された、音響スタッフのお仕事ぶり。松江の朝の音を描写し、虫の音を愛したハーンに似つかわしい取り組みが行われているようです。

日本の面影 音響チームは吉田孝史、福島直紀、絹川修平、吉野奏絵の4人で効果音の作成と音響オペレートを担当しています。ハーンと松江を強く結びつけたもののひとつに、外から聞こえて来る『音』がありました。ハーンは最期まで日本の風情を耳で感じ取り…

Posted by 舞台 日本の面影 2015 on 2015年7月21日

 
公演は8月30日(日)、松江城のそばの島根県民会館で。くわしくは公演ホームページをご覧ください。

舞台「日本の面影」- 日本を愛した小泉八雲の半生を描く

【2/15追記】怪談専門誌『幽』第22号の特集は「ハーン/八雲 Retold」(1)新公式サイトと2/21トークイベント

すでにお読みになった方も多いと思います。1月末に発売された怪談専門誌『幽』第22号(角川書店)の特集はその名も「ハーン/八雲 Retold」。創刊号以来2度目のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)特集です。

紹介したいことがたくさんあるこの特集ですが、ちょうど昨日、同誌の新しい公式サイトが開設し、最新号の目次が掲載されましたので、今日はそのご案内をしておきます。

怪談専門誌『幽』『Mei(冥)』オフィシャルサイト| 角川書店 | KADOKAWA

そして、同誌編集顧問の東雅夫さんが出演するトークイベントが来週2月21日(土)に東京・神楽坂で開催。この特集にまつわるお話もたっぷり聞けそうです。

2/21(土) トークイベント「八雲の血脈——小泉家のファミリーレジェンドと美しい書物群」(神楽坂)

【2/15追記】翌22日(日)は、東雅夫さんと『幽』に寄稿した下楠昌哉さん(英文学者、同志社大学文学部教授)の組み合わせで、ハーン作品の日本語訳で知られる平井呈一をテーマとするトークイベントも。

2/22(日)トークイベント「幻想と怪奇の匠・平井呈一——その足跡と旧蔵書をめぐって」(神楽坂)

『幽』第22号の話題、このあと少なくとも2回は準備しています。おたのしみに。
 

『日本の面影』山田太一さんの講演会、松江で10月11日

山田太一氏講演会「八雲の魅力」

山田太一氏講演会「八雲の魅力」

10月11日(土)、松江市総合文化センタープラバホール(島根県松江市)で、テレビドラマ『岸辺のアルバム』『ふぞろいの林檎たち』などで知られる作家、脚本家・山田太一さんの講演会「八雲の魅力」が開催されます。

山田さんの作品に、日本時代を中心にラフカディオ・ハーン(小泉八雲)後半生を描いた『日本の面影』があります。明治時代、近代化を推し進める日本が失いつつあったものを、ハーンを通じて見つめた作品です。1984年にNHKで全4回のテレビドラマとして放映され、ジョージ・チャキリスさんと檀ふみさんが、ハーンとセツの夫妻を演じました。

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【6/1記事追加】松江・隠岐にもやってくる! 舞台「日本の面影」

昨年、東京と金沢で上演され好評を博した山田太一作・鵜山仁演出の舞台「日本の面影」が、5月28日(水)初日の東京を皮切りに、今年は全国11会場を巡演します。6月25日(水)、26日(木)には島根県隠岐の島町、27日(金)、28日(土)は松江市での公演も予定されています。

時は明治。近代化の波によって、日本古来の美しさが失われていく時代。日本の美しきものを愛し、日本人妻をめとり、日本に帰化したラフカディオ・ハーン、後の小泉八雲とその妻セツの家族の物語。笑いあり涙あり、怪談あり、芝居の面白さが詰まった二時間です。(紺野美沙子 OFFICIAL WEB SITE より)

 
以下、FacebookとYouTubeからご紹介。

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松江市: 小泉八雲没後110年記念事業

松江市のホームページに、小泉八雲没後110年記念事業に関する情報が掲載されました。

2014年は、本市にゆかりの深い小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の没後110年という節目の年です。
これを記念する事業を実施することにより、八雲が日本を含む世界各地で蒐集・発信した文化資源を再認識するとともに、市民生活へのその浸透を図り、松江の精神的な豊かさの創出に資することを目指します。
【注目点】
小泉八雲は、54年の生涯を通じて常に旅人であり、その土地で出会った異文化や人種などに偏見をもたず、開かれた心で対象を見つめ、共感的理解を示しました。
本年は、世界の専門家が八雲の生誕地ギリシャのレフカダに集い、八雲が持つ「オープン・マインド(開かれた精神)」を、多角的な視野で分析・解釈を試みるシンポジウムを開催します。
これにあわせて、毎年、松江で開催している「小泉八雲 朗読の夕べ」のギリシャ公演や松江での凱旋公演を開催します。「小泉八雲 朗読の夕べ」は、このほか国内の八雲ゆかりの地での公演も予定されています。

朗読座演劇公演「日本の面影」紺野美沙子さんのメッセージ

女優の紺野美沙子さんが主宰する「朗読座」の第1回演劇公演「日本の面影」が、7月12日(木)に東京の俳優座劇場で初日を迎えます。「日本の面影」は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を主人公とする山田太一さん脚本のテレビドラマとして1984年にNHKで放映され、1996年には舞台化されて地人会によって上演。そして今回は鵜山仁さんの演出、草刈正雄さん(ラフカディオ・ハーン役)、紺野美沙子さん(小泉セツ役)らの出演により、新たに上演されます。

先日、「日本の面影」の稽古場を訪れた八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)宛に、紺野さんからのメッセージが届きました。その一部をご紹介します。本公演に寄せる紺野さんの思いが伝わるメッセージをお読みいただき、ぜひ劇場へお出かけください。

「日本の面影」は山田太一さんの脚本で1984年にNHKのドラマで4回シリーズで放送されました。その後「地人会」という演劇グループで舞台化され、再演を重ねた名作です。

今回7月の上演は、3年前から決まっていましたが、震災後「日本の面影」の描く古き良き日本の姿、小泉八雲のセリフのひとつひとつの重みが増しているように思えます。

例えば「科学ハ世ノ中ダメニシマス」という台詞です。

「単純、温和、丁寧、親切、微笑み、幽霊」など、八雲の見た明治半ばの日本人の美徳を、現代の私たちが触れることで「日本人の心の温故知新」になればと私は思っております。

もうひとつ今年は「古事記編纂1300年」ということで、「日本人の心のふるさと」が注目を浴びている年でもあります。「日本の面影」は、古事記について、八雲とその妻セツが語り合うシーンから始まります。

この作品との出会いを大切に、長く全国で公演をしていく予定です。

作者の山田太一さんも大変、今回の再演を喜んで下さり、取材にも大いに協力して下さっています。

スタッフ・キャストともに演劇界最高の実力派の方たちが集結しました。

小泉八雲とセツの家族の物語は現代にも不変のものです。

小学生から大人の方まで家族そろって楽しめ、歴史や文学の知識も得ることが出来ます。劇中の怪談で、涼しくもなれます!

今回のような、演劇自主公演は満員になっても赤字です。

それが日本の小さな組織の現実です。でも、演劇にしても、音楽、古典芸能などに携わる人は、みんなその世界が大好きで、経済的に苦しい中、自分なりの表現を模索しています。

これまで、UNDP親善大使として、途上国を10年以上に渡り視察をした経験から、日本文化をきちんと伝える作品づくりに携わりたい、という気持ちが年々強くなって参りました。

今回は予算のない中、16公演のうち4公演、英語字幕もつけます。日本在住の外国人の皆さんにも観て頂きたいと思っています。着物で御来場の方には記念品も差し上げます。

是非、応援して頂けると嬉しいです。

紺野美沙子