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【3/12更新】東日本大震災発生から4年…ギリシャ語版も誕生した紙芝居DVD『稲むらの火』

八雲会ブログでこれまでも折に触れご紹介してきた、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の作品「生神様(A Living God)」を原作とし、戦前の国定教科書に採用された「稲むらの火」。大地震の発生直後、庄屋の五兵衛が収穫したばかりの稲の束に火をつけて村人をひきつけ、津波から村人の命を救ったという物語です。近年は、防災の教材として日本だけでなく海外でも注目を集め、さまざまな言語に翻訳されています。

2009年、宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会が、教育紙芝居DVD『稲むらの火』を制作しました。1942年に作られた「稲むらの火」の紙芝居を、ナレーション入りのDVDとして現代によみがえらせたものです。ハーン没後110年を迎えた2014年、ハーン生誕の地にギリシャのレフカダにラフカディオ・ハーン・ヒストリカル・センターが開館した際に、日本のハーン関係の個人・団体から数々の収蔵品が寄贈されましたが、その中には教育紙芝居DVD『稲むらの火』の英語・ギリシャ語字幕版もありました。

そのことを伝える記事が『読売新聞』欧州版に掲載されていました。NPOげんき宮城研究所のブログで先ごろ取り上げられましたので、東日本大震災発生から4年を迎えたこの日にあたり、ご紹介しておきます。

活動報告 1月度(16日〜31日)

【3/12更新】3/11付の『読売新聞』でも、東日本大震災関連記事として紙芝居DVDについて取り上げられました。

DVD稲むらの火掲載記事

東日本大震災発生から2年、島根県民会館で『Pray for Japan:心を一つに』上映会


『Pray for Japan:心を一つに』Theatrical Trailer。今日の上映会で現地活動報告を行う門間光紀さんが1分27秒頃に登場「思いはひとつですから」。

東日本大震災発生から2年を迎える今日2013年3月11日、松江市の島根県民会館中ホールで、スチュウ・リービー監督作品『Pray for Japan:心を一つに』の上映会を開催します。本作は、2012年9月1日に「まちづくりNPOげんき宮城研究所創立5周年・みちのく八雲会創立10周年 フォーラム2012 in 石巻」(宮城県石巻市)でも上映された作品です。東日本大震災発生2周年を迎える八雲会の森秀雄副会長が上映実行委員会の世話人代表を務めます。

上映後には、映画の出演者であり、宮城県で震災復興ボランティアに取り組むNPOげんき宮城研究所事務局長・門間光紀さん(みちのく八雲会主宰)の現地活動報告があります。

ご来場心からお待ちしております。

3.11ドキュメント映画上映『Pray for Japan:心を一つに』(しまね映像フェスティバル 映像のチカラPart 2)

日時
2013年3月11日(月)18:00
会場
島根県民会館 中ホール (島根県松江市殿町158)
出演
報告:
門間光紀(NPOげんき宮城研究所事務局長、みちのく八雲会主宰)
料金
入場無料(要入場券/震災復興支援のための募金にご協力をお願いします)
問い合わせ先
島根県民会館 電話:0852-22-5508

詳しくは下記リンク先のイベント情報ページをご覧ください。
3.11ドキュメント映画上映『Pray for Japan:心を一つに』(しまね映像フェスティバル 映像のチカラPart 2)

3.11ドキュメント映画上映『Pray for Japan:心を一つに』チラシ

9/1は「フォーラム2012 in 石巻」

宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所の創立5周年と、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体・みちのく八雲会の創立10周年を記念する「フォーラム2012 in 石巻」が、今週末9月1日に開催されます。

このイベントは、八雲の曾孫・小泉凡さんの基調講演と、東日本大震災の「復興地」(主催者は「被災地」に替えてこの呼称を用いています)で活動する人々を記録したドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」(スチュウ・リービー監督作品)の2部構成です。

先日、みちのく八雲会主宰・まちづくりNPOげんき宮城研究所事務局長の門間光紀さんが、仙台発のUstream配信番組『復興を考えるソーシャル学生ネットワーク IF I AM』に出演し、「PRAY FOR JAPAN」上映を中心に、約30分にわたってイベントについてお話ししていました。その映像が公開されていますので、関連する記事と「PRAY FOR JAPAN」の予告編動画とともにご紹介します。

門間光紀さん出演の『IF I AM』第67回(2012年8月23日)



Video streaming by Ustream

第67回『IF I AM』(Ustream)
第67回『IF I AM』(8/23)(笑顔311のブログ)
Ustream配信をリアルタイムで視聴した人たちによるツイートのまとめ(Togetter) ※門間さん出演部分に関するツイートはページの後半です。

スチュウ・リービー監督「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」予告編

→『PRAY FOR JAPAN:心を一つに』公式サイト

当日は、日本三景・松島で知られる宮城県松島町のホテルで「全国八雲会交流&懇親会」が企画され、2010年の松江、2011年の熊本、今年5月の隠岐に続いて、全国の小泉八雲関係団体のみなさんが一堂に会します。石巻から松島への移動中には復興地の視察も織り込まれ、震災発生から間もなく1年半を迎える復興地の今に触れる機会となりそうです。私たち松江の八雲会からも、日野会長をはじめとする一行が参加します。

まちづくりNPOげんき宮城研究所創立5周年・みちのく八雲会創立10周年 フォーラム2012 in 石巻

日時
◆フォーラム、交流会・懇親会
2012年9月1日(土)13:00(12:40開場)
◆松島散策
2012年9月2日(日)9:30-11:30
会場
フォーラム:株式会社ナリサワ(宮城県石巻市駅前北通り2丁目12-27)
交流会・懇親会:ホテル絶景の館(宮城県宮城郡松島町松島字東浜4-6)
問い合わせ先
まちづくりNPOげんき宮城研究所 電話:090-7526-7826
詳しい情報
http://yakumokai.org/5140

まちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会については、この八雲会のブログでしばしばご紹介・言及しています。この機会に東日本大震災関連の記事、またはサイト内検索でご覧ください。

チャリティートークイベント「モダン・アイリッシュ」義捐金・寄付金が「まちづくりNPOげんき宮城研究所」へ

八雲会ブログでもご紹介しましたチャリティートークイベント「モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック」(2011年12月10日、松江市市民活動センターSTICビル)に寄せられた義捐金・寄付金が、「まちづくりNPOげんき宮城研究所」に寄付されたことが、同NPOおよびイベントを主催した山陰日本アイルランド協会のサイトで紹介されています。

支援金(みちのく八雲会/まちづくりNPOげんき宮城研究所のサイト)
アイリッシュ・チャリティー・イベント「IRELAND supports JAPAN モダン・アイリッシュ〜ライフ & ミュージック」義捐金および寄付金のご報告と駐日アイルランド大使のメッセージ(山陰日本アイルランド協会のサイト)

2011年の八雲会サイトの更新はこれが最後になります。みなさま、本年も当会にご支援・ご協力くださり、また当サイトをご覧くださりありがとうございました。新年まで9時間余りとなりましたが、どうぞよいお年をお迎えください。

小泉八雲がつなぐ縁、12月10日はチャリティートークイベント「モダン・アイリッシュ」

チャリティーイベント「モダン・アイリッシュ:ライフ & ミュージック」のチラシ

今週末12月10日(土)、松江市市民活動センターSTICビルでチャリティートークイベント「モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック」が開催されます。“今どきのアイルランド”をテーマに、松井ゆみ子さんが最新のアイルランドの暮らしや料理を紹介し(試食もあり!)、ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが自らの解説と選曲でアイリッシュ・ミュージックの世界へ誘います。

主催する山陰日本アイルランド協会は、アイルランド人の血を引く小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が松江で1年余を過ごした縁で、当時の駐日アイルランド大使ジェームズ・シャーキー氏の支援のもと1994年に設立されました。現在の副会長の一人は、八雲曾孫の小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)です。同協会では、アイリッシュ・フェスティバル in Matsueをはじめとするアイルランド文化を紹介するイベントや定期講座の開催などを通じて、アイルランド文化への理解を一般に普及する活動を行っています。

今回のイベントの収益金の一部は東日本大震災の復興支援に役立てられます。その支援先である「まちづくりNPOげんき宮城研究所」は、震災被災地である宮城県仙台市・石巻市を拠点に活動する小泉八雲顕彰団体「みちのく八雲会」主宰の門間光紀さんが代表を務めています。同NPOでは震災発生前から、八雲の作品「生き神(A Living God)」が伝える津波被害の教訓を現代に活かすべく、紙芝居DVD『稲むらの火』を宮城県内の小学校と社会福祉協議会に無償配布するなど、防災への取り組みを続けています。

先月26日に熊本市で開催された「小泉八雲来熊120年記念講演会・シンポジウム・清和文楽「雪女」公演」終演後の懇親会の席上、門間さんは各方面からの支援に感謝を伝えるとともに「震災報道が少なくなった今も、被災地はまたまだ支援を必要としています。継続してご支援をお願いします」との旨の挨拶をしていました。「モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック」に多数のみなさんのご来場・ご協力をお願いいたします。

モダン・アイリッシュ:ライフ&ミュージック

日時
2011年12月10日(土)16:00(15:30開場/19:30終了予定)
会場
松江市市民活動センター STICビル 5階 交流ホール(島根県松江市白潟本町43)
出演
松井ゆみ子
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
料金
参加費3,000円
問い合わせ先
山陰日本アイルランド協会 電話:090-4109-5542(小泉) 090-7593-9332(鴨井)

内容

アイルランド大使を中心に、日本国内にあるアイルランド関連団体は東日本大震災の被災者の方々に対しできる限りのサポートすることを話し合いました。そして、“IRELAND Supports JAPAN”と題し、何ができるのか検討してきました。私たち山陰日本アイルランド協会は、自然災害と日本人の国民性に大きな関心を抱いていたアイルランド人作家小泉八雲が、ペンの力で世界に津波の恐ろしさと防災の重要性を訴えた作品“A Living God”と、その中で初めて“Tsunami(津波)”という言葉を使ったことに注目し、宮城県にある「みちのく八雲会」のリーダーが主宰するNPO  「まちづくりNPOげんき宮城研究所」(代表:門間光紀氏)を支援先と決めて、アイリッシュ・チャリティー・イベントを開催することにしました。

ゲストのピーター・バラカンさんと松井ゆみ子さんは、このイベントの趣旨に賛同し松江に来てくださることになりました。「モダン・アイリッシュ」とは、いまどきの新しいアイルランドのことで、松井ゆみ子さんの最新の暮らしや料理の話、また、ピーター・バラカンさんの案内と選曲によるアイリッシュ・ミュージックの旅への誘いなど、贅沢で素晴らしいひと時を過ごして頂けると思います。

山陰日本アイルランド協会ホームページより)

内容
  • 被災地への応援メッセージ
  • モダン・アイリッシュの食卓〜松井ゆみ子さんによるトーク&スライドそして試食
  • 旅するアイリッシュ・ミュージック〜ピーター・バラカンさんの案内によるアイリッシュ・ミュージックの旅
チケット取扱
  • 島根県民会館 しまね文化情報コーナー
  • 松江市総合文化センター プラバホール
  • artos Book Store
  • 山陰日本アイルランド協会(Eメールで「12月10日チケット希望」の件名で info@sanin-japan-ireland.org まで。協会でのメール受付は12月3日まで)

その他の情報

主催
山陰日本アイルランド協会
共催
松江市
後援
駐日アイルランド大使館
協力
アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン
詳しい情報
http://www.sanin-japan-ireland.org/info/20111210.html

3連休明けて、9月26日は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の命日です

3連休、いかがお過ごしでしたか? 松江では、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にちなむ催しが連日開かれた、まさにヘルンさん三昧の毎日でした。

秋の松江では、八雲にちなむ催しが例年多数実施されます。近年は9月後半から約1か月間の休日の夜に、小泉八雲記念館や小泉八雲旧居を含む松江城山周辺の一帯で「松江水燈路」という手作りの行灯による街並みのライトアップが行われ、数々の協賛イベントが繰り広げられています。今年の場合は、小泉八雲記念館など周辺観光施設の開館時間延長、八雲が愛した石狐のいる城山稲荷神社での「へるんさんの燈明会」(9月24日)、ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテストに出場した中高生が英語で八雲の怪談を語る「英語で怪談ナイト」(9月25日)などが該当します。

そして何より、秋には小泉八雲の命日が巡ってきます。それが今日、9月26日です。松江では八雲の命日を記念して、中高生が英語による八雲作品の暗唱を競う「ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテスト」(9月23日)、次いで秋の季語になった「八雲忌」を冠した伝統の俳句会が、今年は「八雲忌山陰俳句大会」(9月24日)として開催されました。

八雲の命日を記念した催しの話題は、松江以外の八雲ゆかりの各地からも届いています。

23日には、東京に移り住んでからの八雲が毎年のように夏休みを過ごした静岡県焼津市で、「平成23年度八雲忌講演会」(焼津小泉八雲記念館)が開かれました。東日本大震災の被災地・宮城県で、八雲が幕末の津波災害の実話を元に書いた「生神様(A Living God)」を原作とする紙芝居DVD『稲むらの火』を、県内の小中学校などに配布する活動を震災前から行ってきた「みちのく八雲会」主宰の門間光紀さんが、「語り継ぐ『稲むらの火』ー東日本大震災から学ぶ」と題して講演しました。また、講演会を主催した小泉八雲顕彰会から、紙芝居DVD『稲むらの火』2枚が、焼津市教育委員会に寄贈されました。

活動報告72(げんき宮城通信)
「稲むらの火」で津波教育を 焼津市教委にDVD(静岡新聞)

昨日25日には熊本でも、熊本八雲会が主催する「ハーン来熊120年記念特別講演会」(熊本市立図書館)のテーマに、今回の震災、津波災害が採られました。防災の専門家らによる講演や「生神様」の朗読により、防災文学として八雲の作品を迫るという企画です。夜は八雲が来熊当初に住んだ家を移築した小泉八雲熊本旧居で、同旧居保存会主催の「怪談」朗読会もありました。

ハーン来熊120年記念特別講演会と八雲の「怪談」朗読会のお知らせ

八雲にちなむさまざまな催しの余韻にひたりながら、命日当日の今日も、どうか八雲とその業績について思いをめぐらせて下さい。

6月27日は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の誕生日です

小泉八雲旧居(根岸邸)

今日6月27日は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の誕生日です。

昨日から今日にかけて、松江城の北堀に面して今も武家の屋敷の家並みをとどめる塩見縄手では、「へるんさんバースデー・アニバーサリー」と銘打って、小泉八雲旧居向かいの空き店舗では、津波に関する特別展示、八雲の曾孫・小泉凡さんが先月東日本大震災の被災地に「みちのく八雲会」の皆さんを訪問した際の写真のパネル展示、軽食やラフカディオ珈琲の販売が行われ、近隣商店や施設でもサプライズなサービスが実施されています。そして小泉八雲旧居に西隣、小泉八雲記念館では昨日から「小泉八雲のKAWAIDAN展:翻訳本と映画の世界」が始まりました。

小泉時、小泉凡共編『増補新版 文学アルバム小泉八雲』(恒文社、2008)によると、八雲は41歳の誕生日の5日前、1891(明治24)年6月22日に、塩見縄手の根岸邸に、生涯の伴侶となる小泉セツとともに転居しています。念願であった武家の屋敷での暮らしを始めたばかりの八雲は、どのような思いで41歳の誕生日を迎えたのでしょうか。根岸邸の一部は現在、小泉八雲旧居として一般に公開されています。

梅雨は鬱陶しい季節と思いたくもなりますが、八雲のこの家での暮らしぶりをしのぶには、絶好の季節が始まったと言えるのかも知れません。

震災後のみちのくで:八雲曾孫・小泉凡さんの東日本大震災被災地リポート

5月、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)が、東日本大震災の被災地を訪問、仙台を拠点に活動する「みちのく八雲会」(門間光紀代表)のみなさんと面会しました。小泉凡さんからお寄せいただいたリポートを、以下に掲載します。

震災後のみちのくで

文:小泉凡

5月の連休に、震災後はじめて仙台と石巻を訪ね、お見舞いの気持ちを込めて「みちのく八雲会」の皆さんと懇談してきました。同時に4月以降に八雲会に寄せられた義捐金と松江市在住の会員からご提供いただいた、和菓子とコーヒーを持参し、大いに喜んでいただきました。

石巻イオンで、みちのく八雲会の会員の皆さんと。左から2番目が小泉凡さん。(石巻市)

石巻イオンで、みちのく八雲会の会員の皆さん。(石巻市)

5月4日は石巻へ。被害の少なかった郊外のショッピングセンター・イオンに門間代表を含め8名の会員の方が参集してくださいました。そのうち6名までは家も車も失われています。壮絶な非難体験談をうかがいました。以下に抜粋して紹介します。

「地震当日、石巻線の陸橋の上で吹雪の中、娘と手をつないで一夜を明かした。通りかかった鮮魚トラックが中身を捨てて、発泡スチロールで囲いをつくり仮設トイレを作ってくれた。」「べそをかきながら、夫と山路を避難した。姉の嫁ぎ先をめざしたが、暗くなってきて、心細くなり、まるで曽根崎心中だった。通りかかった車に手をあげると若い青年で、どこまででも送ってくれると親切だった。でも彼はガソリンも食料もほとんどなかったので地震直後にコンビニで買ったおにぎりをあげた。親切なコンビニの店員はその5分後に津波で流されたはず。そのことを思い出すと悲しい。」「私は昭和23年3月11日生まれ。夜には誕生日を祝ってもらうことになっていた。だから3月11日は私にとってリセットの日。」「嫌いだった人が死んでこんなに悲しい。生き方を変えなければと思った。」「近くの学校の3階に避難した。窓にSOS 1600人と書いた。自衛隊のヘリが降りてくれた。3日間食べ物がなかったが、女子高校生がお金を出し合ってお菓子を差し入れしてくれた。嬉しかった」。

心温まる美談もありました。「転居届を提出したわけでもないのに、自宅あての郵便物が、避難先の実家に届けられた。近所の人に訊いて届けてくれたのだろう。日本人は何と勤勉で親切!」「行政はとりあえず犠牲者の遺体を土葬して、後日あらためて火葬することに決定。棺を10体並べてまとめて供養する予定だったたが、若いお坊さんたちが、『それはない!短くても一人ずつお経を!とネットワークをつくって行政に陳情し、個人供養を実現させた』」「イギリスの支援チームに、皇太子の結婚式で帰らなくていいのですかと尋ねると『被災地支援の方がずっと大切だ』といわれ涙が出た」「瓦礫から掘り出された遺体の中に、赤ちゃんを抱きしめたままのお母さんがいた」。

ハーンの大雄寺の子育て幽霊譚の再話には、時空を超えたtruth(真理)が本当にあったのだと感じました。その後、2名の会員の方のご案内で被害の大きかった南浜地区へ。瓦礫の中に立つ廃墟のような小学校は真っ黒にコンクリートが焦げていました。津波で流された何台かの車が学校の前でぶつかりあって炎上し、火災が発生したのです。そこに近い墓地では9割型の墓碑が倒れていました。でもそれを起こして地蔵やこけしが奉納される風景がありました。祖先信仰の強さを感じるとともに、ハーンが「地震と国民性」で説いたように、この国には不変の安住地はないということを思い知らされました。

南浜の小学校。津波でぶつかりあった車が炎上し、学校が焼ける。(石巻市)

南浜の墓地。こけしを奉納する光景。(石巻市)

その後、門間代表のふるさと、東松島市の野蒜へ。驚いたことに、JR仙石線の線路や駅や踏切が痕跡さえもなくなっていました。門間さんもご実家を失われました。海岸の美しい松林はニューオーリンズのバイユーのごとく濁った沼沢地と化していました。しかしそこから蛙の声が!新しい命の力強さに嬉し涙が出ました。

東松島市野蒜。美しい松林が沼沢地に。

5日、仙台では8人の会員の方にお会いしました。「稲むらの火」のCD作成時にナレーションを担当したアナウンサーの高杉さんのお話し。「地震当日、海岸に近い宮城野区で新社屋オープンのためにセレモニーの司会をしていた。その社屋は1時間後に津波でなくなった」。

嬉しかったのは、八雲会が3月末の時点でお送りした義捐金の一部で門間代表はただちに洗濯機を購入し、会員がリ−ダーをつとめる石巻高校の避難所へ運び込む。312人分の洗濯にフル稼働したのです。石巻は次の復興段階に入ったため、現在、洗濯機は気仙沼の避難所で活躍しています。日本赤十字や行政に寄せられた義捐金はいまだプールされたままで生かされていません。

みちのく八雲会には、昨年、ハーンの神在月サミットに松江に集った各地の関連団体から支援の手が差し伸べられています。緩やかなネットワークが自然に形作られたのだと想像します。これもサミットの実践的な成果です。

「痩せたくても痩せられなかったのにみんな痩せちゃたね」でも、「きれいさっぱりなくなってすっきりした。ものを追い求める価値観は自然に消滅した」と、皆さんが仰います。ハーンが「極東の将来」で説いた、「生存最適者は自然と共生でき、シンプルライフを送れる人たち」という文言をあらためて重く受けとめ帰松しました。

最後に、被災地で強く感じた3つのことをお伝えします。津波から逃れるには、防潮堤を信頼しすぎることなく、高台にすみやかに徒歩で避難することが時を超えた鉄則だということ。だから「稲むらの火」は防災教材として今後も小学校で活用して欲しいと思います。つまり自然を支配しようとするのではなく畏怖する謙虚さを継承することが大切なのです。次に被災地への支援は自分のできることを無理なくする。できればピンポイントでNPO団体などと連絡を取り合えば必ず有効に生かされます。公的機関に寄せられた巨額の義捐金は6月上旬段階でまだ3割しか被災地に還元されていません。最後に、長い避難所生活から不安を訴える子供たちが増加傾向にあります。思いきりハグができるおとなが求められています。今こそ若者の出番です!

みちのく八雲会の会員の皆さんと。(仙台市)

(このリポートは「八雲会報」第48号にも掲載されています)

みちのく八雲会の門間主宰は無事

3月14日朝に更新されたみちのく八雲会のブログ

本日14日朝、東北関東大震災の被災地・仙台市に拠点を置くみちのく八雲会を主宰する門間光紀さんから、八雲会の小泉凡名誉顧問に電話があり、門間さんとご一家は無事との連絡がありました。ただ、門間さんによれば、宮城県内各地のお仲間の中には、まだ連絡がとれない方がいらっしゃるとのことです。

また、みちのく八雲会及びNPO法人げんき宮城研究所のブログも今朝更新され、門間さん一家の無事と近況が短く伝えられています。

一家無事(げんき宮城通信)

以上、ご報告いたします。

東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様へお見舞い申し上げます

昨日3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様へ、心からお見舞い申し上げます。

特に大きな被害が伝えられている東北地方では、私たち八雲会にとってはお仲間の団体である、みちのく八雲会(仙台市)、小泉八雲研究会(山形県酒田市)が拠点を置き、活動しています。

このうち、みちのく八雲会は2009年にNPO法人げんき宮城研究所との協働で『DVD教育紙芝居「稲むらの火」』を制作しました。「稲むらの火」とは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「生き神」の「生き神(A Living God)」を再話して、戦前の国語教科書に収められた作品で、津波の襲来を察知した庄屋の五兵衛が、刈り取ったばかりの稲穂に火をつけて村人に危険を周知したという物語です。その物語を紙芝居化したものを、みちのく八雲会でDVD化し、宮城県内の小学校と市町村社会福祉協議会に無償配布しました。

DVDの制作と配布の経緯は、昨年10月に松江で開催しました「ハーンの神在月:全国・小泉八雲の会&ミュージアムの未来を考えるサミット」において、みちのく八雲会主宰の門間光紀さんが詳しく報告して下さいました。門間さんによれば、DVDを無償配布した後の調査の結果、実際にDVDを視聴した配布先がまだ少なかったとのことで、将来東北地方で発生が予想される大地震に備えて、DVDを有効に活用してもらうことが課題であると指摘していらっしゃいました。

その日の記憶がまだ新しい中での、今回の未曽有の地震と津波。今は現地の皆様のご無事をひたすらお祈りする次第です。


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