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9月26日は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の命日です:「燈明会」と「幻灯会」

今年も9月26日、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の命日を迎えました。

先日22日(土)の夜、八雲が愛した石狐たちがいる城山稲荷神社に、500本ものろうそくが灯りました。毎年八雲の命日に近い土曜日に催される「へるんさんの燈明会」です。

写真:高嶋敏展

八雲の没後100年に当たる2004年に始まったこの「燈明会」、八雲を偲ぶ松江の行事の中でも新しいものですが、今では松江の秋の風物詩となりました。

今年は、神社にほど近い小泉八雲記念館で開催中の企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」の関連企画、まちあるきツアー「ぶら!へるん」から生まれた写真サークル「へるん写真部」が、写真撮影に訪れていました。

へるん写真部や、8月に実施された子ども塾「スーパーヘルンさん講座」に参加した小学生たちが、松江の八雲ゆかりの地を撮影した写真を鑑賞する「へるんさんの幻灯会」が、29日(土)の夜に開催されます。場所は、小泉八雲記念館や小泉八雲旧居が立ち並ぶ塩見縄手の「武家屋敷」です。

折しも松江城を囲むこの一帯が行灯の日で照らされる松江水燈路の一夜、ほのかな灯りを追いかけながら、武家屋敷をのぞいてみてください。

※「へるんさんの燈明会」の写真は、「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」のFacebookページに順次公開されています。あわせてご覧ください。

写真:高嶋敏展

9/1は「フォーラム2012 in 石巻」

宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所の創立5周年と、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体・みちのく八雲会の創立10周年を記念する「フォーラム2012 in 石巻」が、今週末9月1日に開催されます。

このイベントは、八雲の曾孫・小泉凡さんの基調講演と、東日本大震災の「復興地」(主催者は「被災地」に替えてこの呼称を用いています)で活動する人々を記録したドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」(スチュウ・リービー監督作品)の2部構成です。

先日、みちのく八雲会主宰・まちづくりNPOげんき宮城研究所事務局長の門間光紀さんが、仙台発のUstream配信番組『復興を考えるソーシャル学生ネットワーク IF I AM』に出演し、「PRAY FOR JAPAN」上映を中心に、約30分にわたってイベントについてお話ししていました。その映像が公開されていますので、関連する記事と「PRAY FOR JAPAN」の予告編動画とともにご紹介します。

門間光紀さん出演の『IF I AM』第67回(2012年8月23日)



Video streaming by Ustream

第67回『IF I AM』(Ustream)
第67回『IF I AM』(8/23)(笑顔311のブログ)
Ustream配信をリアルタイムで視聴した人たちによるツイートのまとめ(Togetter) ※門間さん出演部分に関するツイートはページの後半です。

スチュウ・リービー監督「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」予告編

→『PRAY FOR JAPAN:心を一つに』公式サイト

当日は、日本三景・松島で知られる宮城県松島町のホテルで「全国八雲会交流&懇親会」が企画され、2010年の松江、2011年の熊本、今年5月の隠岐に続いて、全国の小泉八雲関係団体のみなさんが一堂に会します。石巻から松島への移動中には復興地の視察も織り込まれ、震災発生から間もなく1年半を迎える復興地の今に触れる機会となりそうです。私たち松江の八雲会からも、日野会長をはじめとする一行が参加します。

まちづくりNPOげんき宮城研究所創立5周年・みちのく八雲会創立10周年 フォーラム2012 in 石巻

日時
◆フォーラム、交流会・懇親会
2012年9月1日(土)13:00(12:40開場)
◆松島散策
2012年9月2日(日)9:30-11:30
会場
フォーラム:株式会社ナリサワ(宮城県石巻市駅前北通り2丁目12-27)
交流会・懇親会:ホテル絶景の館(宮城県宮城郡松島町松島字東浜4-6)
問い合わせ先
まちづくりNPOげんき宮城研究所 電話:090-7526-7826
詳しい情報
http://yakumokai.org/5140

まちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会については、この八雲会のブログでしばしばご紹介・言及しています。この機会に東日本大震災関連の記事、またはサイト内検索でご覧ください。

富山大学「ヘルン文庫」所蔵の明治三陸地震リーフレットが釜石で展示

昨年、八雲会会員の中川智視さん(明治大学兼任講師)が、八雲の蔵書を一括収蔵する富山大学附属図書館「ヘルン文庫」での調査の過程で発見した、明治三陸地震に関する英文のリーフレット”The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896″(「日本での大災害 1896年6月15日」)とその日本語訳が、釜石市郷土資料館(岩手県釜石市)で開催中の「116年前からのメッセージ:明治三陸大津波写真展」で11日(土)から31日(金)まで展示されています。先月ご紹介しました静岡福祉大学附属図書館の「小泉八雲と自然災害」展でも展示された資料です。

→富山大学附属図書館のTwitterより、展示決定について 展示期間について

120年前の夏、ハーンとセツは隠岐を訪問中

隠岐郡海士町を中心に、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の隠岐来島120周年を記念するツアー、シンポジウム、展覧会が実施されたのは去る5月でしたが、ハーンとセツ夫人が隠岐に滞在したのは、1892(明治25)年の8月9日から24日にかけてのことでした。つまり、120年前のちょうど今が、隠岐来島120年のまさにそのときなのです。

松江から熊本の第五高等中学校(現在の熊本大学)に転任してから初めての夏休み、すでに7月から博多、神戸、京都、奈良をめぐる大旅行に出ていたハーンとセツは、8月9日に海路美保関(現在の島根県松江市美保関町)に到着。隠岐丸に乗船して翌10日、隠岐に上陸しました。

隠岐には4つの大きな有人島があり、東側にある最大の島を中心とする諸島を島後(どうご。現在の隠岐郡隠岐の島町)、西ノ島(同西ノ島町)・中ノ島(同海士町)・知夫里島(同知夫村)を中心とする西側の諸島を島前(どうぜん)といいます。平川祐弘監修『小泉八雲辞典』(恒文社、2000年)の「隠岐旅行」の項(銭本健二)によると、隠岐に旅程は以下のようなものでした。

  • 8月10日 知夫里(隠岐郡知夫村)—浦郷(同西ノ島町)—菱浦(同海士町)—西郷(同隠岐の島町)滞在
  • 8月17日 津井の池、玉若酢神社(同隠岐の島町)訪問
  • 8月19日 菱浦滞在
  • 8月20日 海士村(同海士町)に後鳥羽帝の御陵(火葬塚。のちに同地に隠岐神社が創建される)を訪問
  • 8月22日 別府村(同西ノ島町)に後醍醐帝の黒木御所を訪問、浦郷に滞在
  • 8月24日 浦郷より隠岐丸で境港(鳥取県境港市)へ
  • 8月25日 美保関に滞在

※カッコ内は本記事の筆者による補足。市町村名は現在のもの

ハーンは隠岐の4つの有人島すべてをひと通り訪れたのち、西ノ島と中ノ島には再び上陸して島内を巡っています。隠岐旅行中、ハーンは、B. H. チェンバレンとともに『日本旅行案内(A Handbook for Travellers in Japan)』という英文の旅行ガイドブックを編集していたW. B. メイソンに詳細な報告を送り、その成果は同書の第4版(1894年)で、隠岐諸島の記事の参考とされました。ハーン自身も日本での第一作『知られぬ日本の面影(日本瞥見記/Glimpses of Unfamiliar Japan)』(1894年)に、「伯耆から隠岐へ(From Hoki to Oki)」という1章を収めました。

「伯耆から隠岐へ」は、以下の本で読むことができます。書店、図書館等で入手しやすいと思われるものを中心にご紹介します。

【日本語訳】小泉八雲著、平川祐弘編『明治日本の面影』(小泉八雲名作選集)講談社学術文庫

文庫版。「伯耆から隠岐へ」は銭本健二訳。
amazon.co.jp

【日本語訳】小泉八雲作、平井呈一訳『日本瞥見記 下』恒文社

amazon.co.jp

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan, Tuttle Publishing.

ペーパーバック版。
amazon.co.jp

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan Second Series (Kindle Edition)

米国amazonの電子書籍リーダーKindle向けの電子書籍。Kindle向けの電子書籍は、専用の閲覧ソフトをインストールしたパソコン(Windows PC、Mac)やスマートフォン、タブレット端末でも閲覧可能。
amazon.com

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan (iBookstore)

iPhone、iPadなどのiOS対応のスマートフォン、タブレット端末で閲覧可能。
amazon.com

【英文】A Guidebook for Travellers in the Province of the Gods—from Hearn’s writings— (revised and enlarged), The Hearn Society.

(銭本健二監修、井田徹/島根大学教育学部英語教育研究室英文学セミナー編『神々の国の旅案内—へるんとともに(増補改訂)』英語版、八雲会)
“From Hoki to Oki”より、”Sakaiminato” “Saigō” “Nishinoshima” “Hishiura and Ama”と題して抜粋。
八雲会ホームページ

なお、Facebookページには、5月の隠岐来島120周年記念イベントの写真をアップロードしてあります。あわせてお楽しみください。

小泉八雲隠岐来島120周年記念事業「小泉八雲のオープン・マインドと海士スピリッツ」
ラフカディオ・ハーンとギリシャ:原風景と受け継がれる精神性

Googleマップのストリートビューで旅する小泉八雲ゆかりの地

Twitterでは5月にご紹介しましたが、八雲会のサイトではまだ取り上げていませんでしたので、遅ればせながらご案内します。

検索サイトで知られるGoogleが提供する無料地図サービス・Googleマップのストリートビューは、目の高さにあわせて撮影された360度のパノラマ写真を、パソコンなどの端末で操作で楽しめるサービスです。ぐるりと回転させるだけでなく、前後左右に歩みを進めたり、拡大・縮小したりして見ることもできます。このストリートビューに、島根県内の観光地が追加されました。

島根の観光地がGoogleマップのストリートビューSPコレクションに続々登場中!(しまねはじまり通り)

この中には、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居など、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりのスポットが多数含まれています。以下、まとめてご紹介します。これから出かける方は旅の計画に、以前出かけた方は思い出のよすがにお試しを。

小泉八雲記念館

小泉八雲旧居の西隣に、昭和8年(1933)11月29日開館。直筆原稿や初版本のほか、愛用の机・椅子・衣類などの遺愛品を中心に二百数十点を展示している。松江市伝統美観保存指定地区にあり、景観に配慮した建物になっている。向かいの塩見縄手広場には八雲の胸像がある。


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小泉八雲旧居

八雲は松江最後の5ヶ月間、旧松江藩士・根岸家の屋敷を借りて過ごした。根岸家の人々の尽力により、八雲が好んで眺め、「日本の庭」にあらわした庭園や建物が保存され、八雲が暮らした当時の様子をしのぶことができる。


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松江城

八雲は学生と天守閣に登り落日に照らされた宍道湖や、湖面に浮かぶ嫁ヶ島の優美さをめでた。天守閣のことは「大きな塔」と呼び、「大きな怪物を寄せ集めてつくった龍のようだ」と評している。また、自宅から通勤の近道として、松江城の二の丸、三の丸を毎朝通り抜けていた。


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普門院

八雲の怪談「小豆磨ぎ橋」に登場する。ある侍が普門院にかかる橋にまつわるタブーを破ったために奇怪な事件が起こるという物語である。明治24年(1891)5月26日、八雲は自宅に普門院の住職を招いて、島根県尋常中学校教頭の西田千太郎と三人で会食をし、この怪談について詳しく取材した。この時に八雲の心中には、日本の怪談を書く構想が次第に出来あがっていったようである。


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美保神社

八雲が三度滞在した港町・美保関の神社で、美穂津姫命と琴代主命を祭神とする。八雲は作品「美保関」に、“卵の嫌いな神様”であるという琴代主命の伝承を紹介している。国譲り神話にちなむ毎年4月7日の青柴垣(あおふしがき)神事や12月3日の諸手船(もろたぶね)神事でも知られる。


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熊野大社

出雲大社の新嘗祭で用いる火を鑽(ひき)きり出す火鑽臼と火鑽杵は、毎年同社から送り出される。八雲はピット・リヴァース博物館のタイラー館長の依頼に応じて、西田千太郎を介して出雲大社の千家尊紀宮司より火鑽臼と火鑽杵を入手し、明治24(1891)年4月21日に東京帝国大学のチェンバレン教授に送り、その後博物館に寄贈された。


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日御碕神社

美保神社、熊野大社と同じく『出雲国風土記』にも載る古い神社。その社殿は権現造の朱塗りで、内部は極彩色の装飾画で覆われている。祭神は天照大御神とその弟須佐之男命。八雲は1891年8月7日海路を使って訪れ、セツと参詣した。


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引用・参考文献
  • 小泉凡『八雲の足跡を訪ねて』八雲会、1987年
  • 小泉凡監修、八雲会編『へるんさんの松江まちあるきマップ』松江市観光振興部、2011年
  • 小泉八雲記念館企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」キャプション、2012年
  • ラフカディオ・ハーン著、村松真吾編訳『神々の国の旅案内 新装版(仮題)』八雲会、未刊行

松江市メールマガジンで続いた小泉八雲の話題

松江市が毎月第2・第4水曜日の正午に配信しているメールマガジン「だんだん かわら版」に「友達の輪・話・和」というコーナーがあります。各回の筆者が次回の筆者を指名して書き継いでいる連載です。タイトルからして、平日正午のあの長寿番組の「テレフォンショッキング」を連想させてくれますね(最近は番組の方は、タモリさん自らが次回のゲストを紹介する形式に変わったようですが)。

「友達の輪・話・和」では、5月23日配信号から最新の7月25日配信号にかけて、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に関する話題が続きました。バックナンバーへのリンクをまとめてご紹介しますので、メールマガジンを定期購読していらっしゃらない方も、ぜひお読みください。

第237号(2012年5月23日配信)
文:高嶋敏展(写真家、アートプランナー)
小泉八雲記念館で開催中の企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」ほか、自身がかかわってきた小泉八雲関連の写真展・イベントについて。

第238号(2012年6月13日配信)
文:石川陽春(八雲会常任理事、グラフィック・デザイナー)
松江で年間を通じて多数実施される小泉八雲関係のイベントを、6月27日の八雲の誕生日前後に開催されるものを中心に。

第239号(2012年6月27日配信)
文:内田融(八雲会事務局長)
今日でも「へるんさん」と呼ばれ親しまれる小泉八雲と、松江の親友・西田千太郎について。

第240号(2012年7月11日配信)
文:小泉祥子(八雲会常任理事)
ギリシャ、松江、ニューヨーク、そして今後はニューオーリンズ、富山へと巡回する“旅する美術展”「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」について。

第241号(2012年7月25日配信)
文:小泉凡(小泉八雲曾孫、島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)
まちあるきの楽しみ。今夏の小泉八雲にちなむ2つのイベント「子ども塾—スーパーへるんさん講座」「ぶら!へるん」について。

“鷹の爪”吉田くんが小泉八雲を動画でPR

スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治など数々の神話の舞台である島根県では、古事記編纂1300年を記念して大型観光イベント「神話博しまね」が21日から始まりました。その神話博しまねのPRに、「神々の国しまね」公式マスコットキャラクターの「しまねっこ」とともに東奔西走しているのが、「神々の国しまね」宣伝部長の「吉田くん」です。

吉田くんは、島根県出雲市にIターンしてアニメーション作家としてデビューした蛙男商会・FROGMANさんの代表作『秘密結社鷹の爪』シリーズの登場人物で、世界征服をもくろむ秘密結社「鷹の爪団」の戦闘主任。その苗字の通り(?)島根県旧吉田村(現在の雲南市吉田町)の出身という設定で、作中では島根県にまつわるさまざまな豆知識をたびたび披露しています。

現在、NHKのEテレ『ビットワールド』(毎週金曜日18:20-18:55)という番組の中で、『鷹の爪』の最新シリーズ『秘密結社鷹の爪NEO』が放送されていますが、7月20日放送分のタイトルは「飴を買う女」でした。世界征服どころか秘密基地の家賃の支払いにも苦労している鷹の爪団の総統が、コンビニでアルバイトを始めます。そこへ飴を買いに来た青白い顔をした女性。その様子を見た吉田くんは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品「神々の国の首都」に登場する、松江の大雄寺(だいおうじ)を舞台とする怪談の登場人物“飴を買う女”ではないかと言い出して、女性の後を追いかけると……。

今日から動画サイト「ニコニコチャンネル」では、『秘密結社鷹の爪NEO』の「飴を買う女」の回が公開されていますので、NHKでの放送を見逃した方は、ぜひこの機会にご覧ください。秘密結社の構成員でありながら、公然と島根県の看板をしょって立つ吉田くんの本領発揮、小泉八雲と怪談「飴を買う女」について、短い時間でわかりやすく紹介しています。ちなみにこの回では、総統が苗字で呼ばれる場面が出てきますが、このサイトをご覧いただいているみなさんにはおなじみのあの人の子孫、または同じ苗字の元○○○○大臣の弟……なのかどうかはちょっとわかりません(笑)。

【追記】※7月28日(月)以降は有料配信となっています。

吉田くんと小泉八雲といえば、今年1月から3月にかけてMBS毎日放送で関西地方向けに放送されていた『秘密結社鷹の爪外伝 むかしの吉田くん』に、その名もズバリ「小泉八雲の巻」という回がありました。『むかしの吉田くん』は、島根で観光ボランティアをしていた14歳の吉田くん(見た目は今とちっとも変わりませんが)と和夫青年が、謎の宇宙人(とてつもない外見ですので、ホラー映画が苦手な方はご注意を)案内して島根県内各地を巡るという、れっきとした島根県観光PR番組だったシリーズで、松江を訪問する回では小泉八雲を中心に取り上げていました。現在は動画サイトYouTubeで見ることができますので、あわせてお楽しみください。

訂正

7月20日に八雲会のTwitterで、ニコニコチャンネルで公開される『秘密結社鷹の爪NEO』の動画について、「ニコニコ動画またはFacebookのアカウントが必要」とツイートしましたが、正確には「ニコニコチャンネルで提供されている、コメントやお気に入り登録の機能の使用には、ニコニコ動画またはFacebookのアカウントが必要」です。動画の視聴にはニコニコ動画またはFacebookのアカウントは必要ありません。お詫びして訂正いたします(本記事執筆時点では当該ツイートを削除しています)。

小泉凡さんが焼津小泉八雲記念館の名誉館長に就任

7月15日(日)、焼津小泉八雲記念館(静岡県焼津市)の開館5周年記念式典が焼津文化会館で行われ、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)曾孫の小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、小泉八雲記念館顧問、八雲会名誉顧問)が同館の名誉館長に委嘱されました。

静岡新聞 2012年7月18日付
焼津小泉八雲記念館 凡さん名誉館長就任

宮城県を拠点に活動するげんき宮城研究所/みちのく八雲会のブログに、式典への参加報告の記事がありますので、あわせてご覧ください。静岡県内外から多くの方が参加したそうですね。

支援者訪問(げんき宮城通信)

【再掲】過去の雑誌記事で知る松江の魅力『松江特集』:高橋一清さんの講演会を前に

※本記事は、2011年3月24日に掲載した「過去の雑誌記事で知る松江の魅力『松江特集』」の再掲です。2012年7月15日の八雲会定期総会で、高橋一清さん(社団法人松江観光協会観光文化プロデューサー)を講師に迎えて記念講演会を開催するのを前に、高橋さんに触れた記事を改めてご紹介します。

松江観光協会編『松江特集』

Twitterでは折にふれてご紹介してきましたが、松江観光協会から『松江特集』という本が2月に発刊されました。この本は、全国や地方で過去に発売された雑誌に掲載された松江に関する特集記事5本を再録したもので、元『別册文藝春秋』編集長で、現在は松江観光協会の観光文化プロデューサーとして活躍する高橋一清さんが企画編集しました。

巻頭を飾るのは、戦後雑誌ジャーナリズムの歴史に名を刻む『暮しの手帖』第75号(1964年)より「水の町」。木造の黒瓦葺きの民家が立ち並び、行商のリヤカーや小さな汽船が行き交う、今日とは大きく異なる市街の情景を映し出す写真を添えて、高度経済成長期の昂揚感からやや距離を置いたかのような静謐な筆致で松江の姿が綴られています。「松江へ行くのなら、地図を一枚お持ちなさい。その地図をたよりに、なるたけ自分の足でお歩きなさい。まず千鳥城をみてから、濠端をぐるっと歩いてみる、気に入れば、そのへんの橋にもたれて休む、そんなふうに見てゆくと、しだいに、この町の、しずかで、つましく古風な美しさ、というものがしみとおってくる」。この記事書いた『暮しの手帖』初代編集長の花森安治は、旧制松江高校(現在の島根大学)を卒業した、松江ゆかりの名編集者です。

その花森安治が手がけた記事をガイドに、約40年後の松江を訪ねて書かれた記事が、『がんぼ』第9号(2005年)の「名編集者・花森安治が愛した 日本の原風景松江を歩く」です。高橋一清さんも記事中に登場して、花森安治と小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)との共通点を次のように指摘しています。「松江居住時の世代こそ違うけれど、神戸が、また日本の国が、失いかけているゆったりとした落ち着き、日本人ならではのたたずまい、それでいて新しいものを受け止めていく姿勢。彼らがそういったものを松江に見たのは確かでしょう。その後、ふたりともジャーナリストとして時代への批評、観察を行なっていきます」

『がんぼ』の記事中では、『暮しの手帖』記事の写真のうち、縁側でお茶を楽しむ人々の中に、松江市収入役や八雲会副会長を務めた漢東種一郎さんがいることを紹介しています。八雲会の長年にわたる会員には懐かしい名前です。

『西の旅』第17号(2008年)の「八雲でめぐる松江。」は、八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)を案内役に、小泉八雲旧居、月照寺、神魂(かもす)神社など、松江市内の八雲ゆかり地を訪ねる記事です。八雲が好んだ味を再現した「ハーンの羊羹」(一力堂)の誕生秘話も登場しています。

その他、松江の古くからの商業地のガイドブック『白潟歴史と文化に出会える街歩きあんない』(2010年)と、市内に現存する古今の建築を特集した『湖都松江』第15号(2008年)の特集「未来に遺す『松江』」を採録。松江の旅案内やおみやげにもなりそうな1冊です。松江にお越しの際は、市内の書店や観光案内所などで手に取ってみて下さい。

社団法人松江観光協会編『松江特集』
社団法人松江観光協会刊
2011年
定価1,000円(税込)
お問い合わせ先:社団法人松江観光協会(電話0852-27-5843)
http://www.kankou-matsue.jp/

怪談と自然災害…焼津の2つの展覧会[2]静岡福祉大学附属図書館「小泉八雲と自然災害」展

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、「地震と国民性(Earthquakes and National Character)」を神戸の新聞記者時代に書いたのち、「稲むらの火」の原作としても知られる「生き神(A Living God)」を著し、津波(tsunami)という言葉を世界に広めました。焼津市の静岡福祉大学附属図書館で開催中の「小泉八雲と自然災害:ヘルンさんからのメッセージ」展は、八雲と自然災害とのかかわりに光をあてるとともに、八雲が生きた時代の国内外の自然災害の記録を紹介する展覧会です。

富山大学「ヘルン文庫」で発見された"The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896"の複製とその翻訳を、手にとって読むことができるコーナー。

昨年、八雲会会員の中川智視さん(明治大学兼任講師)が、八雲の蔵書を一括収蔵する富山大学附属図書館「ヘルン文庫」での調査の過程で、明治三陸地震に関する英文のリーフレット”The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896″(「日本での大災害 1896年6月15日」)を発見したことが、『読売新聞』富山版(2011年10月1日付)で報じられました。この記事はインターネットでも配信され、富山県内や八雲研究者の範囲を越えて話題となりました。このリーフレットは、英字新聞Japan Gazetteの記者が、1896(明治29)年6月に発生した明治三陸地震と大津波で被災した岩手県の釜石を取材した際の記録で、本展では同資料の複製が、中川さんによる日本語訳とともに公開されています(同資料については、八雲会誌『へるん』第49号に中川さんによる紹介記事「ヘルン文庫から見つかった明治三陸沖地震の資料」を掲載していますので、あわせてお読みください)。

八雲が足跡を残した土地で発生した自然災害も取り上げられています。2005(平成17)年のハリケーン「カトリーナ」による被災が記憶に新しい、ミシシッピ川のデルタ地帯の都市ニューオーリンズにみる、土地環境と水害の関係。マルティニークの28,000人の都市サン・ピエールに生存者2名という壊滅的被害をもたらした1902(明治35)年のプレー火山噴火にみる火砕流災害。そして、宍道湖の水を中海へと送る大橋川の両岸に発展した城下町・松江についても、しばしば見舞われてきた洪水の年表が掲げられていました。

安政大地震の後に出回った鯰絵など、江戸時代後期から幕末にかけて描かれた絵では、地震を起こす鯰や地震虫が、鹿島大明神によって要石で押さえ込まれている。

また、八雲が生きた時代の日本人が、地震の起こる仕組みをどのように考えていたか、災害の記録をどのように残したかを知ることができるのも、本展の特色です。八雲5歳の年、安政2(1855)年に江戸襲った安政大地震の後に出回った鯰絵(なまずえ/原資料は国立科学博物館蔵)には、地震を起こした江戸の鯰が、鹿島大明神の命を受けた神に要石(かなめいし)を打ち込まれながら命乞いをし、大坂や越後など諸国の鯰もそれぞれ誓いを立てたり許しを請うたりする様子が、ユーモラスに描かれています。

現代の“幻灯”ともいえるパソコンにスライド表示される「明治三陸大津波(幻灯版)」。

一方、明治三陸地震津波を描いた「大海嘯極惨状之図」(原資料は国立科学博物館蔵)や、「明治三陸大津波(幻灯版)」(原資料は仙台市博物館蔵)は、テレビも映画もなく、新聞でも写真が多用される以前の時代における、視覚媒体による被災状況の克明な記録であるとともに、その伝達方法をも示しています。

富山大学「ヘルン文庫」や富山八雲会の紹介を含め、八雲の作品・関連書を紹介するコーナー。

本展では、”The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896″を所蔵する富山大学「ヘルン文庫」と、富山八雲会によるちりめん本翻訳プロジェクトもあわせて紹介され、八雲と富山のかかわりを知る機会にもなっています。東京の八雲の遺族の手で管理されていた八雲の蔵書が富山にもたらされたきっかけは、1923(大正12)年の関東大震災。蔵書を安全に保管できる学校に一括譲渡したいとの遺族の意向に応えたのが、当時創設準備中だった富山高等学校、現在の富山大学でした。関東大震災を境に富山に移った蔵書の中から、八雲の自然災害への強い関心がうかがえる資料が、東日本大震災が発生した年に見出され、八雲が愛した焼津の地で公開される……。小泉八雲と自然災害の不思議な縁を感じずにはいられません。

「小泉八雲と自然災害:ヘルンさんからのメッセージ」展は、静岡福祉大学附属図書館で7月31日(火)まで開催しています(土曜日・日曜日・祝日休館)。


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