投稿:2014年01月01日(水)
昨夏以来、八雲会ブログの更新を担当者の都合でお休みしていまして、ご期待に沿えず申し訳ありません。まとまった量の文章を編集または執筆する余裕がない日々が続いているためですが、Twitter、Facebookページ、Googleカレンダーでの情報提供は、随時行っています。
特にTwitterとFacebookページでは、八雲会に寄せられたりネット上で見つけたりした小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の新しい話題を、ほぼ毎日ご紹介しています。TwitterやFacebookのアカウントをお持ちの方は、ぜひ「フォロー」や「いいね!」をお願いします。アカウントをお持ちでない方でも、Twitter、Facebookページをご覧いただくことは可能ですので、ときどきのぞいてみてください。
2010年9月に始めたGoogleカレンダーによる全国各地の八雲関連イベントの紹介は、現在Facebookページの「イベント」とほぼ同じ内容を掲載しています。パソコンやスマートフォンのカレンダーアプリに読み込ませることもできますので、カレンダーアプリをご活用の方はお試しください。
投稿:2014年01月01日(水)
あけましておめでとうございます。
2014年、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)没後110年を迎えます。
没後100年にあたった2004年には、ハーンゆかりの全国5か所で連続国際シンポジウムが開催され、八雲会も松江のシンポジウムの運営に携わりましたが、今年はハーンの生誕地・ギリシャのレフカダ島で国際シンポジウムを開催することとなり、日本とギリシャの関係団体と連携しつつ、昨年から準備を進めています。
ハーンをめぐる学術的な議論だけでなく、ハーンにちなむ展覧会やパフォーマンスなども企画を練っていますので、お好きな角度でハーンの世界をお楽しみいただければと思います。日程は7月4日から6日です。この機会にレフカダ島を訪ねてみたい方は、今からスケジュールを空けておいてください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
投稿:2013年07月06日(土)
いよいよ明日7月7日(日)、平成25年度八雲会定期総会を開催します。
会員以外の方にもご参加いただける恒例の記念講演会は15:00から。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の旧蔵書から自然災害に対する八雲の高い関心をうかがわせる英文資料を発見・翻訳した中川智視さん(明治大学兼任講師、武蔵野美術大学非常勤講師)に、「小泉八雲と服部一三—富山大学ヘルン文庫の調査と静岡福祉大学の企画展を経て」と題してお話しいただきます。
これまでにもホームページでご紹介してきましたように、中川さんは2011年、富山大学附属図書館ヘルン文庫に一括収蔵されている八雲の旧蔵書を調査する過程で、1896(明治29)年に東北地方で発生した明治三陸沖地震を当時の英字紙記者が取材した英文リーフレット“The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896”(「日本での大災害 1896年6月15日」)を発見し、その翻訳を行いました。
この新資料の複写が中川さんの日本語訳とともに公開されたのが、晩年の八雲が夏休みを楽しんだ静岡県焼津市にある静岡福祉大学附属図書館で2012年に開催された「小泉八雲と自然災害——ヘルンさんからのメッセージ」展でした。同館で続いて開かれた「子どもの防災教材・稲むらの火誕生と服部一三——八雲を日本へ導いた人物」展にも中川さんは参加。来日前の八雲とニューオーリンズで出会い、のちに松江の英語教師の職を八雲に斡旋した官僚・服部一三に、自然災害というテーマで新たな光をあてました。今回の講演は、八雲と日本、そして松江を結びつけた人物として知られる服部の、日本地震学会初代会長や明治三陸地震沖当時の岩手県知事としての知られざる一面に出会う機会にもなるでしょう。
近年の八雲に関するニュースの中でも、特に注目が集めた話題をお届けする今年の記念講演会、どうぞご期待ください。松江市総合文化センター2階、視聴覚室でお待ちしています。
“The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896”(「日本での大災害 1896年6月15日」)と「小泉八雲と自然災害——ヘルンさんからのメッセージ」展については、会誌『へるん』第49号および下記リンク先でご紹介しています。また、富山大学学術情報リポジトリにも資料が公開されています。あわせてご覧ください。
チラシ(PDFファイル:170KB)
投稿:2013年06月27日(木)
今日6月27日は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)163回目の誕生日です。
このホームページのトップでは、八雲の誕生日を祝う内容の画像を6月27日に限り掲載するのが恒例ですが、今年は八雲がニューオーリンズで暮らしていた時代(1877-1886)の肖像写真を選んでみました。
八雲会が拠点を置く松江市は、ともに八雲が居住した地であるという縁でニューオーリンズ市と友好都市提携を結んでいます。2012年10月には、ニューオーリンズのチューレン大学で「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン in ニューオーリンズ:初版本と造形美術展」を開催。これにあわせて松江市から市民訪問団が現地を訪れました。今年は、ニューオーリンズ市から松江へ市民訪問団が派遣される予定とのことです。
オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン in ニューオーリンズ:初版本と造形美術展(写真:小泉祥子)
八雲が住んだニューオーリンズ、クリーヴランド通りのアパート(写真:小泉祥子)
両市友好のしるし、八雲日本庭園。2007年のハリケーン、カトリーヌによる被災から復興を遂げた2012年の姿(写真:小泉祥子)
さて、八雲の曾孫・小泉凡さんと『新耳袋』の著者・木原浩勝さんの対談「松江怪談談義:現代の視点で探る古典怪談 怪談のふるさと松江で語る小泉八雲」(7月25日、松江歴史館)の申込受付が、八雲の誕生日の今日から始まりました。観覧ご希望の方は、松江歴史館へ電話またはメールでお申し込みください。
また、八雲会では例年、八雲の誕生日の前後に会誌『へるん』を発行、そして定期総会を開催しています。今日はホームページに『へるん』第50号の目次を掲載しました。同誌は本会事務局や松江市内の今井書店各店などでも販売していますが、会員の皆様にはいちはやく、近日中に発送する予定ですのでお楽しみに。
定期総会は7月7日(日)松江市総合文化センターで。八雲会の会員ではない方もご参加いただける記念講演会は、八雲の旧蔵書から自然災害に対する八雲の高い関心をうかがわせる英文資料を発見・翻訳した中川智視さんを講師にお迎えします。どうぞご期待ください。
投稿:2013年04月21日(日)
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)没後110年を記念する国際シンポジウムを、2014年7月に八雲の生誕地であるギリシャのレフカダで開催することになりました。
このほど八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)夫妻が、八雲が松江から転勤した地である熊本を訪問。熊本アイルランド協会の副島隆会長とともに関係者に協力を要請しました。その模様が熊本日日新聞に掲載されました。
熊本日日新聞 2013年4月16日付
ハーンの精神 現代に生かせ 来年没後110年 ギリシャでシンポジウム開催へ
ギリシャ・レフカダにおける没後110年記念国際シンポジウムについては、今後随時情報をお伝えしていきます。
投稿:2013年03月24日(日)
3月24日、平成24年度「小泉八雲をよむ」感想文、作詞・詩(主催:松江市、松江市教育委員会、八雲会)の表彰式を、松江城の堀に面する松江歴史館で開催しました。式典後は松江歴史館と、その近隣にある小泉八雲記念館と小泉八雲旧居へ受賞者とそのお連れのみなさまをご案内しました。
投稿:2013年03月11日(月)
『Pray for Japan:心を一つに』Theatrical Trailer。今日の上映会で現地活動報告を行う門間光紀さんが1分27秒頃に登場「思いはひとつですから」。
東日本大震災発生から2年を迎える今日2013年3月11日、松江市の島根県民会館中ホールで、スチュウ・リービー監督作品『Pray for Japan:心を一つに』の上映会を開催します。本作は、2012年9月1日に「まちづくりNPOげんき宮城研究所創立5周年・みちのく八雲会創立10周年 フォーラム2012 in 石巻」(宮城県石巻市)でも上映された作品です。東日本大震災発生2周年を迎える八雲会の森秀雄副会長が上映実行委員会の世話人代表を務めます。
上映後には、映画の出演者であり、宮城県で震災復興ボランティアに取り組むNPOげんき宮城研究所事務局長・門間光紀さん(みちのく八雲会主宰)の現地活動報告があります。
ご来場心からお待ちしております。
詳しくは下記リンク先のイベント情報ページをご覧ください。
→3.11ドキュメント映画上映『Pray for Japan:心を一つに』(しまね映像フェスティバル 映像のチカラPart 2)
投稿:2013年02月15日(金)
Smithsonian.comに、”Visiting Lafcadio Hearn’s Japan”と題する動画が公開されています。主に松江を撮影した写真で構成されています。
投稿:2013年01月04日(金)
階段を昇りつめた所は、広い縁(えん)になっていて、その奥行きいっぱいに間口を広げる、広くて天井の高い部屋へと、私たちは案内される。神官についていきながら、その部屋の両側の壁を穿(うが)つような形で、計三つのご神座があることにかろうじて気づいた。そのうちふたつのご神座には,天井から畳の床まで白い幕が掛かっている。その幕には、直径十センチメートルほどの黒い丸の真ん中に金色の花の紋が、縦縞(たてじま)のようにあしらってある。
「杵築(きづき)—日本最古の神社(Kitzuki: The Most Ancient Shrine of Japan)」より(池田雅之訳『新編 日本の面影』角川文庫版)
新年あけましておめでとうございます。
お正月、初詣にお出かけになった方も多いかと思います。島根県内で最も多くの初詣客が訪れる出雲市の出雲大社は、2008年から60年に1度の遷宮を迎え、国宝の本殿を中心に社殿の大規模な修理が続いていますが、工事のために本殿を包み込んでいた覆い屋は昨年撤去され、八雲山を背にした本殿の屋根を、久々に見ることができる年明けを迎えました。5月10日には、御仮殿から本殿に御祭神を遷す本殿遷座祭が執り行われます。
英訳の『古事記』を愛読し、古代日本の信仰の世界に心ひかれていた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にとって、出雲大社は縁の深い神社です。初めての参拝は、松江の島根県尋常中学校および師範学校の英語教師として着任間もない1990(明治23)年9月。尋常中学校の教頭・西田千太郎の紹介状を持って宮司の千家尊紀に面会の上、外国人として初めて本殿への昇殿を許されたといいます。八雲はその後、翌1991(明治24)年7〜8月と、神戸から東京に転勤する直前の1896(明治29)年8月にも出雲大社と門前町・杵築を訪れています。
日本での第一作『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』所収の「杵築—日本最古の神社(Kitzuki: The Most Ancient Shrine of Japan)」は初めての大社参拝の体験を、同「杵築雑記(Notes on Kitzuki)」「日御碕(Hinomisaki)」は1891年の大社訪問をもとに書かれた作品です。出雲大社に例年にも増して注目の集まるであろう2013年、この機会に八雲の大社ゆかりの作品と、大社に残した足跡にも触れていただければ幸いです。八雲会のホームページ、Twitter、Facebookページなどでも、折に触れてご紹介できたらと思います。
本年も八雲会をよろしくお願い申し上げます。
投稿:2012年11月05日(月)
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの洞光寺(松江市新町)で、八雲のルーツのひとつであるアイルランドの音楽のコンサートが開催されます。マーティン・ヘイズ(フィドル)とデニス・カヒル(ギター)のデュオによる日本公演の最終日です。
※洞光寺は、八雲の『知られぬ日本の面影(日本瞥見記)』(Glimpses of Unfamiliar Japan)に登場することで知られる寺で、「神々の国の首都(The Chief City of the Province of the Gods)」では松江の朝に聞こえる鐘の音が、「英語教師の日記から(From the diary of an English Teacher)」には、教え子の横木富三郎らの追悼会の場面が描かれています。
タグ: Dennis Cahill, Martin Hayes, ケルト, 山陰日本アイルランド協会, 松江, 洞光寺, 知られぬ日本の面影, 神々の国の首都, 英語教師の日記から, 音楽
投稿:2012年10月20日(土)
アメリカ、ニューオーリンズのテュレーン大学ジョーンズ・ギャラリーで10月18日に始まった「The Open Mind of Lafcadio Hearn in New Orleans: Book and art Exhibition(オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン in ニューオーリンズ:初版本と造形美術展)」。その記念講演会のためニューオーリンズを訪問したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)曾孫、小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)のインタビュー記事と動画が、現地紙のサイトに公開されています(英語)。
ハーンが暮らしたクリーブランド通りの下宿を訪問した様子を交えた内容です。2009年にギリシャのアテネで始まった「The Open Mind of Lafcadio Hearn」の発案者であるアート・コーディネーターのタキス・エフスタシウ氏(八雲会会員)、同展の企画を担当した小泉祥子・八雲会常任理事も登場します。
→Lafcadio Hearn’s great-grandson Bon Koizumi visits New Orleans author’s apartment (nola.com)
タグ: Takis Efstathiou, オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン, ニューオーリンズ, 小泉凡, 小泉祥子
投稿:2012年10月10日(水)
この秋は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの場所を歩くツアーが各地で実施されます。「神々の国の首都」松江、八雲が教壇に立った校舎の残る熊本、晩年の八雲が避暑に訪れた焼津の催しをまとめました。
小泉八雲記念館企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」の関連イベント。7〜8月に続いて開催。
ケータイ片手に一味違ったアングルからハーンゆかりの地を写真撮影。
ハーンの子孫ならではの話を聞きながら散歩を楽しみます。
市内にある小泉八雲ゆかりの地を徒歩(約4キロ)とバスで探訪して、八雲の愛した焼津の魅力を再発見してみましょう。
(『広報やいづ』2012年10月1日号より)
講演と鼎談「ハーン五高時代の『講義ノート』の新発見」の関連イベント。「『講義ノート』の舞台である旧制第五高等中学校跡(五高記念館)などを訪ね、ハーンをより深く理解する見学ツアー」(チラシより)。
タグ: ぶら!へるん, 乙吉の家, 五高記念館, 光心寺, 城山稲荷神社, 富田旅館跡, 小泉八雲先生諷詠の碑, 小泉八雲記念館, 小泉凡, 教念寺, 新川橋, 月照寺, 松江, 波除地蔵, 浜通り, 海蔵寺, 焼津, 焼津小泉八雲記念館, 焼津神社, 熊本, 熊本アイルランド協会, 熊本八雲会, 熊野神社, 知られぬ日本の面影, 神々の国の首都, 第五高等中学校, 講義ノート, 高嶋敏展, 龍昌寺
投稿:2012年10月09日(火)
最近出会った動画をご紹介。プレゼンテーション用ソフトの「PowerPoint(パワーポイント)」を使って怪談を語る「プレゼン怪談トークショー 怪談.ppt」というイベント(2012年8月30日、東京カルチャーカルチャー)の後半部分を収録した映像です。
動画の32分ごろから、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の代表作「耳なし芳一」(プレゼンテーション:林雄司、朗読:大北栄人)の登場となるわけですが、朗読は「芳一」のあらすじと解説を短い時間ながらしっかり聞かせてくれるのに、スクリーンに映し出されたPowerPointの画面は……? ここで多くは語りませんので、ともかく動画をご覧ください(笑)。
また、「芳一」のプレゼンター・林雄司さんが、下記のリンク先でプレゼンテーションの内容をテキストと画像で紹介しています。こちらを先にお読みになっても面白いと思います。
→耳なし芳一をパワポにする(デイリーポータルZ)
投稿:2012年10月07日(日)
2009年よりアテネ、松江、ニューヨークと巡回してきた美術展「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン(The Open Mind of Lafcadio Hearn)」が、今年は10月18日よりアメリカ、ニューオーリンズのテュレーン大学ジョーンズ・ギャラリーで開催されます。
そのニューオーリンズで今年の2月18日、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をたたえるパレードが行われました。
ハーンがニューオーリンズでジャーナリストとして活動していた1885年、『クレオール料理(La Cuisine Creole: A Collection of Culinary Recipes)』というレシピ本を著したことにちなむもので、パレードの顔となるクィーンやキングにはシェフが選ばれ、参加者たちは泡立て器を手に持っていたり、沿道の人たちに木のスプーンを配ったり、カップケーキなどの料理の扮装をしたりと、料理尽くしのパレードだったようです。パレードのキャプテンは、来年もやると言っているとか。
以下、パレードに動画と新聞記事です。
→Rain-wilted chefs brave weather for inaugural Krewe of Lafcadio parade (nola.com)
「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン in ニューオーリンズ」展には、テュレーン大学 Rare Book Collection, Special Collections, Howard Tilton Memorial Library が所蔵する『クレオール料理』のニューヨークで刊行された初版とともに、ニューオーリンズで別の出版社から刊行された第2版も展示されます。
(情報提供:カワマサショウコさん)
投稿:2012年10月05日(金)
雑誌『旅と鉄道』2012年11月号(朝日新聞出版)の第2特集「神話と伝説が息づく山陰列車旅」で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とセツ夫人の新婚旅行地を、八雲の曾孫・小泉凡さん(島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)が訪問、松江と出雲を結ぶ一畑電車と、JR山陰本線で旅しています。
八雲とセツが出雲大社、ついで鳥取県を訪れたのは、この地方に鉄道が開通していなかった1891(明治24)年。曽祖父の夏休みを利用した長旅の跡を、凡さんは1泊2日の鉄道旅。八雲が生涯に3度訪れた出雲大社、作品「盆踊り(Bon-Odori)」にも登場する「いさい踊り」に出会った妙元寺、ケルトの子守唄を歌う出雲の女の夢を見たという浜村温泉などを巡っています。
『旅と鉄道』という誌名にふさわしく、凡さんの思い出に残る一畑電車の車輌、旧大社線の大社駅(島根県出雲市)や旧倉吉線(鳥取県倉吉市)といった廃線跡も登場。鉄道ファンでもある凡さんにとって楽しい道中だったのではないでしょうか。
第2特集では、漫画家・水木しげるさんの故郷・鳥取県境港市と米子市を結んで妖怪列車が走る境線をはじめ、島根・鳥取両県のローカル線も紹介され、さらに連載企画には、鳥取県の若桜鉄道や、車輌基地を一望できる米子のホテルが登場。山陰の鉄道旅に誘う1冊です。
タグ: 大社, 小泉セツ, 小泉凡, 旅と鉄道, 日本海に沿って, 杵築, 杵築雑記, 浜村温泉, 盆踊り, 知られぬ日本の面影, 雑誌記事
投稿:2012年09月27日(木)
9月22日(土)、焼津小泉八雲記念館(静岡県焼津市)で小泉八雲顕彰会の八雲忌講演会が開催され、同館の企画展「小泉八雲のKWAIDAN—怪談—展」(10月3日まで)を企画した小泉祥子・八雲会常任理事が講師を務めました。
静岡新聞 2012年7月25日付
八雲の翻訳本を紹介 焼津の記念館 命日に合わせ講演会
投稿:2012年09月26日(水)
今年も9月26日、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の命日を迎えました。
先日22日(土)の夜、八雲が愛した石狐たちがいる城山稲荷神社に、500本ものろうそくが灯りました。毎年八雲の命日に近い土曜日に催される「へるんさんの燈明会」です。
八雲の没後100年に当たる2004年に始まったこの「燈明会」、八雲を偲ぶ松江の行事の中でも新しいものですが、今では松江の秋の風物詩となりました。
今年は、神社にほど近い小泉八雲記念館で開催中の企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」の関連企画、まちあるきツアー「ぶら!へるん」から生まれた写真サークル「へるん写真部」が、写真撮影に訪れていました。
へるん写真部や、8月に実施された子ども塾「スーパーヘルンさん講座」に参加した小学生たちが、松江の八雲ゆかりの地を撮影した写真を鑑賞する「へるんさんの幻灯会」が、29日(土)の夜に開催されます。場所は、小泉八雲記念館や小泉八雲旧居が立ち並ぶ塩見縄手の「武家屋敷」です。
折しも松江城を囲むこの一帯が行灯の日で照らされる松江水燈路の一夜、ほのかな灯りを追いかけながら、武家屋敷をのぞいてみてください。
※「へるんさんの燈明会」の写真は、「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」のFacebookページに順次公開されています。あわせてご覧ください。
タグ: へるんさんの燈明会, へるん写真部, 八雲忌, 城山稲荷神社, 子ども塾「スーパーヘルンさん講座」, 小泉八雲記念館, 武家屋敷, 狐, 高嶋敏展
投稿:2012年08月29日(水)
宮城県を拠点に活動するまちづくりNPOげんき宮城研究所の創立5周年と、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の顕彰団体・みちのく八雲会の創立10周年を記念する「フォーラム2012 in 石巻」が、今週末9月1日に開催されます。
このイベントは、八雲の曾孫・小泉凡さんの基調講演と、東日本大震災の「復興地」(主催者は「被災地」に替えてこの呼称を用いています)で活動する人々を記録したドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN:心を一つに」(スチュウ・リービー監督作品)の2部構成です。
先日、みちのく八雲会主宰・まちづくりNPOげんき宮城研究所事務局長の門間光紀さんが、仙台発のUstream配信番組『復興を考えるソーシャル学生ネットワーク IF I AM』に出演し、「PRAY FOR JAPAN」上映を中心に、約30分にわたってイベントについてお話ししていました。その映像が公開されていますので、関連する記事と「PRAY FOR JAPAN」の予告編動画とともにご紹介します。
→第67回『IF I AM』(Ustream)
→第67回『IF I AM』(8/23)(笑顔311のブログ)
→Ustream配信をリアルタイムで視聴した人たちによるツイートのまとめ(Togetter) ※門間さん出演部分に関するツイートはページの後半です。
→『PRAY FOR JAPAN:心を一つに』公式サイト
当日は、日本三景・松島で知られる宮城県松島町のホテルで「全国八雲会交流&懇親会」が企画され、2010年の松江、2011年の熊本、今年5月の隠岐に続いて、全国の小泉八雲関係団体のみなさんが一堂に会します。石巻から松島への移動中には復興地の視察も織り込まれ、震災発生から間もなく1年半を迎える復興地の今に触れる機会となりそうです。私たち松江の八雲会からも、日野会長をはじめとする一行が参加します。
まちづくりNPOげんき宮城研究所とみちのく八雲会については、この八雲会のブログでしばしばご紹介・言及しています。この機会に東日本大震災関連の記事、またはサイト内検索でご覧ください。
タグ: PRAY FOR JAPAN, Ustream, まちづくりNPOげんき宮城研究所, みちのく八雲会, 小泉凡, 東北関東大震災, 門間光紀
投稿:2012年08月13日(月)
昨年、八雲会会員の中川智視さん(明治大学兼任講師)が、八雲の蔵書を一括収蔵する富山大学附属図書館「ヘルン文庫」での調査の過程で発見した、明治三陸地震に関する英文のリーフレット”The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896″(「日本での大災害 1896年6月15日」)とその日本語訳が、釜石市郷土資料館(岩手県釜石市)で開催中の「116年前からのメッセージ:明治三陸大津波写真展」で11日(土)から31日(金)まで展示されています。先月ご紹介しました静岡福祉大学附属図書館の「小泉八雲と自然災害」展でも展示された資料です。
投稿:2012年08月11日(土)
隠岐郡海士町を中心に、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の隠岐来島120周年を記念するツアー、シンポジウム、展覧会が実施されたのは去る5月でしたが、ハーンとセツ夫人が隠岐に滞在したのは、1892(明治25)年の8月9日から24日にかけてのことでした。つまり、120年前のちょうど今が、隠岐来島120年のまさにそのときなのです。
松江から熊本の第五高等中学校(現在の熊本大学)に転任してから初めての夏休み、すでに7月から博多、神戸、京都、奈良をめぐる大旅行に出ていたハーンとセツは、8月9日に海路美保関(現在の島根県松江市美保関町)に到着。隠岐丸に乗船して翌10日、隠岐に上陸しました。
隠岐には4つの大きな有人島があり、東側にある最大の島を中心とする諸島を島後(どうご。現在の隠岐郡隠岐の島町)、西ノ島(同西ノ島町)・中ノ島(同海士町)・知夫里島(同知夫村)を中心とする西側の諸島を島前(どうぜん)といいます。平川祐弘監修『小泉八雲辞典』(恒文社、2000年)の「隠岐旅行」の項(銭本健二)によると、隠岐に旅程は以下のようなものでした。
※カッコ内は本記事の筆者による補足。市町村名は現在のもの
ハーンは隠岐の4つの有人島すべてをひと通り訪れたのち、西ノ島と中ノ島には再び上陸して島内を巡っています。隠岐旅行中、ハーンは、B. H. チェンバレンとともに『日本旅行案内(A Handbook for Travellers in Japan)』という英文の旅行ガイドブックを編集していたW. B. メイソンに詳細な報告を送り、その成果は同書の第4版(1894年)で、隠岐諸島の記事の参考とされました。ハーン自身も日本での第一作『知られぬ日本の面影(日本瞥見記/Glimpses of Unfamiliar Japan)』(1894年)に、「伯耆から隠岐へ(From Hoki to Oki)」という1章を収めました。
「伯耆から隠岐へ」は、以下の本で読むことができます。書店、図書館等で入手しやすいと思われるものを中心にご紹介します。
文庫版。「伯耆から隠岐へ」は銭本健二訳。
→amazon.co.jp
ペーパーバック版。
→amazon.co.jp
米国amazonの電子書籍リーダーKindle向けの電子書籍。Kindle向けの電子書籍は、専用の閲覧ソフトをインストールしたパソコン(Windows PC、Mac)やスマートフォン、タブレット端末でも閲覧可能。
→amazon.com
iPhone、iPadなどのiOS対応のスマートフォン、タブレット端末で閲覧可能。
→amazon.com
(銭本健二監修、井田徹/島根大学教育学部英語教育研究室英文学セミナー編『神々の国の旅案内—へるんとともに(増補改訂)』英語版、八雲会)
“From Hoki to Oki”より、”Sakaiminato” “Saigō” “Nishinoshima” “Hishiura and Ama”と題して抜粋。
→八雲会ホームページ
なお、Facebookページには、5月の隠岐来島120周年記念イベントの写真をアップロードしてあります。あわせてお楽しみください。
→小泉八雲隠岐来島120周年記念事業「小泉八雲のオープン・マインドと海士スピリッツ」
→ラフカディオ・ハーンとギリシャ:原風景と受け継がれる精神性
投稿:2012年08月07日(火)
Twitterでは5月にご紹介しましたが、八雲会のサイトではまだ取り上げていませんでしたので、遅ればせながらご案内します。
検索サイトで知られるGoogleが提供する無料地図サービス・Googleマップのストリートビューは、目の高さにあわせて撮影された360度のパノラマ写真を、パソコンなどの端末で操作で楽しめるサービスです。ぐるりと回転させるだけでなく、前後左右に歩みを進めたり、拡大・縮小したりして見ることもできます。このストリートビューに、島根県内の観光地が追加されました。
→島根の観光地がGoogleマップのストリートビューSPコレクションに続々登場中!(しまねはじまり通り)
この中には、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居など、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりのスポットが多数含まれています。以下、まとめてご紹介します。これから出かける方は旅の計画に、以前出かけた方は思い出のよすがにお試しを。
小泉八雲旧居の西隣に、昭和8年(1933)11月29日開館。直筆原稿や初版本のほか、愛用の机・椅子・衣類などの遺愛品を中心に二百数十点を展示している。松江市伝統美観保存指定地区にあり、景観に配慮した建物になっている。向かいの塩見縄手広場には八雲の胸像がある。
八雲は松江最後の5ヶ月間、旧松江藩士・根岸家の屋敷を借りて過ごした。根岸家の人々の尽力により、八雲が好んで眺め、「日本の庭」にあらわした庭園や建物が保存され、八雲が暮らした当時の様子をしのぶことができる。
八雲は学生と天守閣に登り落日に照らされた宍道湖や、湖面に浮かぶ嫁ヶ島の優美さをめでた。天守閣のことは「大きな塔」と呼び、「大きな怪物を寄せ集めてつくった龍のようだ」と評している。また、自宅から通勤の近道として、松江城の二の丸、三の丸を毎朝通り抜けていた。
八雲の怪談「小豆磨ぎ橋」に登場する。ある侍が普門院にかかる橋にまつわるタブーを破ったために奇怪な事件が起こるという物語である。明治24年(1891)5月26日、八雲は自宅に普門院の住職を招いて、島根県尋常中学校教頭の西田千太郎と三人で会食をし、この怪談について詳しく取材した。この時に八雲の心中には、日本の怪談を書く構想が次第に出来あがっていったようである。
八雲が三度滞在した港町・美保関の神社で、美穂津姫命と琴代主命を祭神とする。八雲は作品「美保関」に、“卵の嫌いな神様”であるという琴代主命の伝承を紹介している。国譲り神話にちなむ毎年4月7日の青柴垣(あおふしがき)神事や12月3日の諸手船(もろたぶね)神事でも知られる。
出雲大社の新嘗祭で用いる火を鑽(ひき)きり出す火鑽臼と火鑽杵は、毎年同社から送り出される。八雲はピット・リヴァース博物館のタイラー館長の依頼に応じて、西田千太郎を介して出雲大社の千家尊紀宮司より火鑽臼と火鑽杵を入手し、明治24(1891)年4月21日に東京帝国大学のチェンバレン教授に送り、その後博物館に寄贈された。
美保神社、熊野大社と同じく『出雲国風土記』にも載る古い神社。その社殿は権現造の朱塗りで、内部は極彩色の装飾画で覆われている。祭神は天照大御神とその弟須佐之男命。八雲は1891年8月7日海路を使って訪れ、セツと参詣した。
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投稿:2012年07月26日(木)
松江市が毎月第2・第4水曜日の正午に配信しているメールマガジン「だんだん かわら版」に「友達の輪・話・和」というコーナーがあります。各回の筆者が次回の筆者を指名して書き継いでいる連載です。タイトルからして、平日正午のあの長寿番組の「テレフォンショッキング」を連想させてくれますね(最近は番組の方は、タモリさん自らが次回のゲストを紹介する形式に変わったようですが)。
「友達の輪・話・和」では、5月23日配信号から最新の7月25日配信号にかけて、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)に関する話題が続きました。バックナンバーへのリンクをまとめてご紹介しますので、メールマガジンを定期購読していらっしゃらない方も、ぜひお読みください。
第237号(2012年5月23日配信)
文:高嶋敏展(写真家、アートプランナー)
小泉八雲記念館で開催中の企画展「『知られぬ日本の面影』への旅:高嶋敏展写真展」ほか、自身がかかわってきた小泉八雲関連の写真展・イベントについて。
第238号(2012年6月13日配信)
文:石川陽春(八雲会常任理事、グラフィック・デザイナー)
松江で年間を通じて多数実施される小泉八雲関係のイベントを、6月27日の八雲の誕生日前後に開催されるものを中心に。
第239号(2012年6月27日配信)
文:内田融(八雲会事務局長)
今日でも「へるんさん」と呼ばれ親しまれる小泉八雲と、松江の親友・西田千太郎について。
第240号(2012年7月11日配信)
文:小泉祥子(八雲会常任理事)
ギリシャ、松江、ニューヨーク、そして今後はニューオーリンズ、富山へと巡回する“旅する美術展”「オープン・マインド・オブ・ラフカディオ・ハーン」について。
第241号(2012年7月25日配信)
文:小泉凡(小泉八雲曾孫、島根県立大学短期大学部教授、八雲会名誉顧問)
まちあるきの楽しみ。今夏の小泉八雲にちなむ2つのイベント「子ども塾—スーパーへるんさん講座」「ぶら!へるん」について。
投稿:2012年07月23日(月)
スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治など数々の神話の舞台である島根県では、古事記編纂1300年を記念して大型観光イベント「神話博しまね」が21日から始まりました。その神話博しまねのPRに、「神々の国しまね」公式マスコットキャラクターの「しまねっこ」とともに東奔西走しているのが、「神々の国しまね」宣伝部長の「吉田くん」です。
吉田くんは、島根県出雲市にIターンしてアニメーション作家としてデビューした蛙男商会・FROGMANさんの代表作『秘密結社鷹の爪』シリーズの登場人物で、世界征服をもくろむ秘密結社「鷹の爪団」の戦闘主任。その苗字の通り(?)島根県旧吉田村(現在の雲南市吉田町)の出身という設定で、作中では島根県にまつわるさまざまな豆知識をたびたび披露しています。
現在、NHKのEテレ『ビットワールド』(毎週金曜日18:20-18:55)という番組の中で、『鷹の爪』の最新シリーズ『秘密結社鷹の爪NEO』が放送されていますが、7月20日放送分のタイトルは「飴を買う女」でした。世界征服どころか秘密基地の家賃の支払いにも苦労している鷹の爪団の総統が、コンビニでアルバイトを始めます。そこへ飴を買いに来た青白い顔をした女性。その様子を見た吉田くんは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品「神々の国の首都」に登場する、松江の大雄寺(だいおうじ)を舞台とする怪談の登場人物“飴を買う女”ではないかと言い出して、女性の後を追いかけると……。
今日から動画サイト「ニコニコチャンネル」では、『秘密結社鷹の爪NEO』の「飴を買う女」の回が公開されていますので、NHKでの放送を見逃した方は、ぜひこの機会にご覧ください。秘密結社の構成員でありながら、公然と島根県の看板をしょって立つ吉田くんの本領発揮、小泉八雲と怪談「飴を買う女」について、短い時間でわかりやすく紹介しています。ちなみにこの回では、総統が苗字で呼ばれる場面が出てきますが、このサイトをご覧いただいているみなさんにはおなじみのあの人の子孫、または同じ苗字の元○○○○大臣の弟……なのかどうかはちょっとわかりません(笑)。
【追記】※7月28日(月)以降は有料配信となっています。
吉田くんと小泉八雲といえば、今年1月から3月にかけてMBS毎日放送で関西地方向けに放送されていた『秘密結社鷹の爪外伝 むかしの吉田くん』に、その名もズバリ「小泉八雲の巻」という回がありました。『むかしの吉田くん』は、島根で観光ボランティアをしていた14歳の吉田くん(見た目は今とちっとも変わりませんが)と和夫青年が、謎の宇宙人(とてつもない外見ですので、ホラー映画が苦手な方はご注意を)案内して島根県内各地を巡るという、れっきとした島根県観光PR番組だったシリーズで、松江を訪問する回では小泉八雲を中心に取り上げていました。現在は動画サイトYouTubeで見ることができますので、あわせてお楽しみください。
7月20日に八雲会のTwitterで、ニコニコチャンネルで公開される『秘密結社鷹の爪NEO』の動画について、「ニコニコ動画またはFacebookのアカウントが必要」とツイートしましたが、正確には「ニコニコチャンネルで提供されている、コメントやお気に入り登録の機能の使用には、ニコニコ動画またはFacebookのアカウントが必要」です。動画の視聴にはニコニコ動画またはFacebookのアカウントは必要ありません。お詫びして訂正いたします(本記事執筆時点では当該ツイートを削除しています)。
投稿:2012年07月20日(金)