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新年あけましておめでとうございます:2013年は出雲大社本殿遷座祭の年です

階段を昇りつめた所は、広い縁(えん)になっていて、その奥行きいっぱいに間口を広げる、広くて天井の高い部屋へと、私たちは案内される。神官についていきながら、その部屋の両側の壁を穿(うが)つような形で、計三つのご神座があることにかろうじて気づいた。そのうちふたつのご神座には,天井から畳の床まで白い幕が掛かっている。その幕には、直径十センチメートルほどの黒い丸の真ん中に金色の花の紋が、縦縞(たてじま)のようにあしらってある。
「杵築(きづき)—日本最古の神社(Kitzuki: The Most Ancient Shrine of Japan)」より(池田雅之訳『新編 日本の面影』角川文庫版)

新年あけましておめでとうございます。

お正月、初詣にお出かけになった方も多いかと思います。島根県内で最も多くの初詣客が訪れる出雲市の出雲大社は、2008年から60年に1度の遷宮を迎え、国宝の本殿を中心に社殿の大規模な修理が続いていますが、工事のために本殿を包み込んでいた覆い屋は昨年撤去され、八雲山を背にした本殿の屋根を、久々に見ることができる年明けを迎えました。5月10日には、御仮殿から本殿に御祭神を遷す本殿遷座祭が執り行われます。

英訳の『古事記』を愛読し、古代日本の信仰の世界に心ひかれていた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)にとって、出雲大社は縁の深い神社です。初めての参拝は、松江の島根県尋常中学校および師範学校の英語教師として着任間もない1990(明治23)年9月。尋常中学校の教頭・西田千太郎の紹介状を持って宮司の千家尊紀に面会の上、外国人として初めて本殿への昇殿を許されたといいます。八雲はその後、翌1991(明治24)年7〜8月と、神戸から東京に転勤する直前の1896(明治29)年8月にも出雲大社と門前町・杵築を訪れています。

日本での第一作『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』所収の「杵築—日本最古の神社(Kitzuki: The Most Ancient Shrine of Japan)」は初めての大社参拝の体験を、同「杵築雑記(Notes on Kitzuki)」「日御碕(Hinomisaki)」は1891年の大社訪問をもとに書かれた作品です。出雲大社に例年にも増して注目の集まるであろう2013年、この機会に八雲の大社ゆかりの作品と、大社に残した足跡にも触れていただければ幸いです。八雲会のホームページ、TwitterFacebookページなどでも、折に触れてご紹介できたらと思います。

本年も八雲会をよろしくお願い申し上げます。

初詣でにぎわう出雲大社。八雲山を背に本殿の屋根に葺かれた真新しい檜皮が映えます。


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