八雲会ブログ

ホーム » 八雲会ブログ » 120年前の夏、ハーンとセツは隠岐を訪問中

120年前の夏、ハーンとセツは隠岐を訪問中

隠岐郡海士町を中心に、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の隠岐来島120周年を記念するツアー、シンポジウム、展覧会が実施されたのは去る5月でしたが、ハーンとセツ夫人が隠岐に滞在したのは、1892(明治25)年の8月9日から24日にかけてのことでした。つまり、120年前のちょうど今が、隠岐来島120年のまさにそのときなのです。

松江から熊本の第五高等中学校(現在の熊本大学)に転任してから初めての夏休み、すでに7月から博多、神戸、京都、奈良をめぐる大旅行に出ていたハーンとセツは、8月9日に海路美保関(現在の島根県松江市美保関町)に到着。隠岐丸に乗船して翌10日、隠岐に上陸しました。

隠岐には4つの大きな有人島があり、東側にある最大の島を中心とする諸島を島後(どうご。現在の隠岐郡隠岐の島町)、西ノ島(同西ノ島町)・中ノ島(同海士町)・知夫里島(同知夫村)を中心とする西側の諸島を島前(どうぜん)といいます。平川祐弘監修『小泉八雲辞典』(恒文社、2000年)の「隠岐旅行」の項(銭本健二)によると、隠岐に旅程は以下のようなものでした。

  • 8月10日 知夫里(隠岐郡知夫村)—浦郷(同西ノ島町)—菱浦(同海士町)—西郷(同隠岐の島町)滞在
  • 8月17日 津井の池、玉若酢神社(同隠岐の島町)訪問
  • 8月19日 菱浦滞在
  • 8月20日 海士村(同海士町)に後鳥羽帝の御陵(火葬塚。のちに同地に隠岐神社が創建される)を訪問
  • 8月22日 別府村(同西ノ島町)に後醍醐帝の黒木御所を訪問、浦郷に滞在
  • 8月24日 浦郷より隠岐丸で境港(鳥取県境港市)へ
  • 8月25日 美保関に滞在

※カッコ内は本記事の筆者による補足。市町村名は現在のもの

ハーンは隠岐の4つの有人島すべてをひと通り訪れたのち、西ノ島と中ノ島には再び上陸して島内を巡っています。隠岐旅行中、ハーンは、B. H. チェンバレンとともに『日本旅行案内(A Handbook for Travellers in Japan)』という英文の旅行ガイドブックを編集していたW. B. メイソンに詳細な報告を送り、その成果は同書の第4版(1894年)で、隠岐諸島の記事の参考とされました。ハーン自身も日本での第一作『知られぬ日本の面影(日本瞥見記/Glimpses of Unfamiliar Japan)』(1894年)に、「伯耆から隠岐へ(From Hoki to Oki)」という1章を収めました。

「伯耆から隠岐へ」は、以下の本で読むことができます。書店、図書館等で入手しやすいと思われるものを中心にご紹介します。

【日本語訳】小泉八雲著、平川祐弘編『明治日本の面影』(小泉八雲名作選集)講談社学術文庫

文庫版。「伯耆から隠岐へ」は銭本健二訳。
amazon.co.jp

【日本語訳】小泉八雲作、平井呈一訳『日本瞥見記 下』恒文社

amazon.co.jp

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan, Tuttle Publishing.

ペーパーバック版。
amazon.co.jp

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan Second Series (Kindle Edition)

米国amazonの電子書籍リーダーKindle向けの電子書籍。Kindle向けの電子書籍は、専用の閲覧ソフトをインストールしたパソコン(Windows PC、Mac)やスマートフォン、タブレット端末でも閲覧可能。
amazon.com

【英文】Lafcadio Hearn, Glimpses of Unfamiliar Japan (iBookstore)

iPhone、iPadなどのiOS対応のスマートフォン、タブレット端末で閲覧可能。
amazon.com

【英文】A Guidebook for Travellers in the Province of the Gods—from Hearn’s writings— (revised and enlarged), The Hearn Society.

(銭本健二監修、井田徹/島根大学教育学部英語教育研究室英文学セミナー編『神々の国の旅案内—へるんとともに(増補改訂)』英語版、八雲会)
“From Hoki to Oki”より、”Sakaiminato” “Saigō” “Nishinoshima” “Hishiura and Ama”と題して抜粋。
八雲会ホームページ

なお、Facebookページには、5月の隠岐来島120周年記念イベントの写真をアップロードしてあります。あわせてお楽しみください。

小泉八雲隠岐来島120周年記念事業「小泉八雲のオープン・マインドと海士スピリッツ」
ラフカディオ・ハーンとギリシャ:原風景と受け継がれる精神性


このカテゴリーに属する他の記事

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。