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「小泉八雲の“夢見るベット”」に寝転がってみました

イベント情報でもお知らせしましたように、小泉八雲旧居、同記念館にほど近い松江市奥谷町で「奥谷タイムトンネル2」というアートイベントが開催されています。

奥谷タイムトンネル2(イベント情報)

会場のひとつ、島根大学旧奥谷宿舎に出現した「小泉八雲の“夢見るベッド”」。筆者が聞いた限りでは、関係者もマスコミ、クチコミも、そろってこの催しの“一番人気”に挙げています。

島根大学旧奥谷宿舎2階の「どこでも図書室」に置かれた「小泉八雲の夢見るベッド」。ベッドに寝転んで読書を楽しむことができる。

島根大学旧奥谷宿舎2階の「どこでも図書室」に置かれた「小泉八雲の“夢見るベッド”」。ベッドに寝転んで読書を楽しむことができる。

1869年、アイルランドからアメリカに身一つで渡って間もない19歳の青年、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が、印刷工場から出た紙屑をクッション代わりに詰めたベッドで寝起きしたというエピソードにヒントを得て作られた、このベッド。置かれているのは宿舎2階、参加アーティストが持ち寄った創作の源となる本を自由に手にとって読むことができる「どこでも図書室」という、この会場の中でも最もくつろげる場所です。

ベッドの表面は、ハーンの生年1850年にアメリカで出版されたナサニエル・ホーソーン(Nathaniel Hawthorne)の小説『緋文字(The Scarlet Letter)』をコピーした、わら半紙に覆われていますから、肌触りは多少カサカサします。主催団体代表の高嶋敏展さんがこのイベントのブログに書いた記事によると「(印刷工場主の)ワトキンも極めて貧しかったのでシーツすら与えられなかったかもしれ」ないと考えたことから、新聞紙を詰めたシーツを、あえてこのような紙でくるんでみたのだとか。

寝転がってみると、ベッド全体は薄いながらも、やや固めのしっかりとしたクッションが体を支えてくれているのが背中や足腰に伝わってきます。寝心地のよさでは一般の家庭やホテルにあるベッドにはさすがにかないませんが、貧しいながらも安眠の床を得ることができた若き日のハーンと自分を重ね合わせるには打ってつけのベッドです。

厳密な考証に基づいた再現ではなく、あくまで松江の人びとに今も愛される“ヘルンさん”に思いをはせるための装置として大いに楽しめると思います。「奥谷タイムトンネル2」この連休、3月22日(月)まで開催しています。

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