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雑誌Smithsonianで松江とハーン紹介される

Smithonian 2009年9月号の表紙Smithonian 2009年9月号の表紙ハーンの記事

アメリカで発行されているSmithsonianという雑誌の特別号(09.9)に松江とハーンが紹介されている。Serene Japan(静謐な日本)というタイトルを付けて見聞記が載っている。筆者はFrancine Prose という女性で、カメラマンとともに、4月桜の終わりの頃この地を訪れた。
松江では、ボランティア・ガイドのC.K.さんが案内。
月照寺、小林正樹の映画「怪談」、ハーンの生い立ち、日本女性との結婚、出雲大社、松江、堀割、松江城、小泉八雲記念館、八雲旧居、城山稲荷神社と話題の場所を巡っていく。

松江のところでこんな文章が目にとまった。

水の都(the “City of Water”)松江には、17世紀築城の城を巡る長い堀割がある。晴れた日は、水面に光がきらきら反射して、ヴェネチアの淡い赤みがかった輝き(aura)と北カリフォニア海岸の外洋性のまぶしさ(dazzle)とが溶け合っている趣がある、といっている。

 
小泉八雲記念館では、ハーンが特注した高い机がよほど印象に残ったらしい。
駆け出しの作家はハーンのように一旦作品を書き終えたら、引き出しにしまい、時を置いて取り出しては推敲を重ねて望ましい一編に仕上げていくべきだと言っている。

ハーンに関したところを取り上げてみる。

背は低く、目は不自由で、アウトサイダーであるとみていたが、日本で始めて地域社会への帰属意識を経験した。日本名小泉八雲と改名したが、自分自身は未知(unfamiliar)の社会を絶えず探求しようと努力する外国人とみなしていた。伝統と変革という二つの問題に関心を払っていた。その作品は帰化した国をエギゾチックにそしてロマンチックに書きすぎたと批判されているが、日本では今までも愛着をもたれ、よく読まれている。
今なお、日本人がこころに描くハーンはハーンが日本の文化を取り入れ、それを西洋世界の人に理解させようとした熱意にあったと一般的には思われているが、—ここで、クリストファー・ベンフィー(Christopher Benfey)の『グレイト・ウエイヴ』(The Great Wave)が引用される。
ハーンは外国旅行者の行儀の悪さを軽蔑し、西洋を模倣しようとする日本人の意気込みを嘆き、西洋の識者の中でも、日本人の怒り、特に日本にいる西洋の旅行者や在住者への日本人の怒りを声高に論じたのは、ハーン以外に殆どいなかった。ハーンは古い時代の霊的な(ghostly)「遺物(survivals)」を理想化して, かすんだもやを通して昔の日本を見た。

 
Proseさんはこの典型として八雲旧居の庭をあげている。同じ文脈で城山稲荷神社のキツネの群れに触れている。
松江の「霊的遺物」を見た後、Proseさんはこんな感想を述べている。

この時点で、わたしもハーンが真っ逆さまに転げ込んだ落とし穴−古い日本、失われた日本をロマンチックに美化し、1990年代にバブル崩壊と不況の10年を経験し、現在われわれと同じようにまた経済危機に直面しているこの過密日本の現代の厳しい現実を無視するという陥穽に陥ったかもしれないと感じているのだ。

 
Prose さんは、松江から萩へと旅を続ける。この紀行の終わりをこんな風に結んでいる。

この客人を歓迎し魅惑的な、古いものと新しいものが融合した日本において、来るまでは分からなかったことだが、なぜハーンがその魔力(spell)のとりこになって、日本を脱することはできなくなり、この地で、長い放浪を終え、ようやくこの上ないこころ穏やかな気持ちになったかが理解できた。

 
(なお、雑誌Smithsonianは常松正雄氏から紹介されたものである。深く感謝したい。)

Smithonianに掲載された記事は、同誌のホームページでも読むことができます。

Finding Serenity on Japan’s San-in Coast (Smithsonian Magazine)


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