基本情報
- 日時
- 2018年5月〜12月 第4日曜日10:30-12:00(全6回)
5月27日(日)、6月24日(日)、7月22日(日)、10月28日(日)、11月25日(日)、12月23日(日) - 会場
- 中村元記念館(島根県松江市八束町波入2060 松江市役所八束支所2階)
- 講師
- 横山純子(中村元記念館東洋思想文化研究所研究員、八雲会常任理事)
- 料金
- 受講料8,200円(早割7,200円。5月20日までに受講料を納入の場合) ※東方学院松江校新規入会者は入会金10,000円、継続会員は継続事務費5,000円が別途必要
- その他
- テキスト:ラフカディオ・ハーン(平川祐弘訳)『カリブの女』河出書房新社、1999
※購入が必要 - 問い合わせ先
- 中村元記念館 電話:0852-27-3220
内容
1869年にアメリカに渡ったハーンは、新聞記者となり研鑽を積み、アメリカ時代に小説を書きたいという夢を抱き、1889年に『チタ』(Chita)、1890年に『ユーマ』(Youma)といった小説を出版している。
ChitaはLafcadio Hearn(1850-1904)が1883年に聞いたデルニエール島のハリケーンで生き残った少女の話を基に書かれた。この作品は1888年4月に『ハーパーズ・マンスリー』(Harper’s Monthly)に載り、1889年にハーパー・ブラザーズ(Harper & Brothers)社より単行本として出版されたものである。ハリケーンが来て母親を海で亡くした主人公のチタは、漁師に助けられ、その夫妻に引き取られ、育てられた。成長したチタの元に偶然に本当の父親が現れるが、その父親は伝染病に罹り、瀕死で親子のなのりをあげないうちに、亡くなるという話である。チタは従来の評価ではプロット、人物像が弱いとされ、小説としては失敗作とみなされてきたものである。人物像は弱いところはあるが、そのかわりに海があたかも登場人物に一人であるかのような役割を果たしている。
また『ユーマ』はハーンが1888年10月頃題材を得て、実話を元に執筆をしたものであり、1889年2月頃脱稿し、1890年1月と2月に『ハーパーズ・マンスリー』に載り、1890年5月にハーパー・ブラザーズ社より単行本として出版されたものである。『ユーマ』は序章と14章からなる中編小説である。黒人奴隷の乳母ユーマの話で、強い意志の持った女性で、蛇を足で押さえて自分が乳母をしている白人の子供を助けたり、暴動の中でその白人の子供を守って一緒に焼死する。
小説としては不成功ではあるが、二つの話には人種を超えた母性愛が描き出されており、これら二つの小説には母への憧憬があますところなく語られている。これら二つの小説を再評価してみたい。
(「受講の手引き」より)
島根県松江市八束町に新しく開館した、インド思想、仏教学、比較思想学の巨星、中村元博士の記念館です。
その他の情報
- 詳しい情報
- http://www.nakamura-hajime-memorialhall.or.jp/touhou.html